4月8日、九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの一連の札所めぐりを終え、帰途につく・・のか関西への行きの続きなのか、大分から神戸までフェリー「さんふらわあ」で移動する。
大分から日豊線で1駅進んだ西大分に到着。貨物駅を併設しており、コンテナヤードのある側線には貨物列車が停車している。かつては大分港までの貨物専用線も延びていたそうだ。
これから乗船する「さんふらわあ」の大分側の乗り場は西大分駅からほど近い(その他、別府~大分間の路線バスでもアクセスできる)。公式サイトでは駅から徒歩10分とあるが、駅前から国道10号線を渡るともう港のエリアで、海でも見ながら歩くとすぐに到着する。
金曜・土曜の大分出航は19時30分。徒歩での乗船開始は1時間前の18時30分との案内である。ちょっと早く来すぎたかな。ただ、大分駅近辺にいても中途半端に時間を過ごすだけだからこれでいいだろう。待合室で読書でもしながら時間をつぶす。多客期というわけでもなく、やって来る人たちものんびりした様子である。
この日は個室タイプの「スタンダード」を利用する。1人部屋の料金が15040円のところ、キャンペーン中で2人部屋のシングルユースでも同料金で利用できるとあった。部屋の写真を見る限り、やはり2人部屋のほうが2段ベッドながら全体的にゆとりがありそうなので、そちらを予約した。乗船手続き時にカード式のルームキーも渡される。返却不要で旅の記念に持ち帰ることもできる。
乗船の案内がある。乗り込むのは「さんふらわあ ごーるど」。早速「スタンダード」に向かうと、2段ベッドのほかに洗面台、テレビ台があり、2人部屋ということでミニテーブルと向かい合わせの椅子も備えられている。
さて、まずはレストランである。バイキング形式で、通常2000円のところ、「おためしスモールバイキング」として1500円で提供される。通常の時に乗ったことがないので何とも言えないが、「スモール」と銘打っているためか、もう少し品数があってもよさそうに思った。それでも、ブリの刺身とブリのりゅうきゅう(結局、刺身に醤油をかけたらどちらがどちらかわかりにくいが)、中津からあげといったところがメインである。
窓際のカウンター席に陣取り、出航までの景色を眺めつつの夕食である。アルコール類は先ほど西大分駅近くのコンビニでいろいろ購入したのでそちらに委ねるとして、ただ冷蔵庫がないので船内の氷で対応する必要がある。
夕食の間に陽は落ちて、そろそろ出航の時刻である。甲板に出てみる。少しずつ岸壁から遠ざかるのもフェリーならではである。しばらくは甲板から別府湾の景色を楽しむ。
景色も落ち着いたところで入浴とする。ちょうど利用客が落ち着いた時間帯だからか、ゆったり入ることができた。
この後、部屋にこもってもよいのだがさすがに時間が早いので、レストラン、売店に近いプロムナードでゆったりする。この日の乗客はそれほど多いわけでもなく、船内ものんびりした雰囲気だ。
そろそろ、「スタンダード」ルームに収まる。最後は下段に横になるとして、試しに上段ベッドにも上ってみる。重量級を梯子の上に持って行くのは結構キツいが、ここはここで屋根裏感覚で落ち着くところだろう。
フェリーは豊後水道に出て、そろそろ佐田岬半島に近づこうかというところ。一応船内にはWi-Fiの設定はあるが、特に窓に面していない客室ではその先のネットにつながらない。テレビの受信も不安定だ。まあ、フェリーの客室はそういうものだと割り切ってネットはいいかということで、朝からいろいろ動いたのでそこそこに眠ることに・・・。
翌朝4月9日。さすが瀬戸内航路、揺れもほとんど感じずぐっすり眠ることができた。モニターで現在地を確認すると、淡路島の西、順調に航行しているようだ。朝風呂はいいかと洗面台で洗顔と髭剃りだけして甲板に出る。ちょうど朝日が顔を出したところだ。
6時からの朝食の案内ということでレストランに向かう。バイキング形式で620円。一般的なビジネスホテルのバイキング朝食といった感じ。今回いただかなかったが、朝カレーも行っておけばよかったかな・・。
朝食をいただきつつ、前方に明石海峡大橋の姿が少しずつ近づくのが見える。レストランから食事とともに明石海峡大橋を眺めようかとも思ったが、やはり近いところで見てみたい。朝食は掻き込むような形になり(だからカレーは食べることなく?)、もう一度甲板に上がる。
そして明石海峡大橋。近くに中学生と小学生くらいの男の子の親子連れがいたのだが、父親が息子に「お前もああいうデカいもん造るんやぞ」と声をかけている。お父さんの年恰好から見て直接明石海峡大橋の建造に携わった年代ではなさそうだが、こうしたインフラに何らかの関わりがある方なのかな。
フェリーはこの先神戸に向かう。これまでの乗船では大阪に向かっており、神戸までとは距離が短いように思うが、甲板やプロムナードで朝のゆったりした時間を過ごす。
そして着岸する六甲アイランドに差し掛かる。コンテナヤードや倉庫、工場群とともに、背景に六甲山系が広がるのも私にとっては新鮮な景色である。
定刻7時55分より若干早く神戸港に着岸した。横づけされた連絡バスに乗る。通常の路線バス車両で立ち客が何人か出るくらいの乗車数である。六甲ライナーのアイランド北口までは無料で、その先、阪神御影、JR住吉、阪急御影まで230円(ICカード利用不可)である。
六甲アイランドから本土に渡り、私はJRの住吉まで乗車した。この先京セラドーム大阪に向かうのだが、その前にせっかく大阪に向かうのだから最近誕生したあるスポットに向かうことにする。九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの記事だが、番外編としてそこまでお付き合いのほどを・・・。