




その廃線は立入禁止であるが、武庫川の渓谷の景色がよく、またトンネルや鉄橋の跡を通るスリルがあるということで、ハイキングコースとして多くの人が訪ねることになった。JRや自治体としても建前上は立入禁止としつつも、実態は黙認状態、何かあれば自己責任というスタンスだった。
それが、2016年に廃線跡の整備や安全対策を行い、公認の?ハイキングコースとして、生瀬~武田尾ルートの出入りが自由になった。あくまで自己責任というスタンスだが、西宮、宝塚の新たな観光スポットにしようということだろう。私もこの機会に初めて足を踏み入れてみる。ハイキングなら桜や紅葉の時季がいいのだろうが、真冬というのも面白いだろう。

























鉄道は元々極端な急勾配に敷かれないので、先ほど鏑射寺までの坂道を上り下りしたことを思えば平坦なコースである。途中、子どもたちの団体や親子連れとも結構すれ違ったが、距離はそこそこあるがそれほどしんどくないのではと思う。トンネルの暗闇もスリルある探検気分ではないだろうか。

















廃線跡、そして前後の武田尾、生瀬の両駅への道を合わせると7キロほどのコースだったが、武庫川の流れを中心に歩きを楽しめるコースというのを実感した。なるほどこれなら以前から闇で歩いてみようという人が多かったのもわかるし、JRや自治体も後追いながら一般に開放したハイキングコースとしたのもうなずける。同じような年代に複線電化で新線付け替えとなったのが山陰線(JR嵯峨野線)で、こちらは旧線にトロッコ列車を走らせて人気だが、生瀬~武田尾の旧線を公開のハイキングコースにしたのも楽しみ方の提供である。

この後は生瀬から宝塚に出て、快速に乗り継いで大阪に戻る。鏑射寺に廃線跡、大阪から比較的近いところでこうしたスポットを楽しめたのは新たな発見で、実のある一時であった・・・。