広島新四国八十八ヶ所めぐり。やれ西国三十三所だ、神仏霊場めぐりだ、九州八十八ヶ所百八霊場だと言っている中で、地元で超スローペースとなっている札所めぐりである。それでも第77番まで来ているのだが、前回訪ねたのは今年の1月。江波にある2ヶ所を訪ねた後、当日行われた都道府県対抗男子駅伝(ひろしま駅伝)を自宅近くの沿道で応援した。それ以来だから3ヶ月ぶりとなる。
今回訪ねるのは廿日市市。地御前にある第78番・三光院である。地図で見ると国道2号線・西広島バイパス沿いにある。一方で、広電宮島線の地御前電停からもそれほど離れていないようだ。クルマでサッと行ってもいいが、ここは広電で出かけることにする。
4月13日、広電宮島線で地御前の手前の広電廿日市で下車する。4月も半ばとなり、桜も散り始める時季であるが、廿日市に行くならせっかくなので廿日市市の木である桜を見物しようかと思う。桜尾城もあるし、文化ホールはさくらピア、コミュニティバスの愛称もさくらバスである。
訪ねたのは住吉堤防敷。前回の広島勤務を含めて初めて訪ねるスポットである。前週4月第1日曜日は桜まつりも行われたそうで、600メートルほどの遊歩道に約240本のソメイヨシノが並ぶ。訪ねた時は満開を過ぎて散りはじめ、葉桜も見えたが、何とか今季最後の見頃に出会えた。
この先、三光院まではそれなりに距離があるが、天気も穏やかだし、散歩も兼ねてこのまま宮島街道に出て地御前まで歩くことにする。ゆめタウンやウッドワンの横を過ぎる。
途中、JA広島総合病院の前を通り、病院の横にある産直ふれあい市場「よりん菜」というのを見つける。廿日市市の農家が栽培した野菜や、手作りの弁当、惣菜などが売られており、せっかくなので昼食も含めて野菜も何品か買う。まさか野菜を背負っての札所めぐりになるとは思わなかった。
地御前の電停に到着。JR、広電の共同踏切を渡り、住宅地の中に古い町並みや寺社が残る一角を過ぎる。
そして地図を見ながら進み、西広島バイパス沿いに出る。寺の幟が出ているが、そこから入るのかな。完全に民家のようだが・・。
庭先を抜けると住宅と棟続きのお堂があり、合っていた。扉を開けて自由に参詣する方式である。住宅のほうからはテレビの音声が聞こえてくる。
三光院が開かれたのは戦後、1953年のこと。お堂の中に京都・仁和寺のパンフレットがあり、真言宗の御室派の末寺であることがわかる。
このような張り紙がある。「我に聞く、人に聞く、一生、一死する覚悟、生きる覚悟 病みや苦しみに耐える覚悟。心に持ち続ける事出来るか それが一番大切な宝物」とある。覚悟か・・・覚悟せんといけんのか・・・。
箱に収められた朱印をいただき、三光院を後にする。当初は、西広島バイパスの反対側に並ぶラーメン店で昼食とするかとも思っていたが、先ほどJAの産直市場で野菜やら惣菜やらを買ったので、そのまま地御前の電停に戻り、帰宅して昼食とする・・・。
食後、テレビ桟敷にて京セラドーム大阪のバファローズ対ファイターズの2回戦を観戦。前日に続いての投手戦となったが、ここまで不振に苦しんでいた頓宮が先制のタイムリー、そして追加点となる2ラン本塁打で3打点、また先発・宮城が8回を無失点として5対1でバファローズが快勝した。広島新四国のご利益とは言わないが、寺社参りの後で勝ち試合を観るとやはりご利益かなと気持ちのよいものである。これでまた良い方向に向かえばということで・・・。