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刑事のウー・ミンハンは、捜査中に公園で赤い祝儀袋を拾ってしまい、死者と結婚をしなければならなくなる。相手は轢き逃げされて死んだゲイの青年マオ・バンユーだった。幽霊となってミンハンの前に現れたバンユーは、嫌がるミンハンにつきまとい轢き逃げ犯を捕まえるようせっつくが…
ちょっと前から気になってた台湾映画。日本で公開されたらいいな~と思ってたら、いつの間にかNetflixで配信になってました。成仏できない幽霊が人間にとり憑いてドタバタ騒動という、結構ありきたりな内容には目新しさはないのですが、幽霊がゲイという設定、そして冥婚という台湾の風習をネタにしていたのはユニークでした。冥婚、つまり死後結婚というオカルトめいた風習が、今でも台湾にあることに驚きました。もしあんな赤い封筒が落ちていたら、気持ち悪くて私なら拾えません。冥婚のセレモニーにはおどろおどろしさはなく、中華な結婚式って感じで面白かったです。
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同性婚が合法化されている台湾は、ずいぶん前からBL先進国。他のアジア各国に先駆けて、BL映画やドラマが活況でした。でもこの映画は、そんなにBL色は濃くないです。ミンハンとバンユーがケンカしながらも、しだいに相手を認め合うようになりタッグを組む、というフツーのバディものっぽかった。ゲイのバンユーにノンケのミンハンがだんだん惹かれていき、友情以上っぽいやりとりや雰囲気にドキドキ♡な展開にならないので、腐にとってはちょっと物足りない期待外れな残念さが。
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腐向けのBLでもなく、現在の台湾のゲイ事情を描いているわけでもなく、ゲイをイロモノ扱いして笑いをとる、みたいな旧弊な安易さや陳腐さがなくもなかった。腐の好みに合わせて、もうちょっと繊細さとか切なさも加味してほしかったです。イロモノ扱いするならいっそ、昔の香港映画みたいにもっとコテコテおバカなコメディにしてほしかったかも。下ネタは多かったけど。
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主演の二人は魅力的で、体を張って頑張ってました。ミンハン役のグレッグ・ハンは、相葉雅紀+中尾明慶みたいな顔?脱ぎっぷりのよさに驚嘆。バンユーが初登場するシャワーシーンや、全裸での路上ストーリーキング&ポールダンス、自慰行為をしようとパンツを脱ぎケツ丸出しで室内を歩く姿など、よく事務所が許可したな~。人気若手俳優ならフツーはやらない果敢さでした。バキバキムキムキすぎないキレイな肉体美、美尻でした。
バンユー役は、「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」での好演が忘れがたいリン・ボーホン。
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彼、やっぱ岸優太に似てますね。岸くんよりイケメンですが。初登場の仕方が笑えた。ゲイ=オネエ、みたいなステレオタイプな役と演技でしたが、オネエな仕草やポーズは可愛かったです。髪型も可愛いかった。彼もちょっとだけ脱いでますが、いいカラダしてます。バンユーのお父さんにちょっとホロリとさせられました。ヒロイン的ポジションであるミンハンの同僚女刑事が、なかなか独特なキャラでした。どうせミンハンといい感じになるんだろうなと思ってたら、ぜんぜん違ってました。男の添え物じゃない、男にとって都合のいい存在じゃない、男をギャフンと言わせる快傑なヒロインでした。
この映画、日本でリメイクするとしたら、わしの理想妄想キャストはミンハン=竹内涼真、バンユー=横浜流星、かな。つまらなさそうな映画で共演してた二人ですが、この映画のリメイクのほうが二人の魅力を活かせるし、演技力も試せるし、ファンも喜ぶ。涼真くんは自慢の肉体美を思いっきり自慢できるし、流星くんのオネエ演技は斬新で強烈で美しいと思う!