話は、4月中旬の神仏霊場巡拝の道に戻る。といっても、その時まわった京都・伏見エリアの札所めぐりはすでに終え、続いて伏見桃山での一献。後は広島に戻るだけである。
桃山御陵前から近鉄で京都に到着。そのまま新幹線に乗り継げば早いが、今回は広島~新大阪の日帰りプラン利用である。それでも新快速なり、わざわざ特急料金を払って「はるか」や「サンダーバード」で新大阪に出れば済む話。そこをあえて、もう一度改札を通って近鉄ホームに戻る。
せっかくなので、近鉄の観光特急「あをによし」大阪難波行きに乗ることにした。京都16時40分発。「あをによし」は先ほどの桃山御陵前の次の駅である丹波橋に停車するのでそこから乗ればよいのだが、「伏見酒蔵小路」で十分満足した後で、京都まで出る時間があったので、せっかくなら始発から乗ることにする。まあ、元々京都発で購入していたし・・。
やはり途中駅から乗るより、折り返しの時間がある始発駅から乗るのがよい。大きなスーツケースを転がすインバウンド客にも人気である。
車内はグループ専用のサロンシート、そしてテーブルを挟んだ1対1のツインシートの2種類。この列車に「おひとりさま」で乗る場合は、ツインシートに限り、自分の乗車券・特急券・特別車両券のほか、こども料金の特急券・特別車両券(おとなの半額)を加算することで利用できる。あくまでツインシート2席単位での販売で、見知らぬおっさん・・というか鉄ヲタ同士が鉢合わせたり、若い女性のところに私のような気色悪いおっさんが相席にならないよう、それぞれに配慮した仕組みである。近鉄としては気色悪いおっさんがツインシートを占領することじたい面白くないだろうが・・。
16時40分、京都を出発。新幹線の高架下をくぐり、右手には東寺の五重塔も見える。なお、神仏霊場巡拝の道めぐりの次の行き先は奈良。あみだくじで出たのは興福寺で、そこに行くなら東大寺、春日大社、そして新たに加入した元興寺といった世界遺産がずらり並ぶ。ちょうど前日の4月13日から6月9日まで奈良国立博物館で空海展が行われており、できればそれとも絡めたいところだ。
先ほど通った丹波橋に停車した後、まずは奈良に向けて快走する。17時を回っても外はまだ明るく、ほっとする。
大和西大寺を過ぎ、平城京跡を見やって地下に入り、奈良に到着。
ここで下車する・・・。実は、京都まで来たのだから「あをによし」に乗りたいとして、京都発大阪難波行きの第8便を確保しようとしたのだが、京都~難波の通し区間は満席。京都~奈良に空席があったので確保した。以前乗った時のように、奈良~大阪が空かないかなとチェックしていたが、残念ながら空きは出なかった。
結局、後続の奈良発神戸三宮行きの快速急行に乗る。阪神の「灘は日本一の酒どころ」のラッピング車両。わあ、先ほど伏見に行ったばかりやで・・。
近鉄奈良線で生駒トンネルを抜け、大阪平野を望む区間の夕陽に出会う。先ほどの「あをによし」ならシートに居ながらにして楽しめた車窓だが、快速急行のドア横に立ってごく自然に見るのもよいものだ。
大阪難波に着き、御堂筋線で新大阪に着く。予定していた18時50分発「のぞみ179号」に乗る。そもそも臨時の広島行きということでこの列車を選んだのだが、4月14日に限っては博多まで運転するという。広島までは新神戸・岡山のみ停車の最速ダイヤだが、寝過ごさないように・・。
「あをによし」では時間が短いのでそのまま持っていたが、「のぞみ」の中で京都で購入した穂久彩の「太秦のり弁」をいただく。穂久彩はそもそも仕出し弁当やロケ弁当がメインの店で、駅弁は余技に含まれるのかもしれないが、ごはん、海苔の上に、紅鮭の切り身、白身フライ、ちくわ天ぷら、れんこん、出し巻き玉子、生麩の田楽といったところが並ぶ。「のり弁」の中にあってグレードも高いし、新幹線車内でのビールのアテにもなる。
神仏霊場巡拝の道も今回の城南宮でいよいよ100ヶ所目となった。あみだくじの行き先に従って、また1回ごとに周辺の札所をちょくちょく回る、また野球観戦や実家帰省などと絡める中で、進んでいないような進んでいるような気持ちである。これまで広島から2往復していたのが、1往復プラス宿泊のほうが安くつくこともあったはずだ(そこは、なかなか土日2日間をいつでもフルタイムで空けられない事情もあり、逸失しているかな・・)。
次に回ってきた奈良時代からの伝統ある寺社は、しっかりじっくり参詣・参拝しよう・・・。