3月30日、杵築、日出、別府と札所を回り、せっかくなので少しだけ別府を楽しむことにする。せっかくなので温泉に浸かるとして、向かったのは竹瓦温泉。以前に利用したことがある砂湯を楽しむとしよう。
現在の時刻は14時台。受付で砂湯を希望すると、「19時半からです」と言われる。その時間まで順番待ちのようだ。さすがに日帰りではその時間まで待つことはできず、普通の入浴のみとする。
現在の建物は1938年に完成したもので、登録有形文化財、近代化産業遺産にも指定されている。ある意味別府のシンボル的な存在と言える。
通常の浴槽は空いていて、地元の親父さんらしいのが鼻歌を唄いつつ、旅行者らしい若い人をつかまえて話しかけている。別府の湯は熱いというイメージがあるのだが、浴槽から洗面器で体に湯をかけてもそれほどでもない。何分でも入っていられる温度だ。別に私が熱い湯も平気な体質ということでもなく、朝からうめてこの温度になったのかな。
しばらくして上がると、入れ替わりに西洋人の団体が入って来た。
小上がりでしばし休憩し、周辺をぶらつき、17時まで待つことにする。小倉まで青春18きっぷで戻るのなら、温泉から出た後でそのまま列車に乗って帰途につくところだが、せっかく別府に来たのだからと夕方から少し一献とする。その代わり、途中まで特急利用ということで・・。
入ったのは駅前の通りにある「さかなや道場」。ご存知、全国チェーンの居酒屋だが、先ほど別府駅から金剛頂寺に行く途中、店頭に豊後の魚、大分名物のあれこれのメニューが並んでいることから選択。観光客にもちょうどいいだろう。
看板メニューにあるのが豊後サバ、豊後アジ。ブランドとして関サバ、関アジというのは聞くが、これらは佐賀関沖の豊後水道で、佐賀関の漁師が一本釣りしたもの。これに対して豊後サバ、豊後アジはもう少し範囲が広く、豊後水道で水揚げされたもので、漁法や漁師の所属は問わないという。ブランドとしては関サバ、関アジよりも下になるが、そのぶんリーズナブルにいただくことができる。
一般的にサバの造りといえば〆サバ(きずし)で、九州だとゴマサバも知られた一品だが、こうしてシンプルな刺身で食べられるのも本場ならではである。とろ味も感じる。
さて、アジは先ほどなめろうでいただいたが、せっかくなら姿造りもいってみよう。アジは店の入口の生け簀で泳いでいたのがそのまま出てくる。結構な一品だった。なお、会計時に生け簀を見ると早くも「活サバ品切れ」の紙が貼られていた。やはり人気のようだ。
ビールの次は、宝焼酎のミニボトルとサイダーのデキャンタを注文してプレーンハイでいただく。
チェーン居酒屋としてのグランドメニューももちろん充実しているが、豊後サバ、豊後アジをはじめとした郷土料理もしっかり楽しめるということで観光客におすすめといえる。次に別府に来ることがあればもう一度入ってみよう。
18時52分発の「ソニック54号」に乗車する。つい先日は「白いかもめ」のグリーン車に乗ったが、今回は普通車にて。
19時30分、中津到着。ここで「ソニック54号」を降りて、19時48分発の小倉行きに乗り換える。これで小倉まで1時間10分かけて進む。
小倉からは21時09分発の「ひかり592号」。広島までは新山口のみ停車という速達タイプで、車両もN700系だから「のぞみ」と変わらない。後は寝過ごさないようにするだけだ。
さて、アフターの別府も含めて九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの大分県も中盤に入って来た。次以降の計画についてもさまざま思案中である・・・。