まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

境線は鬼太郎と妖怪が満載

2019年01月23日 | 旅行記F・中国
米子駅というところは山陰の鉄道のジャンクションである。皆生温泉の宿の中で、明日(1月5日)はどうやって大阪に戻ろうか時刻表をあれこれ眺めていた。乗り鉄に徹するなら、何と山陰線で宍道まで行き、木次線で備後落合、芸備線で新見、姫新線で津山、津山線で岡山、岡山から新幹線・・・という、中国山地のローカル線で、昨年の西日本豪雨で一時不通になっていた線を回ることも可能だ。

そうした大旅行にもひかれたが、今回は、米子から境港までの境線に乗ることにする。境線も前に乗ったのはいつのことやら・・というくらい久しぶりの乗車だし、境港の水木しげるロードが昨年リニューアルしたという。この水木しげるロードに行ったことがなく、これも観光の一つとして訪ねることにする。

境線は米子駅の0番ホームから出発するが、路線全体がゲゲゲの鬼太郎とコラボしていて、ホームには妖怪のさまざまなオブジェが並ぶ。山陰線や伯備線のホームとは明らかに雰囲気が違う。

これから乗る折り返し8時31分発の境港行きが着いた。その車体、キハ47の2両編成だが前日の首都圏色とは全く対照的で、こなき爺に砂かけ婆のラッピングが施されている。外側だけでなく、車内のシートや天井にもあしらわれている。

境線は「鬼太郎列車」が運行していて、他には鬼太郎、ねこ娘、目玉おやじ、ねずみ男の計6両がある。今回のこなき爺+砂かけ婆はキハ47どうし2両で走るが、後の4両はキハ40で1両での運行も可能である。日々、各車両の運用がわかるようになっている。

発車時刻が近づくに連れてそこそこ乗客が集まる。車両のあちこちにカメラやスマホを向ける旅行者や「その筋の人」も多い。一方で、地元の通勤通学客はこうした列車や撮影は見慣れたのか関係ないのか、淡々と乗ってきて仲間どうしおしゃべりしたり、スマホ画面をのぞいたりしている。

2両の座席の半分以上が埋まって発車。ワンマン列車のため車内放送は音声が流れるが、ゲゲゲの鬼太郎のアニメの鬼太郎、目玉おやじ、ねこ娘の3人が務める。その時間帯、家にいる時は張本さんの「喝!」を観ているので知らなかったのだが、リニューアルされたアニメが日曜朝9時から放送されているのだとか。そして、かつて鬼太郎の声だった声優の野沢雅子さんが、今は目玉おやじの声をしているという。リアルに世代を跨ぐとはすごいですな。

境線には駅ごとに妖怪の愛称がつけられていて、駅名標とは別に、妖怪版の駅名標がある。その駅の周辺に妖怪伝説があるというわけではなく、ランダムに割り当てただけだと思うが、日本の民俗学につながることでもあり、興味をひくところではある。

境線は全長約18キロという短い路線だが、以前の記事でも触れたが山陰でもっとも古い路線である(境港~米子~御来屋)。鉄道建設用の資材を船で境港まで運び、そこから鉄道で最前線まで運んで路線延長の工事に充てたという。その資材輸送の役割を終えた後も米子近郊の路線として駅の新規開業が相次ぎ、やがては「鬼太郎列車」の運転も始まる。全体で見ればローカル線なのだろうが、観光PRの役割もしっかり果たしている。

ターミナルや滑走路も近くに見える米子空港駅では、キャリーバッグを手にする多くの観光客が下車する。大陸の人たちが多いようだ。米子空港は10年ほど前に拡張され、その時に境線の線路の一部も付け替えられた。米子空港は「鬼太郎空港」の愛称があり、鳥取の「コナン空港」と並んで漫画・アニメのキャラクターである。前日、山陰線の由良駅が「コナン駅」になっているのを見たが、こちら境港のゲゲゲの鬼太郎とセットで、そうした聖地巡礼に対するお出迎えが県の東西で行われている様子を感じることができる。

終点の境港に到着。駅も鬼太郎、妖怪色が満載である。せっかく来たのでこの後は妖怪観光を楽しむことにする・・・。
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