まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都3番「城南宮」~神仏霊場巡拝の道・100(とうとう100ヶ所目!)

2024年04月18日 | 神仏霊場巡拝の道

4月14日、近鉄の桃山御陵前から竹田に移動する。この日3ヶ所目で、今回の目的地である京都3番・城南宮の最寄り駅である。ここ竹田は近鉄京都線と地下鉄烏丸線が合流する駅で、双方乗り入れている。桃山御陵前から乗ったのも地下鉄の車両だ。

駅名標を見ると、表と裏で地下鉄、近鉄それぞれのデザインである。

それにしても今回は京都市南部のジャンクションを渡っている。六児童、桃山、そして竹田。

城南宮へは駅から徒歩15分ほどとある。バス乗り場もあるが、城南宮方面に行く便はなかなかなさそうだ。そのまま歩くことにしよう。その一方、「伊藤忠グループ社員ご家族ご招待会 会場行き 無料送迎バスのりば」の看板が立ち、その先にバスが停まっている。どこで何が行われるのだろうか。

竹田駅の上を名神高速が横切っており、その高架沿いに歩くと名神高速を跨ぐ道路との交差点に出る。第二京阪道路である。名神高速の京都南インターも近くにあり、鉄道だけでなくクルマの要衝でもある。

第二京阪に沿って歩くと出るのが白河天皇陵。白河天皇は退位後も上皇の立場で政治を行い、院政の始まりとされる人物である。

歩くと暑さすら感じられる中、城南宮はその先にある。平安遷都に際して、都の守護と国の安泰を願って建てられ、院政を敷いた白河上皇や鳥羽上皇の時には離宮として拡張されたところ。また時代が下ると戊辰戦争の始まりである鳥羽・伏見の戦いの舞台ともなったところで、政治体制が変わる節目の地とも言えるだろう。

また、白河上皇や鳥羽上皇は熊野御幸を何度も行っている。城南宮はその出立の地となったところで、そういえば前回神仏霊場めぐりで訪ねたのが熊野三山。そこでのあみだくじの結果、次の目的地が熊野御幸の出立の地だったとは面白い。

その城南宮で有名なのは、方除の祈願。日々の暮らしの中で、悪い方位に行ったり、家の間取りがよくないことがあるが、それによる厄災を避けるために行われるのが方除。方角がどうのというのを名神、もとい迷信と片付けるのは簡単だが、人間も自然の一部で、地球の磁場の流れや風・水の動きから何らかの作用を受けるならば、理屈では言い表せない良い・悪いが生じるのだろう。

拝殿・本殿は昭和の再建だが、平安時代後期、まさに院政時代の建築様式である。本殿の奥にもさまざまな祠があり、ぐるり一周する。

神楽殿に向かって座席が設けられ、落語家の札もあがっている。この日(4月14日)は方除大祭の当日で、午前・午後の2回に落語の奉納が行われるとある。私が訪ねたのはちょうどその合間のことで・・。

朱印をいただく。こちらにも「方除の大社」の文字がある。そして、ここ城南宮まで来て、神仏霊場巡拝の道も特別霊場の伊勢神宮を含めて100ヶ所目となった。これで全体の3分の2を回ったことで、大掛かりなこの札所めぐりもいよいよ終盤に入る。

城南宮には境内を囲む神苑と呼ばれる庭園があり、平安時代の風情をイメージした造りだという。当時の貴族の遊びだった曲水の宴が行われることでも知られる。今はつつじが見頃との案内もあるが、庭園はまあいいか・・。

その代わり、次の行き先を決めるあみだくじである。まず予備のくじ引きで出たのは・・

・松尾大社(京都7番)

・根来字(和歌山9番)

・東大寺(奈良1番)

・興福寺(奈良3番)

・今宮戎神社(大阪4番)

・大覚寺(京都9番)

結構有名なところが並ぶ。中でも東大寺、興福寺という奈良を代表する寺院が2つ入っており、これらの引きが結構強そうだ。

そしてあみだくじの結果は・・・興福寺。これには驚く。まあ、4巡目も残り少なくなった西国三十三所の札所でもあるし、興福寺に行くのなら周辺の他の札所も一緒に行くことになるだろうし、6月9日までは奈良国立博物館で弘法大師空海に関する特別展も行われているので、チェックしたい。

竹田駅に戻ることにする。来た時とは別の道を通ると、北向山不動院に着く。かつて、近畿三十六不動めぐりの札所として訪ねたことがあり、城南宮はその後に訪ねている。鳥羽上皇の勅願で開かれた寺で、本尊不動明王が北にある平安京の方角を向いて護っていることからその名がつけられている。

最後は隣接する鳥羽上皇陵を過ぎる。白河上皇もそうだが、この地に陵墓があるということはよほど洛南の地を気に入っていたのかなと思う。かつての洛中は摂関政治のせいで腐れきっている、そのしがらみを断ち切った地でオレたちの楽園を造るのだ、そして熊野にもじゃんじゃん行くのだ・・・。

竹田駅に着き、再び京都地下鉄の車両で桃山御陵前に移動する。せっかく伏見に来たのだから伏見の酒で一献・・ということだが、それが神仏霊場巡拝の道・100ヶ所目到達の祝杯になるとは・・・。

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