まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

東郷湖に広がる中国庭園と、山陰最古の駅舎

2019年01月21日 | 旅行記F・中国
山陰線の松崎で下車。東郷湖に面した東郷温泉がある。かつては多くの旅館やホテルが軒を連ねていたそうだが、現在はひっそりした雰囲気である。

温泉の玄関駅で降りたのだから立ち寄り入浴するのかと思いきや、向かったのは旅館街のその先。そこに現れたのは中国風の建物の立派な門である。燕趙園という中国庭園である。

燕趙園は鳥取県と友好都市である中国河北省の友好のシンボルとして1995年に建設された庭園で、ここにはかなり昔に一度訪ねたことがある。現在の河北省は古代に燕と趙の両国があり、それにちなんだ名前である。河北省の技師が建物の設計、資材調達を行い、中国で一度仮組した後でいったん解体し、日本に輸送した後で再度建設するという本格的なものである。

歴代の皇帝が所有した「皇家園林」を再現したもので、池の周囲に回廊をめぐらせる。

合わせて28の景色が見られる。さまざまに角度を変えて見ると、目の前の東郷湖や周囲の山々を借景にしているのもわかる。この東郷湖の対岸にあるのははわい温泉。中国とハワイが向かい合う・・・という景色だ。

こうした中国風情を味わうのもなかなかないことで楽しめる。

別エリアには孫子や孔子、孟子の像もある。

隣接する売店、そして国道の向かい側にある道の駅では、地元の土産物に加えて中国の食材も販売されている。中国輸入の紹興酒もあり、小瓶を1本手に入れる。今夜の宿で飲むつもりだ。

あ、宿ということだが、前の記事では鳥取駅前のホテルに泊まることを書いたが、松崎まで来て気分が変わった。山陰線の鳥取~米子の区間というのも久しく乗っておらず、もう倉吉の近くまで来ているのだから、そのままもっと西に行くことにしよう。鳥取のホテルをキャンセルして(キャンセル料なし)、米子で泊まろうかと検索したが、少し足を延ばして皆生温泉というのはどうだろう。温泉付きのビジネスホテルタイプの宿が見つかったので、素泊まりで予約する。気まぐれといえば気まぐれなのだが・・・。

松崎13時52分発の倉吉行きで1駅、倉吉に到着。14時28分発の米子行きに乗り継ぐ。駅舎も2011年に橋上駅舎に改装されている。ここからはキハ121系での旅となる。鈍行列車には大陸からの観光客の姿も目立つ。

2つ目の由良駅は「コナン駅」の愛称がある。ここ北栄町は『名探偵コナン』の作者である漫画家の青山剛昌さんの出身地ということでその愛称がついたようで、大陸からの観光客もここで下車して行く。駅周辺には『名探偵コナン』のキャラクターのブロンズ像もあちこち建てられているそうで、またアニメも中国や東南アジアの国々で上映されていて人気とのこと。列車に乗っていた人もいわゆる聖地巡礼で来た人のようである。

御来屋で列車行き違いと後発の快速「とっとりライナー」を先に通すために21分停車する。ホームに降り立つと大山の姿も見える。ホームにはかつての貨車の車掌車を改造した待合室がある。

御来屋駅は1902年に官設で境港~米子~御来屋間が開業した当時の建物がそのまま残されている。現在は「山陰最古の駅舎」ということで登録有形文化財にもなっている。改札口の手すりや(現在は使われていないが)出札口の窓口もそのままだ。日本最古の駅舎となると滋賀県の旧長浜駅舎であるが、長浜が現在は鉄道資料館になっているのに対して、御来屋は現役の駅舎として使われているのがすごい。

また駅舎内には現役時代の小荷物運賃表が掲げられ、山陰線の歴史についても紹介されている。現在駅はもちろん無人なのだが、かつての駅務室は曜日によって地元の産直市である「みくりや市」というのが開かれている。駅舎が良い状態で保たれているのはこうした地元の人たちの活用によるところもあるようだ。

このまま鈍行で行ってもいいのだが、皆生温泉に早く到着しようということで後から来た快速に乗り換える。やはり鈍行と比べてスピードがある。左手の大山も少しずつその姿を変えて行く。

米子に到着。ここからバスに乗り換えて皆生温泉を目指す・・・。
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