神仏霊場巡拝の道めぐり、しばらくはJR西日本の西国三十三所めぐりキャンペーンのデジタルスタンプラリーをコンプリートさせるべく、札所めぐりは該当の寺院(というより駅)を訪ねることを優先した。そのおかげで3月に無事「満願」となり、記念品として三十三所があしらわれたオリジナル手ぬぐいをいただいた。さらに、満願の記念プレゼントにも応募したが、さすがにこちらは倍率も高いようで、当選の通知はない。
さて、前回の札所めぐりのゴールとなった青岸渡寺からの帰途で行ったあみだくじの結果、次の目的地は京都3番・城南宮となった。京都にもまだまだ札所が残っているが、今回は洛南地区。京都3番・城南宮の他、桃山御陵前にある京都2番・御香宮神社、そして京都46番にして西国11番である醍醐寺が東西に並ぶ。醍醐寺については、札所より先にデジタルスタンプラリーをJR六地蔵駅にて獲得している。
出かけるのは4月14日の日帰り。当初、この日は京セラドーム大阪で行われるバファローズ対ファイターズを観戦するとして、指定席を確保していた。ただ、札所めぐりも進めたいし、散りつつあるとはいえこの春桜を見る最後のチャンスではないかと思う。結局チケットは公式リセールにて販売し(買い手の方、ありがとうございました)、代わりに日本旅行の広島~新大阪の日帰りプランを予約した。京都に行くのに新大阪往復というのも妙な話だが、京都往復で購入すると割引のメリットが薄れてしまう。JR東海が絡むからか・・?
この3ヶ所をどのような順番で回るか。ちょうど14日は醍醐寺で「豊太閤花見行列」というのが行われるとある。ああそうか、秀吉が晩年に「醍醐の花見」を行ったところである。毎年第2日曜日、桜が開く境内を秀吉や北政所、淀殿らに扮した人たちが行列し、本堂にあたる金堂前では舞楽の奉納が行われるという。有料の観客席券も発売されている。
ということで、朝の新幹線で出発し、まず醍醐寺に向かうことにする。これは花見行列を観たいためでなく、逆に避けたいがためである。桜のこの時季、醍醐寺には多くの参詣者や花見客でただでさえ混雑していることだろう。それが花見行列や、金堂前での舞楽奉納の時間と重なったら大変だ。そのため、行事の前に醍醐寺を回っておき、その後で御香宮神社、城南宮と移動するのがよさそうだ。
さて、ここまで前置きしたうえで、14日は6時26分発の「のぞみ76号」で出発。順調に走り、7時55分に新大阪到着。このまま京都まで乗れば早く着くが、きっぷの都合上ここで新幹線から在来線ホームに向かう。
その京都への移動。通常なら新快速、あるいは快速に乗る区間だが、このところあえて別途料金を支払っても特急に乗ることがある。遠方から来ていることもあるし、「乗り鉄」要素を盛り込もうというのがある。「サンダーバード」、「はるか」、「スーパーはくと」といったところに乗っている。
今回目に留まったのが、高山行きの「ひだ25号」。土日祝日ダイヤだと大阪8時02分、新大阪8時07分に発車する。非電化区間の高山線に乗り入れるということで、2023年からはハイブリッド方式のHC85系が使われている。この形式、紀勢線の「南紀」で短区間乗車したことがあるが、今回は「ひだ」として乗ってみよう。
わざわざ指定席を予約していた。新大阪発車時点では空席もそれなりにあったが、やはり外国人観光客が多い。大阪・京都から高山まで乗り換えなしで行くことができるのはやはり大きなポイントなのだろう。外国の方というのは列車の中でも平気で大声でおしゃべりするのが当たり前なので今さらそれに目くじらを立てるつもりはないが、あきらかに英語ではない言語、たぶんフランス語かイタリア語かではないかと思うが、多様な言語が飛び交う。ただ、その中にあって負けないのが大阪弁・・・。
気動車なのでエンジン音は聞こえるものの、いかにも頑張っているんやで!という感じで馬力の音を出すわけでもなく、エネルギーを上手く使ってまっせ!というのが車端の電光掲示板で表示される。あっという間に高槻から京都への境目を走り抜き、京都駅が近くなる。
8時32分、京都着。下車したのは私のほかに数人いたかどうかというところだが、外国人観光客を含めて新大阪発車時以上の乗客が乗り込む。おそらく京都から先は満席に近い状況のようだ。「ひだ25号はこの先、草津、米原、大垣ととおり、岐阜から高山線に入る。
ふと時刻表を見ると、大垣まで乗り換えなしで行けるのか、大垣には9時46分に着くのかと感心する。それなら、西国三十三所の第33番・華厳寺に向かうのに、大垣まで「ひだ25号」でアプローチするのも面白そうだな・・と思いつく。大垣からは養老鉄道、垂水鉄道、そしてコミュニティバスの本数が限られるのでメリットがあるかどうかだが・・・。