まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

漢(おとこ)!剣闘士

2024-11-20 | 北米映画 00~07
 「グラディエーター」
 ローマ帝国の将軍マキシマスは、皇帝アウレリウスから皇位を譲ると告げられる。アウレリウスの息子コモドゥスは父を殺害し新皇帝の座に就き、マキシマスに服従を求めるがマキシマスはそれを拒否する。家族を殺され奴隷に堕ちたマキシマスは、剣闘士となってコモドゥスへの復讐の機をうかがうが…
 まさかの続編「グラディエーターⅡ」が日本でも公開!アカデミー賞の作品賞や主演男優賞を受賞したPART Ⅰを復習鑑賞!もう24年も前の作品なのですね!ローマ帝国を舞台にした史劇ですが、「ベン・ハー」や「十戒」などの古き佳き時代のスペクタクルな大作とはまたちょっと趣きが違うところが、この映画の特色かつ魅力かも。リドリー・スコット監督ならではの映像と演出で、斬新な時代劇になっています。スケール感とか格調とかよりも、見せ場での細部へのこだわりに重点が置かれているようでした。特にコロシアムでの死闘シーンは、うげげ!ひー!と目を覆いたくなる残虐さなのですが、感嘆してしまう鮮やかさと美しさも同時にあります。CGもふんだんに使用しているけど、あまり気になりません。むしろリドリー・スコット監督の代表作「ブレードランナー」を彷彿とさせる異空間ムードが醸されていてユニークです。

 武勇ほまれ高き英雄が陥れられ全てを失い、復讐のために壮絶なサバイバル…お話じたいは韓流時代劇でもよくある内容で、いたってシンプルかつ特に捻りもないものですが、この映画をありきたりな凡作にしてないのは、もちろんスコット監督の演出手腕と映像美もですが、やはり何といっても2大俳優の力演、怪演と言っても差し支えないでしょう。
 マキシマス役でオスカーを受賞したラッセル・クロウが、とにかくカッコいい!

 オーストラリアからハリウッドへ襲来、瞬く間にスターとなった野獣ラッシー。この映画の彼は、まさに役者としてピークの時。その雄々しさ、猛々しさ、屈強さ、覇気に圧倒されます。まさに漢(おとこ)!女優以上にメイクばっちり、風貌も演技も軽薄な俳優を見慣れてしまってるので、ラッシーの重苦しい男らしさ、濃密な男臭さにむせてしまいそうに。まさに男は黙って…な、余計なことは喋らない寡黙さと、ゴゴゴゴ…と音が聞こえてきそうな、暗く熱いマグマのような瞋恚を内に秘めた風情も、最近の俳優にはあまり見受けられない男の魅力です。

 男も惚れるカリスマ、勇猛果敢なタフガイだけど、常にどこか悲しそう、不幸の翳りがあるところもラッシーの魅力でしょうか。今はすっかり老いてブクブクに太ったヒグマみたいになってるラッシーですが、この頃の彼はまだ引き締まってて精悍!バキバキ筋肉質というより、ガッチリムッチリした肉体も私好み。剣闘シーンでの生々しく豪快な肉弾ぶりに惚れ惚れ。そのイカツさと迫力、イキってもぜんぜん強そうに見えない日本の俳優とはやはり違います。劇中ではほぼ悲愴な顔つきしかしてないけど、ごくたまに見せる微笑みは優しくて可愛かったです。脂ののった肌艶に、おとこ盛りの色気が。

 マキシマスを地獄に叩き落とす新皇帝コモドゥス役は、今やハリウッドきっての演技派であるホアキン・フェニックス。ラッシーもですが、ホアキンもわ、若い!複雑怪奇で怖い不気味おじさん、という感じの現在のホアキンですが、シワもなく肌ツヤツヤな若かりし頃の彼はイケメンに見えることも。卑劣で冷酷で狂ってるんだけど、何かちょっと哀れで憎めなくもある皇帝を、彼の当たり役ジョーカーを彷彿とさせるエキセントリックさと悲哀で演じてるホアキンです。

 脇をかためる俳優たちもシブくて重厚。父帝役はリチャード・ハリス、奴隷商人役はオリヴァー・リード、今は亡きイギリスの名優が好演。マキシマスの友人となる黒人奴隷役のジャイモン・フンスーもカッコよかったです。古代ローマを再現したセットや衣装も目に楽しいです。おしゃれ好き?なコモドゥスが、なかなかファッショナブル。
 
 

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