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まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

女に参政権があって悪い?!

2017-08-24 | イギリス、アイルランド映画
 「未来を花束にして」
 20世紀初頭のロンドン。夫と幼い息子がいるモードは、家事と洗濯工場での苦役に明け暮れる日々を送っていた。折しも世間では、女性の参政権を求める運動が活発化しており、モードも活動家のイーディスに誘われ運動に参加するようになるが…
 女性の参政権を求める運動“サフラジェット”を描いた作品。ここまで超直球なフェミニスト映画、久々に観ました。当時の女性の生きづらさに胸を傷めたり、理不尽で不公平な社会に憤ったりするより、女ってやっぱ怖い!と戦慄してしまう映画でした何だろう、豊田真由子氏に感じたザワザワ感に似てるというか…もちろん、女性の権利を求めて苦闘するヒロインたちは、他人を見下し貶め虐げる豊田まゆゆのような醜さ、歪みはまったくありません。でも、尋常ではないヒステリックさ、常軌を逸した過激な言動、混沌とした狂気的な思考など、豊田まゆゆとうっすらカブってしまって

 参政権を求める運動が、ほとんどテロ行為なんですよ。店に投石してウィンドウぶち割ったり、郵便ポストに爆発物仕掛けたり、政治家の別荘を爆破したり、これしか方法がない!と妄信して暴走する女たちに、感動や共鳴どころか恐怖しか覚えませんでした。腐った世の中を良くしたい!という理想は立派なのですが、手段が暴力なのが日本赤軍とかと同じなんですよね~…過激な活動の極めつけが、国王への直訴。あれ、ほとんど暗殺未遂じゃん?!自爆テロと同じ。王さま、大丈夫だったの?!王さまが可哀想だった。とにかく、必死すぎるフェミニズムにはドン引き。「エル ELLE」のほうが、よっぽど女性のほうが男よりすぐれている!女性万歳!と思える映画でした。
 でもまあ、女たちが追いつめられて暴走するのも解かるような、社会と男たちの非道さです。女なんか、家畜同然な扱い。出てくる男どもが、そろいもそろって卑劣で非情。あんなクズ、ゲスばかりではなかっただろうけど。デモする女たちを殴る蹴るとか、紳士のイメージな英国男性が!とショッキングでした。諸悪の根源は男!と言わんばかりの内容には、田島ヨーコ先生も拍手喝采でしょう。過激な女たち同様、外道すぎる男たちも怖かったです。

 参政権がなくても、男に大事にされ守ってもらえる上流社会に生まれてたら、モードも女性運動なんかに関わらなかったんだろうな~。とにかく当時のサフラジェットのおかげで、女性の地位は向上し、男と対等に渡り合える世の中になったのですね。ありがたいことですが、せっかく女性が権利や権力を得ても、豊田まゆゆや稲田トモちゃんみたいな人たちも後を絶たない。いつまで経っても、これだから女は…と嗤われそうですね
 モード役は、英国の若き演技派女優キャリー・マリガン。男たちにモテモテな華やかでセレブなヒロイン役だと違うだろー!!by 豊まゆ だけど、こういった地味で暗い情念ある貧乏女役はドンピシャ。見た目は小柄で弱弱しいけど、鋼の精神を秘めたタフネスも彼女の魅力でしょうか。
 モードの夫役は、大好きなベン・ウィショー。

 ベン子さん、珍しく男らしい役ゲイ役やらせれば右に出る者なしなベン子さんですが、奥さん子どもがいるストレートな男役も違和感ありません。全然ゲイゲイしくありませんでした。ベン扮する夫、女性運動にのめり込むモードを理解せず、家から追い出したり子どもから引き離したりするのですが。そんなに悪い男じゃなかったような。最初の頃は、ちょっと亭主関白だけど妻子に優しい旦那だったし。当時の常識や因習の中でしか生きられない狭量で無知な男の愚かさ、切なさが、ベン子さんのイライラ顔、悲しそうな狼狽顔から伝わってきました。

 イーディス役のヘレナ・ボナム・カーターは、サフラジェットを弾圧してた英国首相のひ孫に当たるとか。因縁なキャスティングですね。女性運動の指導者役で、メリル・ルトリープが登場。メインキャスト扱いされてますが、超チョイ役です。

 ↑ ベン子さんの新作は、パディントン続編、そして名作メリーポピンズの続編です🎥
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黒いテレキネシス

2017-03-31 | イギリス、アイルランド映画
 懐かしの60s70s映画②
 「恐怖の魔力 メドゥーサ・タッチ」
 作家のモーラーが瀕死の状態で発見された殺人未遂事件を、ロンドンで研修中だったパリの警視ブリュネルが捜査する。モーラーのカウンセリングを担当していた精神科医ゾンフェルドから、モーラーには恐ろしい念力があり、事件前に起きた旅客機墜落事故も、モーラーの起こしたものだとブリュネルは告げられるが…
 日本では劇場未公開ながら、カルト的なファンが多いと言われている隠れた名作です。「オーメン」とか松本洋子先生の怖い漫画が好きな人なら、すごく楽しめると思います。

 主人公のモーラーが、幼い頃から自分を虐げる者や邪魔をする者、不快な者を、念力で次々と無残に抹殺していくのですが、どんどん制御不可能になって、飛行機墜落や大聖堂破壊、さらに宇宙ステーション事故など、災厄がエスカレートしていくのが恐ろしくも笑えた。念力で人が死ぬシーンの演出やムード、音楽など、かなりオーメンっぽいです。オーメンほどショッキングに残虐でもおどろおどろしくもないのですが、この映画の惨劇もかなり非道いです。特にインパクトがあったのは、少年のモーラーが両親を念力で殺すシーン。無人の車に激突され、ぎゃー!!と高い断崖から海へ落ちていく男女…あんな死に方、絶対イヤ~!と戦慄しつつ、両親の恐怖顔と落下する姿が何か笑えて仕方なかったです。

 恐ろしい念力のせいで、重苦しく孤独な暗闇人生を送っていたモーラー。自分に関わりのある者のみならず、ぜんぜん関係ない人たちまでに災いをもたらしてしまう彼は、まさに悪魔のような男でした。コントロールできなくなり、植物人間になっても念力だけは大暴れな展開が、怖くて面白かったです。でもあの念力、うまく使うことができれば素晴らしい力です。あの魔力を得たら、私なんか私利私欲まみれでガンガン悪用しちゃうことでしょう。そして、ろくな末路を迎えないんだろうな。人を呪わば穴二つですもんね。モーラーのように、死んでほしいと呪ってしまうほどの憎悪や怒りを、私は抱いたことがないけど…

 この映画、今はTVでは放送できないシーンがあります。高層ビルに突っ込んで爆破する旅客機…まるで9.11のテロを予言したような、不吉で衝撃的なシーンです。あと、ロンドンの大聖堂が祭典中に崩壊して、阿鼻叫喚のパニック地獄絵図とかも、現代社会最大の脅威、恐怖のひとつであるテロへの警鐘みたいでゾっとしました。
 モーラー役はリチャード・バートン、ブリュエル警視役はリノ・ヴァンチュラ。今は亡き英仏のシブい名優二人が、静かなる熱演。

 リチャード・バートンは、暗い!重い!カルマ感ハンパないです。睨まれたらホントに呪い殺されそうな鋭い目つきが怖い!でも、インテリダンディな熟年で、悲劇しか似合わない風情に惹かれます。リノ・ヴァンチュラは、刑事役かマフィア役のどっちかしかできなさそうなコワモテ風貌。ナヨっちい軽薄な男が多い中、そのどしっとした力強さ沈着さがカッコいいです。台詞はすべて英語。フランス俳優が英語で演技って、私すごく好きなんですよね~。美貌の女医ゾンフェルド役が、オーメンで悪魔の子ダミアンの母役だったリー・レミックだったのが、なかなか粋なキャスティングでした。モーラーを殺そうとした犯人の正体も、意外で驚かされます。
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悲劇の9日間女王

2017-03-08 | イギリス、アイルランド映画
 「レディ・ジェーン 愛と運命のふたり」
 16世紀のイギリス。権力を握るジョン・ダドリーは、病弱な国王エドワード6世の後継者として王族のジェーン・グレイに目をつけ、彼女に自分の息子ギルフォードとの政略結婚を強いる。はじめは反発し合っていたが、しだいにジェーンとギルフォードは深く愛し合うように。エドワード6世亡き後、ダドリーの目論見通りジェーンは女王の座に就くが…
 大学生の時に訪れた憧れの街ロンドン。有名な美術館ナショナル・ギャラリーで見た恐ろしくも美しい名画「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は、私に強い衝撃と深い感銘を与えました。以来ずっと、在位わずか9日という悲劇の女王は、私の胸に焼き付いていました。念願かなって、ジェーン・グレイをヒロインにしたこの映画を鑑賞。英国美青年ブーム真っただ中の1986年に制作された作品です。

 ↑「レディ・ジェーン・グレイの処刑」すごいインパクトでした…この絵に再会すべく、もう一度ロンドンに行きたい
 高貴な身分に生まれながら、母親から拷問されるわ、政略結婚させられるわ、無理やり女王にされて挙句は処刑とか、もう波乱万丈どころじゃない有為転変、しかもたった17年の短すぎる激動の人生は悲劇以外のなにものでもないのですが、この映画のジェーンはナショナルギャラリーの絵画から受けるイメージとは違い、か弱くはかない乙女ではありませんでした。これはもう、ジェーンを演じたヘレナ・ボナム・カーターの個性によるものでしょう。当時18歳、「眺めのいい部屋」に先立つ初主演作です。

 パートナーだったティム・バートン監督作品で、すっかり怪女優になってしまったヘレボナさんですが、若かりし頃の彼女はコスチュームプレイの姫君と讃えられたほど、英国時代劇御用達女優だったんですよね~。実際にも貴族の出で、親族にイギリス首相もいたというやんごとなきプロフィールも、ハリウッド女優にはないヘレボナさんの武器でした。

 お嬢さまを気取ってるアメリカのセレブ女とは違う、モノホンの令嬢であるヘレボナさんですが、たおやかで上品というステレオタイプなお嬢さまではないところが、ヘレボナさんの魅力ではないでしょうか。とにかく彼女、気が強そう!そのへんのスケバン(死語)もたじろがせるだろう鋭い眼光。楚々とした風情でも慎ましいキャラでもなく、どこかふてぶてしく天衣無縫。小柄で華奢な見た目は可憐な少女だけど、中身は男なんじゃないかと思うほどタフで凛々しい。それでいて、隠せない育ちの良さ。そんなヘレボナさんが演じてるので、悲劇の女王ジェーン・グレイも可哀想な犠牲者で終わっておらず、過酷な運命に怯まなかった気丈なヒロインに見えました。

 それにしても…権力争いの果てに非業の死を遂げた人はあまたいますが、このジェーン・グレイも本当にあったこととは信じがたいほど悲惨。彼女のたどった運命は、王族などより平凡な庶民、いや、賤のあばら屋に生まれたほうがマシ、とさえ思わるほど無情さ、非道さです。でもでも、夢見がちな凡下の身としては、ジェーンの美しい悲劇に憧れたりもしちゃうんですよね~。庶民凡人には、どんなに長生きしても決して味わえない、ギュっと歓びとか充足感が凝縮した濃ゆい太い人生。ぱっと夜空に華やかに咲いて、ぱっと消え散る花火みたいな人生。憧れれつつ、やっぱ死刑はイヤだ!とも思います

 ジェーン・グレイだけでなく、その夫となったギルフォードも権力闘争の犠牲者。でも、二人が束の間ながら愛と情熱に満ちた幸せな夫婦になれたのが、せめてもの救い、かつ最大の悲劇でした。ギルフォード役は、「アナザー・カントリー」の美少年っぷりが忘れがたいケイリー・エルウェス。

 美少年が美青年に成長!ギルフォード役のケイリー、そのキラキラっぷりハンパねー!サラサラなブロンド、白い肌、スラっとした長身、まるで少女漫画から抜け出したかのような王子さま!悪辣な陰謀家である父や、理不尽・不平等な社会への不満のせいで、ふてくされ飲んだくれてたダメ男ギルフォードが、ジェーンと反発し合いつつ仲良くなっていく様子はちょっとラブコメ調で可愛く、情熱的でロマンティックな関係になってからの、大胆だけど微笑ましいラブシーンでは、ヘレボナさんもケイリーも一糸まとわぬ姿を披露するなど、若さで溌剌とした初々しく瑞々しい二人がまぶしいです。

 悲運の中にあって、あまりにも純真で無邪気だったジェーンとギルフォードが哀れだけど、汚れた大人になって汚れた人生を歩むことなく、ピュアなまま運命に見苦しく抗わなかった二人の姿に、当時の英国王族はみんな常に権力と破滅は紙一重、という覚悟と誇りをもって王座争いをしていたんだな~と感心するやら戦慄するやら。
 それにしても。子どもたちを断頭台へと送る両親の鬼っぷりときたら!権力のために、そこまでするか?!子どもなど、政治のコマにすぎない。ギルフォードの父ジョン・ダドリーも鬼でしたが、ジェーンの母フランセス(The Tudorsのチャールズ・ブランドンの娘!チャーリー、恐ろしい娘つくったね~…)の毒親っぷりにはゾっとしました。この鬼母、ジェーンを置いて宮廷から脱出するわ、ジェーンが処刑された後もシレっとメアリー女王に仕えてるわ、ほんま地獄に堕ちてほしいクソ女でした。でもあのすべてを犠牲にしても生きる!というサバイバル力は見習いたいです。

 ジェーンとギルフォード以上に哀れだったのは、少年王エドワード6世(The Tudorsのヘンリー8世の息子!)。同じ薄命でも、ジェーンとギルフォードは、愛と情熱を味わえただけ幸せ者。エドワード6世ときたら、苦痛と孤独しかなかった人生でしたし。これは暴虐のかぎりをつくした父王、ヘンリー8世の悪行が祟ったせいとしか思えません。最終的には勝利者となったメアリー1世も、女としてはみじめで悲しかった。メアリー女王の狂信、頑なに信仰を貫くジェーン。「沈黙」もそうでしたが、宗教が重い暗い影となって、人々の人生を左右するところも怖かったです。TVドラマ「Tudors 背徳の王冠」と、有名なエリザベス1世の時代とのちょうど中間の物語で、陰謀渦巻く血塗られた英国王室ドラマのファンは必見の時代劇です。内容だけでなく、コスチュームやお城なども目に楽しい。きらびやかで華やかなフランス王宮ものよりも、質実剛健でシンプルなイギリス王宮のファッションのほうが、私は好きかも。
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紳士を夜這い

2017-03-05 | イギリス、アイルランド映画
 「モーリス」
 20世紀初頭のイギリス・ケンブリッジ。モーリスは名家の子息クライヴと恋に落ちるが、クライヴは肉体関係を拒絶し女性と結婚。傷つき自分の性癖に悩むモーリスは、クライヴの家の下男アレックに迫られ…
 80年代に英国美青年ブームを巻き起こしたBL映画の金字塔。初めて観た時はネンネなお子ちゃまだったので、繰り広げられる男同士の恋愛にはただもうお口あんぐりでした。ほとんどSF映画を観てる気分だったというか。久々に観てみると、何も知らなかった頃とは違った感想、発見もあり、しみじみと年月の経過、そして自分の加齢を痛感するのでありました

 英国美青年のBL映画といえば、耽美でスノッブなイメージが強いのですが、この「モーリス」は…こんなにライトでスウィートな映画だったっけ?!リアルで生々しいLGBT映画やドラマを観狎れてしまった目には、まるで上質の少女漫画のように映りました。醜く汚く世知辛い現実から、心だけでも逃避したい腐にとっては、まさにうってつけの甘く優美なファンタジーです。そう、これよ、これなんだよねBLって!と陶酔しちゃいましたわ。

 イギリス、名門校の男子寮、貴族…BLとしての舞台、整いすぎ!もちろん、BLを奏でるのは美青年オンリー。ブサイクは厳禁なんです!オーソドックスかつ理想的なBLの鉄の掟が、完璧に守られている映画なのです。シリアスで切実なんだけど、決して悲劇的ではなく、ドロドロしてない重苦しくない小難しくないところも、日本の腐から絶大な人気と支持を得ている要因でしょうか。男同士の性的シーンも、ほどよくセクシュアル。それも腐には心地よい。激しすぎる生々しすぎるズコバコには、腐はドン引きするだけですから。
 前半は、モーリスとクライヴの友だち以上恋人未満な関係。後半は、モーリスとアレックの身分違いの恋。どっちも大真面目なんだけど、何だろう、決してコメディではないはずなのに、随所にクスっと笑ってしまう(私だけ?)シーンや台詞があるんですよ。まず、モーリスとクライヴの噛み合わない恋愛感情が滑稽。あくまでプラトニック希望(キスまでならOK)、モーリスがちょっとでも純愛を逸脱しそうになると、待ったをかけて逃げる現実的で小心者なクライヴ。彼に振り回され、一喜一憂してオロオロしたりションボリとしたりするモーリスが、可哀想だけど可愛くて。同性愛は病気!と思い悩むモーリスが、知り合いの医者にオチ○チンを診てもらったり、怪しげな催眠治療を受けたり。そのデスパレートさは、かなり珍妙で笑えました。

 当時のイギリスでは、同性愛は犯罪。捕まってブタ箱に入れられたり(ホモ狩りみたいなハニートラップ、怖い!)、致命的なスキャンダルになって破滅したり、ゲイの受難と苦難、生きづらさも興味深く描かれてます。クライヴがチキンになるのも至極当然。決して卑怯者ではありません。その保身には、むしろ共感。堂々とLGBTの権利と自由を叫ぶ現代では、決して成り立たない隠微で甘美なシークレットラヴ。やっぱBLの醍醐味はこれですよね~。秘してこそ花な愛。秘めた想い、抑圧された欲望に悶悶としつつ、友だちづきあいを続けるモーリスとクライヴの精神力の強さも驚異的でした。

 私は前半のモーリス♡クライヴ編よりも、後半のモーリス♡アレック編のほうが好き!アレック、腐心をグワシと掴む攻めキャラ男子なんですよ~。その大胆かつ可愛すぎる行動、台詞にモーリスのみならず、腐もダダ萌えアレックのモーリスに向ける、カッケー紳士だな!という憧れと、こいつとヤりてぇ~!という欲望が混じった、キラキラメラメラしてる瞳がたまりません。

 ↑このシーンが、何でもないようでいて、すごくロマンティックで好き。このハシゴが…
 高慢ちきな上流社会の連中にコキ使われ、名前も覚えてもらえない扱いをされてる下男アレック。モーリスのちょっとした、人間として当たり前の優しさに触れて落ちる彼の恋が、イギリス階級社会の厳しさ、冷たさを教えてくれます。遠くから見つめるだけ、ちょっと言葉を交わすだけでは物足りなくなったアレックが選んだラブモーションは、何と!夜這い!男が男を夜這いって、すごい衝撃的でしたわ!窓から入ってくるアレックに硬直、まさにヘビに睨まれたカエルなモーリスの様子も笑えた。

 男同士の全裸の絡みも、幼心にはショッキングでした。朝ベッドでイチャイチャしてる二人が、すごくエロくて微笑ましい。クリケット中に交わす二人の視線にも胸キュン。でも、同性愛だけでなく身分差という障壁もあって、もちろんラブラブ状態のままではいられません。今度はモーリスがチキン化。逃げるモーリスを一途に待ち続け、追っかけてくるアレックが、切なすぎ可愛すぎ!モーリス、ほんと幸せ者!と、羨望しか感じないハッピーエンドでした。
 モーリス、クライヴ、アレックを演じた英国男優たちの好演も、いまや伝説となってます。

 モーリス役のジェームズ・ウィルビーは、何となくカープの福井優也に似て見えた、のはきっと私だけでしょうねふっくんをスマートに上品に優しくした感じ。クールで気高い紳士の顔と、禁断の恋に狼狽える未熟な若者の顔のギャップを、繊細かつ豊かな表情で熱演してました。クライヴ役のヒュー・グラントは、当たり前ですが、わ、若い!きれい!今はシワクチャですもんね。この後ハリウッドでまさかのラブコメ帝王になったグラント氏ですが、クライヴを演じてる彼にはすでにコメディの才能の萌芽が見てとれます。クライヴもかなり、グラント氏が十八番とする憎めない調子がいいダメ男っぽいですし。モーリスの妹に包帯グルグル巻きにされた姿など、かなり笑えます。
 3人の中で私が最も好きなのは、アレックを演じたルパート・グレイヴス。

 か、可愛い!しかも、めっちゃ男♂だし!私の部屋にも、夜這いに来てほしいわ大胆な脱ぎっぷりもアッパレでした。おちりも可愛かった。ルイ・マル監督の遺作「ダメージ」の彼も可愛かったですよね~。

 BL映画なのに、3人とも全然ゲイゲイしくもキャマキャマしくもない。それも腐の理想にかなってます。ヒュー・グラントなんて、この映画でも女好きにしか見えませんし。ヒュー・グラントはシワクチャになっても映画で活躍してますが、ジェームズ・ウィルビーとルパート・グレイヴスは、主に英国のTVドラマで地道に俳優業を続けてるみたいです。ルパートはバッチさんの「シャーロック」にも出てますね。往年の面影はあるけど、可愛かったアレックはもういない…
 映像も衣装もロケも美しく、BLに興味がなくても「ダウントン・アビー」とか英国ドラマが好きな方なら、ぜったい観るべき映画です。「眺めのいい部屋」など、英国の上流社会もの映画で一世を風靡したジェームズ・アイヴォリー監督は、カリフォルニア生まれのアメリカ人!今でも映画は撮ってるのかな?日本ではちっとも新作が公開されなくなりましたよね~。アイヴォリー監督作の常連だったヘレナ・ボナム・カーターが、チョコっとだけゲスト出演してます。
 それにしても。英国のハイソな人々の優雅でリッチな生活には憧れるけど、食事のたびに正装しなきゃいけないのが大変そう。普段でもキチっとパリっとした服を着てないといけないみたいだし。服装だけは、日本の庶民のほうがいいや!と思わせます
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ヴァルモン

2017-01-24 | イギリス、アイルランド映画
 「恋の掟」
 社交界の華であるメルトイユ侯爵夫人は、自分を捨て若い令嬢セシルと婚約した恋人への腹いせで、女たらしのヴァルモン子爵にセシルの処女を奪うようけしかける。ヴァルモンは貞淑なトゥールベル夫人を口説き落そうとしていたが…
 オスカーにもノミネートされ高く評価された、スティーヴン・フリアーズ監督の「危険な関係」が好きなので、同じラクロの原作、奇しくも同じ年に制作されたこの巨匠ミロス・フォアマン監督版も、前からずっと観たかったんですよね~。念願かなって、ようやく観ることができました 
 
 「危険な関係」との勝負では、評価も興行成績も完敗してしまいましたが、ワタシ的にはなかなかの佳作です。決して失敗作ではないと思うのだけど。何がいけなかったのかしらん?同じ内容ながらも、まったく違う味わいになってるので、観比べるのも一興ではないでしょうか。
 華やかでエゲツなく毒々しい「危険な関係」に比べると、かなり上品で軽やかな作風に仕上がっています。恋愛ゲームは背徳的だけど、「危険な関係」のような熾烈な心理バトルっぽさはなく、どちらかと言えばウフフ、ラララ♪なラブコメディ調になってます。

 フランス貴族の衣装も、ゴージャスでケバケバしい「危険な関係」と違い、白や薄いピンク、青などを基調とした清楚で爽やかな色合い、ゴテゴテしくなくシンプルなデザイン。見た目も言動もグロテスクで怖い「危険な関係」のメインキャラに比べると、優美で軽妙洒脱な感じになってます。セシルと音楽教師ダンスニーの出番が多く、役割も大きくなっているのも、「危険な関係」との大きな違いでしょうか。

 ↑撮影は和気あいあいだったみたいです
 キャストも比較せずにはいられません。強烈さ、濃厚さだと「危険な関係」が断然上ですが、美しさ、若々しさはこっちのほうが勝ってます。この映画は何と言ってもヴァルモン役、若き日のコリン・ファースですよ!ヴァルモン役は、やっぱ若いイケメンじゃないと!「危険な関係」のヴァルモンは、卑しいネズミ男にしか見えない中年のジョン・マルコヴィッチなので、いまだに納得できずにいます。

 当時29歳!当然ですが、わ、若い!つっても、まるで別人的な様変わりはしてませんが。今ほど恰幅はよくなく、ひたすらスラっとスマート!今でも「キングスマン」などでキレッキレでシャキっとしてるファース氏ですが、若者だけにある身のこなしの俊敏さ、躍動感、軽やかさ、表情の豊かさで魅せてくれるこの映画は、往年のファンにとっては宝物的作品のひとつと言えるでしょう。

 真面目な堅物紳士、というイメージのファース氏を見慣れてる目には、希代の女たらしを演じてるこの映画の彼は新鮮に映ります。色男というよりチャラ男なファースasヴァルモン、可愛いです。笑顔がso cute!軽~い演技だけど、おバカには全然見えず、知的で気品があるところがファース氏ならでは。でも、やっぱ彼って英国男なんですよね~。フランス貴族役には、ちょっと違和感を覚えました。華やかな衣装が似合わない。イケメンですが、地味なのは否めません。

 女たらし役なので、女とからむシーンも多いのですが、エロくはないです。見た目も演技もウェットじゃないというか、どこか乾いてて淡泊な感じがするからでしょうか。鍛えに鍛えた肉体美を誇るスターと違って、裸も全然セクシーじゃないです。今も昔も、彼は脱がないほうがいいかな。でも、トゥールベル夫人とのダンスシーンやラブシーンはすごく情感がこもっていて、演技とは思えぬ恋してる男なコリンでした。それもそのはず、トゥールベル夫人を演じてるメグ・ティリーとは、実際にも撮影中に恋に落ちて子どもまでもうけた仲になったのだから(結婚はせず)。

 メグ・ティリーは「マスカレード」同様、ガードの堅い生真面目な女が男に溺れる激情的で狂気的でもある一途さが怖い、ヤバいです。コリンとのお子さん、もう大きくなったんだろうな~。
 メルトイユ侯爵夫人役は、熟女一歩手前な頃のアネット・ベニング。「危険な関係」のグレン・クローズのような、他人を傷つけ弄ぶ邪悪な大年増毒婦ではなく、自由奔放な遊び好きのキレイなお姉さま、といった風情です。バスタブでの濡れてスケスケな姿や、ベッドで大股開きのお誘いポーズなど、セクシー演技頑張ってました。可愛いアホ娘セシルや、ボケ老人?なヴァルモンの伯母様も、かなり笑えるキャラでいい味だしてます。

 ↑さらに若い頃のコリン!「アナザー・カントリー」と同年のTVドラマ“Camille”(椿姫)の彼にも会いたい~
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イケメンスパイ 倫敦クライシス!

2017-01-22 | イギリス、アイルランド映画
 「スプークス MI-5」
 国際テロリストのカシムが護送中、仲間によって奪還されてしまう。CIAに対してメンツを失った英国情報局保安部(MI-5)は、指揮官のハリーを解任する。ハリーは姿を消し、独自にカシムの行方を追う。MI-5はかつてハリーの部下だったウィルを呼び戻し、ハリーの捜索を命じる。ハリーと再会したウィルは、カシムがロンドンでテロを起こそうとしていることを知るが…
 最近やたらと気になる英国イケメン、「ゲーム・オブ・スローンズ」で人気のキット・ハリントン主演のスパイアクション。人気TVシリーズの劇場版だとか。オリジナルを全然知らないので、どうかなと思いつつ観ましたが、そんなにワケワカメでもありませんでした。ハリーのキャラとか彼のMI-5内での人間関係とか立ち位置など、TVシリーズつながりな部分も多々あるのですが、大して気になりませんでした。キット・ハリントンしか眼中になかったので(^^♪キット演じるウィルは劇場版のための新キャラみたいだったし、彼のファンなら観ても無問題な映画です。

 それにしてもキット、初めて彼を見た「戦場からのラブレター」では、そんなにイケてなかったのに、この映画の彼は別人のようにカッコカワイかったヒゲがあるほうがいいのかな。ちっこいのが可愛い。チビだけどしなやかで筋肉質な体躯が、優男とは違う力強さ。忍者役とかも似合いそう。お肌ツルツル、走ったり建物によじ登ったりする姿の躍動感ある俊敏さも、若々しくてチョベリグ(死語)。

 キットの遠い悲しげな瞳と、薄幸そうな雰囲気が好き。明るい役より不幸な役のほうが似合うキットです。ワイルドだけど、下品じゃないところもキットの魅力。彼、実際にも英国の由緒正しい名家出身だとか。道理で!すごくカッコカワイいんだけど、たまにブサイクに見えるところも、チョイブサ好きな私にはツボなキットです。彼もどことなく猿っぽいので、猿系男に弱い私が惹かれるのも当然の成り行きでしょうか。

 凄腕エージェントなんだけど、結構スキがあったり、冷酷になれない弱さもあったりするウィルのキャラも、何か母性本能をくすぐります。絶対だまされないぞ!今度だましたら殺す!とハリーに息巻いてはみても、何度もだまされて手玉にとられちゃう青二才っぷり、ハリーへのファザコンっぽさなど、思春期のナイーヴな少年みたいなウィル=キットが、すごく可愛かったです。

 カッコカワイいキットを楽しめる映画ですが、セクシーなキット、エロいキットは残念ながらなし。ぜんぜん脱いでませんし。でも、気になって仕方がなかったのが、キットのお尻!

 キュっと引き締まったピチピチな小尻なんですよ~。変態なケツフェチにはたまりませんお触りしたくなるおちり!私がウィルの上司だったら、確実にセクハラしてますわ
 実質の主役であるハリー役は、オリジナルのTVシリーズからの出演であるピーター・ファース。シブいおじさまですが、せっかくイケメンとの屈折した関係にある役なので、もうちょっとBLっぽさを醸せるおじさまだったらな、と思わないでもなかったです。MI-5上層部の中に、「高慢と偏見」でエリザベス役を好演してたジェニファー・イーリーがいました。上品で優しそうな彼女が冷徹で悪辣な役、というのが意外性あって良かったです。

 テロ組織の首領カシム役のエリス・ガベルが男前!あの役には無駄に思えるほどイケメンでした。どっかで見たことあるな~と思ったら、「アメリカン・ドリーマー」で事件を起こす従業員役を演じてた!わし的には、リズ・アーメッドと並ぶ要チェキの東アジア系英国イケメンになりそう。 
 内容、映像、演出など、ちょっとボーンシリーズっぽい映画です。007や「ロンドン・スパイ」などもそうでしたが、MI-5って何だか陰謀ばかりの悪い黒組織としか思えないんですけど…
 赤い二階建てバスが走る都心、歴史ある建築物、テムズ川にかかる橋etc.ウィルたちが奔走するロンドンの街並みも、相変わらず美しくて。ロンドン、また行きたいな~。

 ↑童顔、猿っぽい、ガッチビ、下品じゃない、という私の男ツボを突いてるキットに、今後も期待!「ゲーム・オブ・スローンズ」そろそろ手を出そっかな♪

 ↑やはりセクシーなキットに会いたいですね彼の最新作は、何と!若き天才グザヴィエ・ドラン監督の初英語作品“The Death and Life of John F. Donovan”!さすがドラ美、キットに目をつけるとはお目が高いわ~。ナタリー・ポートマンやジェシカ・チャステインなど、豪華な脇役を従えたキットが楽しみ!ヘンな女優なんかより、ドラ美と付き合ったほうが芸の肥やしになると思うよキット!ガイ・ピアース共演の“Brimstone ”も面白そうなので、日本公開を希望!
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美少年詩人レオ BL痴情のもつれ!

2017-01-06 | イギリス、アイルランド映画
 「太陽と月に背いて」
 1871年のパリ。高名な詩人ヴェルレーヌは、16歳の天才詩人アルチュール・ランボーと出会い、自由奔放で激情的な彼に魅了される。やがて彼らは、不毛で破滅的な愛に溺れるようになるが…
 昨年めでたく「レヴェナント 蘇えりし者」でオスカーを受賞したレオナルド・ディカプリオ。どの出演作のレオも印象的ですが、とりわけ強烈で、なおかつ私がいちばん好きなレオと言えば、夭折したフランスの天才詩人を演じたの映画の彼なんですよね~。初めてオスカーにノミネートされた「ギルバート・グレイプ」と、歴史的大ヒット作となった「タイタニック」の中間、当時21歳!のレオの少年美が、ひたすらまぶしく鮮烈。彼の蒼い激情に圧倒され魅了されます。

 今ではすっかり貫禄も恰幅もあるハリウッド随一の大スターとなっているレオですが、この映画ではまだ甘酸っぱい青い果実!威圧感あるイカツい体格の今のレオと同一人物とは信じがたいほど、強く抱けば折れそうなほどヒョロっとしたポッキー少年。ヒゲもシワもなく、ツルツルな白い肌。サラッサラの髪。背は高いけど、体つきも顔も子ども!そんな少年レオが、おっさんとアンなことコンなことやりまくってるんですよ~。犯罪ちっくで、いいのかなこれ、マズいんじゃないかな、と萌える前に気まずい思いにかられます。

 ディープキス、そして全裸セックスシーン。美少年がハゲおやじに抱かれてるのかと思いきや、レオのほうがバックからおっさんをガンガン攻めてるじゃありませんか!唖然ボーゼンなのは、同性愛シーンだけではありません。とにかくレオasランボー、天衣無縫というか、傍若無人!まさに天才と何とかは紙一重。彼の行く所、迷惑当惑の嵐。大ヒンシュクを買いまくりな奇行のオンパレード。特に目がテンだったのは、詩人の会で、ランボーがテーブルの上に飛び乗って放尿!すっぽんぽんになって、窓から姿をさらしたり(レオの全裸は珍しくないけど、オチン○ン丸だしはこの映画だけ?)。まことちゃんも真っ青な、レオのイっちゃてるエキセントリック演技が、ファンにはかなりジョイフルです。

 現在のレオと21歳のレオ、見た目はかなり様変わりしてますが、激情ほとばしる狂気的な演技は今も昔も同じです。中年男を誘惑したり翻弄したり甘えたり嘲ったりする小悪魔なレオ、その笑顔も絶叫も涙もすべてがキラキラしてます。フランスの詩人というより、アメリカの悪ガキに見えなくもないレオですが、ファンにとって宝石のような映画であることは間違いありません。レオご本人にとっては、若気のいたりでやっちまった的な、触れてほしくない黒歴史映画らしいけど

 それにしても。この映画、詩人同士の耽美的で退廃的なBLというより、少年と中年男のドロドロした痴情のもつれ話なんですよね~。くっついたり離れたりを繰り返す二人。彼らのやりとりは、ちょっと三島由紀夫の「禁色」の悠一と鏑木伯爵を彷彿とさせます。ヴェルレーヌが、最低最悪な情けないゲス男でイラッとします。冷たくされても愚弄されても、恥も外聞もなく美少年に執着する姿が、あさましくて醜い!身重の奥さんがいるのに、同性愛ゲス不倫!それだけでも許しがたいのに、とんでもないアル中、そしてDV野郎ときてるんだから、もう救いようがない。奥さんを殴る蹴る、髪に火をつける!バカにするにもほどがある仕打ちとか、肉体的精神的虐待が非道すぎる。立派な犯罪者、いや、異常者です。

 ヴェルレーヌ役は、当時気鋭の英国男優だったデヴィッド・シューリス。顔だけだと、そんなにおっさんでもないし、イケメンでもあります。ハゲ&崩れた体でおっさんに巧く化けてる感じ。ヴェルレーヌの可哀想な若妻マチルド役は、フランスの名優リシャール・ボーランジェの娘ロマーヌ・ボーランジェ。パパとクリソツな顔です。すごい巨乳に目がクギヅケ!ランボーの妹イザベル役は、フランスの名女優ドミニク・ブラン。彼女がレオの妹って、めちゃくちゃ無理がありました。
 「危険な関係」や「キャリントン」などの名脚本家、クリストファー・ハンプトンが自作の戯曲を映画用に脚色。彼のオリジナル戯曲は、日本でも岡田将生主演で舞台化されました。岡マのランボーも面白そうですね。
コメント (4)
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ツインズ☆ギャング

2017-01-04 | イギリス、アイルランド映画
 早いもので、もうお正月休みもセ・フィニ…
 もう身も心もグダグダ状態で、明日から働けるか不安です…
 去年末、職場のおばさんに騙されて?予約してしまった、ゆ○タウンのカープ福袋を受け取りに行きました。これで1万円!ショボい…と唖然となる内容でした。まあ、ゆ○タウンだしね~。福屋とかのカープ福袋とは、やっぱ違いますね。

 黒いリュックは可愛い。海外旅行にちょうどいいかも。
 あ、そうそう!私、ついに!旅立つことにしました!ああ~ビルマのどこかに~私を待ってる人がいる~♪スーチー女史に会えるかナ?御仏に世界平和を祈願したい…
 初めてビザも取得!昔はミャンマー大使館に申し込まなければならず、かなり面倒で時間もかかったらしいけど、今はe-visaの時代!ネットで申し込み、カード決済でサクサクっと手に入れることができました♪
 今はミャンマーの情報収集中!何か情報、そして旅のアドバイスなどありましたら、よろしくお願いいたします

 「レジェンド 狂気の美学」
 60年代のロンドン、イーストエンド。ギャングの双子レジナルドとロナルドは、裏社会で頭角をあらわしていた。愛する女性ができたレジナルドはカタギになろうとするが、それが一心同体だったロンとの間に不協和音を生じさせて…
 トム・ハーディが二役に挑戦!いつもの通り、ヤバくて可愛い、ヤバカワなトムハでした~クールで優しいレジーと、マジキチなロン。そっくりだけど全然違う双子を、それぞれ個性的にチャーミングに演じ分けていて、トムハファンにとってはチキン+フィッシュのWバーガーみたいなお得感ある映画となってます。

 まず、見た目。トムハasレジーは、男前とかイケメンとかではなく、ハンサムと表現するのがピッタリかも。普段は意図的にハンサム隠し、ハンサム崩ししてるトムハなので、珍しくハンサムな素を見せてくれてるトムハが嬉しい。今まで見たトムハの中では、最もこざっぱりしてるかも。常にパリっと小粋なスーツかタキシード、ヒゲも生やしてないトムハの、クラシカルなハンサムぶりに惚れ惚れ。ハンサムなだけでなく、スウィート&ロマンチックなトムハも珍しい。恋人に甘~いトムハに胸キュン!まるでジュリエットと逢瀬するロミオみたいなシーンとか、トムハもこういうのやればできる子じゃん!と感心。優しいけど、歩き方とか言葉遣いとかは粗野なヤーさんなところが、またそそるんですよね~。

 でもトムハ、やっぱスウィート&ロマンチックな演技は苦手そう。ラブシーンとか、ほとんどなかったし。逆に、血の気の多い荒ぶる演技にはノリノリで、気迫がこもってます。この映画でも、大暴れしまくってます。私でも勝てそうなヤワなイケメン俳優の喧嘩シーンと違って、トムハの暴れっぷりはド迫力で怖いです。でも、それこそ彼の真骨頂💛

 そして、トムハasロン。これがまた、なかなか強烈。こんな男、野放しにしちゃマズいよ~な、真性き○がいなんですよ。意味不明な発言がアレな人すぎて笑えた。そして、あのまばたきしない開ききった瞳孔!「レヴェナント」のトムハの目つきもヤバかったけど、ロンのそれはmoreデンジャラス!あんな目つき、演技でできるものなんですね~。トムハ独特のモゴモゴ声も、レジーとロンではビミョーに違ってたり、レジーはゴリマッチョだけどロンはデブ、なところも細やかな演じ分け。トムハって、マーロン・ブランドを彷彿とさせる役者になってきてるような。

 見事に演じ分けてるので、一人二役であることを忘れさせるほど。二人がイチャイチャ仲良くしたり、殺し合いみたいなケンカしたり、絡むシーンが多いのが驚異だった。不自然じゃない撮り方も巧みでした。トムハ、撮影は大変だっただろうな~。あれで一人分のギャラは、割が合わないような。
 絶対に離れられない呪われた宿縁みたいな双子の絆が、恐ろしくも悲しかったです。き○がいすぎるロンのトラブルメーカーぶりに振り回され、尻拭いに明け暮れるレジーが可哀想なんだけど、何だか二人のSM的な愛の形みたいでもありました。

 ロンがゲイ、という設定も話を面白くしてました。大好きな兄ちゃんに彼女ができると、ゲイ的な嫉妬の炎メラメラ!何かと女にトゲトゲしくしたり、ママと一緒になってイビる小姑っぷりが笑えた。レジーはもちろん、モンスターなロンも老母には超優しいところが、何かほっこりさせた。ロンにはべっている寵童役は、「キングスマン」のタロン・エガートン。頭悪そうなパッパラパー表情や笑い方が可愛かったです。トムハとのBLシーンは皆無。せめてキスぐらいしてほしかったな~。
 双子を執拗に追う刑事役にクリストファー・エクルストン、レジーの参謀役にデヴィッド・シューリス。二人とも、すっかりお爺さんになっちゃったな~

 ↑ クリストファー・ノーラン監督の戦争大作「ダンケルク」が、日本公開決定!トムハの快進撃は、今年もノンストップです
コメント (12)
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お嬢さま、ごむたいな

2016-12-18 | イギリス、アイルランド映画
 「Miss Julie」
 19世紀末のアイルランド。夏至祭の夜、男爵の令嬢ジュリーは、召使のジョンを誘惑する。身分違いの現実に畏れおののきながらも、ジョンはジュリーと衝動的に関係を結んでしまう。だが、二人の間には何の共通点も分かち合えるものもなく、やがて暗い破局へと…
 スウェーデンの作家ストリンドベリの代表作である戯曲「令嬢ジュリー」の映画化。イングマール・ベルイマン監督作品の常連で、彼の恋人でもあったリヴ・ウルマンが監督を手掛けています。静謐な雰囲気の中で、冷たくも激烈で生々しいドラマが展開される、という「叫びとささやき」や「秋のソナタ」などのベルイマン監督作品を彷彿とさせる映画になってます。舞台はスウェーデンからアイルランドに変更されています。
 身分の違う男女の恋、とりわけ女が上で男が下であるパターンは、古今東西いろんな文学や映画、ドラマや漫画で描かれてきた格好のネタです。ほとんどが甘美で哀切なラブストーリーですが、この映画ときたら…とにかくルナティックでニューロティック、まさにカタストロフィ(小池百合子センセイを真似て、カタカナだらけ表現♪)で、ウゲゲのゲでした。

 とにかく、ミス・ジュリーが怖い!初登場シーンで、あ!これはヤバい女だ!と誰もが身構えてしまう、絶対に関わりたくない、関わってはいけないオーラを妖気にように漂わせているヒロインです。ジョンを執拗に誘惑、靴をおなめなさい!とか命令したりするジュリーですが、タカビーだけど本当は寂しがりやなお嬢さま、なんて陳腐で可愛い女じゃないんですよ。ジュリーのジョンへの態度、言動は、驕慢とか誇り高いとかいったものではなく、高齢処女の病的な性的抑圧の発露、みたいな不気味さ、悲痛さが。

 そんなヤバい高齢お嬢さまに迫られ、ダメです、いけません、おやめください、と逃げ回るジョンですが、悲しいかな男の性(さが)と弱さ…よせばいいのに、とうとうジュリーに屈してヤっちゃうんですよね~。
 アメリカ映画でよくある、着衣のまま男はズボンのジッパーだけ下げてナニを出し、女は下着だけ脱いでアソコ出してヤる、というせっかちで横着なセックス。この映画ではセックスシーンは端折られてますが、事後のシーンが何とも生々しくて。出すもん出したら我に返り、オロオロと動転しながらナニを水差しの水で洗うジョン。うつろな様子で汚れたアソコを拭くジュリー。二人の不毛な関係を浮き彫りにしていました。

 ヤっちゃった後が、これまた大変なことに。こっちが耳を塞ぎたくなるほど、憎悪と嫌悪にまみれた罵り合いを、二人はおっぱじめるんですよ。相手の心を殺そうとしているような侮辱と蔑み。私がどっちかだったら、黙れー!!と間違いなく刺し殺してますわ。ジュリーとジョン、まるで「欲望という名の電車」のヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドでした。どうしようもなく傷つけ合うジュリーとジョンに、何で冷静にならないのか、ロマンチックになれないのか、と不思議に思えてなりませんでした。そこがこの作品の重要なポイント、テーマなんですよね~。当時のスウェーデン、この映画ではアイルランド、などヨーロッパの厳格な階級制度。現代の庶民には理解できない、易々とは乗り越えられないシビアな格差やモラルがあったのですね。

 ジュリーが絶望のあまり狂ってしまったのは、ジョンの愛を得られなかったからではなく、自分にとっては卑しい犬に等しい男に汚された、辱められた、という屈辱と自己嫌悪に打ちのめされてしまったからなのでしょう。とはいえ、彼女の選んだカタのつけかたは、やっぱ異常です。
 ジョンの立場や心情も、当時の賤の男の悲しさ、卑屈さに満ちていて、愚かに思えつつも同情。ジュリーへの憧れや欲望は確かにありつつ、それを凌駕する憎しみや軽蔑が、あのような残酷な仕打ちに彼を導いたのでしょうか。まさに階級社会への怨念です。
 ジュリー役は、今やハリウッドきっての名女優であるジェシカ・チャステイン。彼女、今回も怖すぎ。ほとんどホラーでした。神経症ちっくな狂態、ゾンビな虚無顔にドン引き。少女のようにか細い声は可愛いのですが、物狂おしい罵声はド迫力。馬面ニューハーフ顔なジェシカですが、この映画の彼女は今まで見た中でいちばん美人だったかも。ちなみに「令嬢ジュリー」は、若い頃のイザベル・アジャーニも舞台で演じたとか。イザベルのジュリーもスゴそう。
 ジョン役は、大好きなコリン・ファレル

 コリン、お仕着せの召使い衣装も似合ってて、カッコかわいかった彼はやっぱ、貴族よりも下男系ですよ。前半は強引なお嬢さまにオロオロタジタジ従順、バカにされても殴られてもガマンの子、迫られて困惑しつつハアハア悶えてるドMコリン、後半は強気になって攻めに出るドSコリン、どっちもチョベリグ(死語)ひざまずいて女の靴に口づけするコリンに萌え~。コリンみたいな男、服従させてみたいですね~。

 コリンといえば、あの眉毛が今回も気になって。でも今となっては、あの独特な八の字眉毛も、コリンのチャームポイントですよね。こんなに長い台詞を喋るコリン、こんなに激情的な演技するコリン、初めて見たような気がします。舞台でもイケてそうなコリンですが、ジェシカ・チャステインのあまりの凄絶さに圧倒され飲み込まれていたような印象も。コリン、今度はロマンチックな恋愛映画に出て!
 料理女役のサマンサ・モートンが、すっかり貫禄あるおばさんになってました。てっきりジョンのお母ちゃん役かと思ったし。ほぼ3人だけの登場人物、屋敷内だけで展開される映画で、まるで舞台劇みたいでしたが、森や庭園の自然も美しく撮られていました。

 ↑男汁出しまくりなコリンが好き先日発表されたゴールデン・グローブ賞のノミネーション、コメディ部門の主演男優賞に、「ロブスター」で候補入り!🎊まさかの受賞だった「ヒットマンズ・レクイエム」に続いて2度目の驚喜、あるでしょうか
 
 
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絵の中の美青年が…

2016-12-12 | イギリス、アイルランド映画
 ファンタビ日本公開記念!師走の英国男優祭④
 「ドリアン・グレイ」
 純朴な青年ドリアン・グレイは、社交界で出会い親しくなった快楽主義者の紳士ヘンリーに感化され、しだいに享楽的な日々に耽溺するように。身を持ち崩しても年月が経っても若く美しいままなドリアンの代わりに、彼の肖像画が醜く老いていた…
 オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」は、これまで何度も映像化されていますが、これもその一本。今のところは最新版?
 有名なのに、どんな話なのかはよく知らなかった私。オカルトホラー?だったのですね。無垢だった美青年ドリアンが、不老不死になって快楽のかぎりを尽くすのですが…私なんかからすると、もったいない~!としか思えなかった。不特定多数の男女と色欲三昧だなんて、めんどくさいし気持ち悪い!永遠の若さと美貌、私だったらもっと違った使い道を選ぶけどな~。年をとらず快楽だけに溺れて生きるってのも、なかなかしんどそう。劇中のドリアンも、最後のほうでは倦んでましたが、そりゃそうだろう。

 19世紀のイギリスの上流社会が舞台、主人公が美青年とくると、高貴でリッチで耽美な退廃ワールドを、どうしても期待しちゃいますよね~。しかしながらこの映画は、そういうテイストを期待する人をかなりガッカリさせます。若い娘や熟女、母と娘の親子どんぶりだけでなく、乱交、SM、そして男色など、老若男女問わず一通りのことはヤってるドリアンなのですが、精力的だな~と感心はするものの、いけないものを見ているような胸騒ぎを抱いてしまうようなシーンは皆無。もうちょっと背徳感とか隠微さが欲しかった。ゾンビなラストとか、ハリウッドの安いホラー映画みたいになってしまってたし。
 ドリアン・グレイ役は、ちょっと前に観た「セブンス・サン 魔使いの弟子」でmy イケメンレーダーを反応させたベン・バーンズ。

 この映画のベンもイケメン!なのですが、何だろう、色気とか妖しさがないというか、頑張ってアンなことコンなことしてたけど、無理してるな~とか、中途半端かも(BLシーンが特に)…という印象。奔放な放蕩と悪魔な所業を重ねて、どんどん美しくなっていくはずのドリアンなのに、はじめの頃のピュアなドリアンの時のベンのほうが、可愛くてキレイだったような。優しそうなイケメンなベンより、もっとで冷血ナルシストっぽい美男な俳優のほうが、ドリアン・グレイ役には相応しいのでは。
 多くの英国映画ファンにとっては、ドリアン役のベン・バーンズよりも ヘンリー役のコリン・ファースがこの映画を観る目的になることでしょうか。

 当代一の英国俳優といえば、今はコリン・ファースですよね~。この映画でも、完璧に理想的な英国紳士!長身で恰幅のいい堂々とした体躯に、上流階級の衣装がこれまた似合うんだわ。堂々と威厳ある雰囲気、皮肉で知的なユーモア、気品ある怪しさもコリンの魅力。ドリアンを堕落させる役なのですが、彼もあまり耽美でも退廃的でもなく、単なる遊び好きのおじさんみたいだった。ドリアンへの執着はかなり同性愛っぽく、コリンおじさまの美青年へ向けられる視線のねちっこさとか、おっと危ない♡な展開を期待させるのですが、残念ながらコリンおじさまのアンなことコンなことシーンはありません。終盤になると、フツーのおじさん、お父さんになっちゃうし。倒錯した変態なコリンが見たかった。演技的にはかなり物足りないかもしれないけど、時代劇のコリンが好きなファンなら観て損はないと思います。

 ↑ブリジョ3、キンギスマン2、メリー・ポピンズ続編など、休まずガンガン働いてる元気壮年コリンは、ルパート・エヴェレット!の監督作にも出演。伝説のアナカンカップルが、熟年になって復活ですか!オスカー・ワイルドの晩年を描いた伝記映画で、エヴェレット氏ご自身がワイルド役を演じてるらしいです新作以上に、若い頃のコリンの旧作が観たいんだよな~。「ひと月の夏」とか「恋の掟」とか、DVD化されんかな~。
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