4月21日、福岡で行われたホークス対バファローズ3連戦の3戦目を日帰りで観戦。今季は開幕シリーズとして大阪で行われたバファローズ対ホークス戦以来の野球観戦である。2回目の広島勤務となってから、むしろ大阪より近くなったこともあり、年に一度は福岡で観戦している。もっともここまでの観戦成績は4戦4敗。しかも、昨年、一昨年はホークスがサヨナラ勝ちという有様。久しぶりに、福岡でのバファローズ勝利を観たいものだ。
19日から3連戦、第1戦はホークス・山川がバファローズ・山下から特大の一発を放つなどでホークスが大勝。第2戦はバファローズが中盤までリードするも、中継ぎ陣が四球連発で乱れて同点に追いつかれ、リリーフ総動員の結果延長引き分け。第3戦はバファローズが宮城、そしてホークスがスチュワート・ジュニア。
日帰り観戦のこの日、朝8時半には博多に到着。その後、別のスポットを回っており(その話はまた別に)、博多駅に戻ったのは11時半。博多駅バスターミナルからペイペイドームへの直行バスが出ているのだが、駅前にむかってこの長蛇の列である。この時間になり、雨も本降りになった。「バスはどんどん来ますんでね~」という係の人の案内でしばらく待つが・・。
20分ほどでようやくターミナルの中に入り、傘を差す必要はなくなったが、ここから列が動かなくなる。ここで係の人の案内で、ドーム周辺の渋滞の影響で、折り返しとなるバス車両がなかなか戻らないという。雨のせいもあるだろう。さらに、博多駅からドームまでの所要時間も45分ほどという。これだと試合開始の13時に間に合わない。
・・ということで、結局地下鉄で唐人町まで行き、歩くことにした。たまたま乗った地下鉄も博多駅から座れたし、唐人町から歩くといっても15分ほど。雨なので傘を差すのは面倒だが、それでもぎゅうぎゅうのバスで45分揺られるよりはよい。11時半に博多駅に着いた時点でそうすればよかった。
ドームに入ったのは12時半を回っており、スタメン発表は終わった後。グラウンドでは試合前のイベントの最中。この日は両チームのパフォーマンスチームのコラボである。
席に着く前に買ったビールを一呑みすると試合開始である。今回は三塁側のS指定席に陣取ったが、バファローズファンの姿も結構見かける。
1回表、スチュワート・ジュニアに対して一死から西野が四球、西川がヒットで早くも先制のチャンス。しかしセデーニョ、頓宮が凡退で無得点。
そしてバファローズの先発は宮城。ホークスとの開幕戦では好投しながらも援護なく惜敗したが、第1戦、第2戦と中継ぎ投手もフル稼働した後で、長いイニングが期待される。
「ファイト!九州」。ホークスの各イニングの攻撃前に選手が代わる代わるビジョンに登場する、ビジターとしても拍手である。熊本地震や各地での豪雨災害など、何かと苦しめられる九州。私も九州西国霊場や九州八十八ヶ所百八霊場を回る中で、九州のさまざまな面白さに触れているところである。
ホークスの1番は周東ではなく野村勇。周東はここまで全試合出場で打率もよく、盗塁もバシバシ決めていたが、「家庭の事情」での欠場という。ご不幸でもあったのかな。そこで野村が抜擢されたが、宮城は問題にせず凡退。初回三者凡退とする。
2回はスチュワート・ジュニアが宗に四球としたものの後続を許さず、また宮城も山川から空振り三振を奪う。
3回表、先頭の福田がヒットで出塁。すると続く西野がライトへの二塁打。ここにライト柳田の悪送球が重なり、福田が一気に生還、西野が三塁まで進み、1対0でバファローズが先制。いい形での先制にうなるばかり。
しかしこの直後、ケガの手当てということで西野がベンチに戻る。治療の後、いったんグラウンドに戻ったが結局安達が代走に出る。走塁の際に右太ももを傷めたとのことだが、結局この試合後に登録抹消となった。まあ、まだ序盤だし、しっかり治療して戻ってほしい。結局この後は中軸が続かず1点止まり。中でも、森の打撃が・・。
直後の3回裏、ホークスは下位打線から海野、緒方の連打で一死一・三塁とする。ここで1番・野村勇に回り、小久保監督の起用に応えたいところだったが宮城の前に空振り三振。今宮も凡退して宮城が踏ん張る。
4回裏、ホークスのクリーンアップの攻撃だが、トイレと買い物を兼ねてコンコースに出る。近くの15番ゲートは、往年の福岡ダイエーホークスの「炎の中継ぎエース」と呼ばれながら、病のため現役のまま亡くなった藤井将雄さんを追悼、顕彰する特別なところだ。正式な永久欠番とはされていないが、亡くなった2000年から20年以上経った現在も空き番号となっている。
さて、飲み物を買って席に戻ろうとするとスタンドからコンコースに歓声があふれてくる。コンコースのモニターを見ると、二死から近藤がライトスタンドに同点ソロ本塁打を放ち生還するところだった。この、私が席を立っている間にホークスの選手が本塁打を放つシーン・・以前にもあったように思う。これで1対1となった。
直後の5回表、前のイニングに盗塁死があって再びの打席となった福田が四球(この辺りで、四球が多いことから「いつものスチュワートが始まった」という声が聞こえる)、途中出場の安達が手堅くバントを決める。西川が凡退し、セデーニョがレフトへのヒットを放つが福田は三塁で止まる。
ここで頓宮がきれいにライト前に弾き返し、2対1とリードする。「ほいさ~」ではなく小さなガッツボーズだが、少しずつ復調の気配を示している。
6回表、ホークスのマウンドは左腕の長谷川。現役ドラフトでファイターズから加入した投手だが、宮城とはまた違った変則投法で、6回、そして7回を三者凡退とする。この日はリードを許しての登板だったが、そのうち、いい場面で出てくるかもしれない。
7回裏、ドームには黄色のジェット風船が舞う。野球ファン、やはり風船飛ばしたいですかねえ・・。
この回も宮城が続投。球数も少ないしテンポもよく、試合時間も短いペースで来ている。7回も山川捕ゴロ、近藤、栗原を連続三振とする。
8回表のホークスのマウンドにはルーキーの澤柳。頓宮に四球、森に死球とするが後続を打ち取る。ライオンズから相次いでFA宣言した森、山川が並ぶ姿・・。
9回表は又吉が登板。一死二塁とした後、西川がライトへのタイムリー二塁打を放つ。貴重な追加点となり、3対1。
そして最終回も宮城が登場する。8回まで95球と、球数はまったく問題ない。こうしたテンポ良い投球が持ち味で、この日はまさに好投である。ホークスは野村勇の代打に中村晃が告げられ、大きな歓声が起こるが内野ゴロでまず一死。
しかし続く今宮がヒット。この先、クリーンアップを迎える。一発が出れば同点の場面。最後に山場が来たが、ベンチは動くことなく宮城に託す。
それに応えた宮城、粘る柳田を空振り三振、しかし続く山川が体勢を崩しながらもヒットで出塁して、二死一・三塁とする。さすがはホークス打線で、ここでこの日本塁打を放っている近藤。一発出れば逆転サヨナラということで、私も以前の福岡でのサヨナラ負けの場面を思い出す・・。
ここで踏ん張ったのは宮城。ボール球を振らせての空振り三振で試合終了。何とかこの3連戦を1勝1敗1分として、シーズンの勝率も5割に戻した。
いや~、私の福岡観戦でのバファローズ勝利は何年振りだろうか・・・ひょっとしたら「大阪近鉄」までさかのぼったりして。
ヒーローインタビューはもちろん宮城。前の2試合、中継ぎ投手がフル稼働した後を受けての見事な完投勝ちで、これにはホークスサイドも「参りました」という他なかった試合である。まあそれでもホークスが首位にいることには変わりなく、今季この先両チームによるペナントレースが楽しみだ。
試合終了後、天神駅、博多駅行きの直通バスは長蛇の列。ただここは往路のこともあるので、雨の中だが歩いて唐人町まで戻ったほうがよさそうだ。多くのファンがぞろぞろ歩く中で試合を振り返るのもよいものだ。
スムーズに博多駅まで戻り、元々予約していた列車を大幅に繰り上げて17時30分発の「こだま864号」博多南行き・・・もとい岡山行きに乗る(「博多南行き」は表示ミスによるもの)。500系新幹に揺られる中、靴下も脱いで濡れた足を乾かす・・。
まだまだペナントレースは序盤だが、この先も熱い戦いを楽しみに。九州にもまた訪ねることにする・・・。