「クルージング」
ニューヨークでゲイをターゲットにした連続殺人事件が発生する。おとり捜査を命じられた警察官のスティーヴは、犯人と接触するためゲイのSMクラブに通い始めるが…
公開当時は不評でヒットもしなかったけど、近年再評価されカルト的人気らしい1980年の映画。「フレンチコネクション」と「エクソシスト」で映画史に名を刻んだウィリアム・フリードキン監督と、70年代屈指の演技派スターだったアル・パチーノの顔合わせ、とくれば期待しない映画ファンはいないでしょう。お話じたいはでも、よくあるサイコサスペンスもので、真犯人の正体とか事件の展開とかには別段ひねりも驚きもなく、残虐な殺人シーンには何だかチープなB級ホラーっぽさが。特異で衝撃的なのは、当時のニューヨークのアンダーグラウンドなゲイの世界を、ディープにリアルに描いている点です。
レザーを身にまとった男たちが夜な夜な集まり、あられもなく欲望をぶつけ合い絡み合う空間の、息苦しいまでにねっとりとした熱量に圧倒されます。男たちの痴態はグロテスクで、ライト&スウィートなBLが好きな腐女子が観たら吐き気を催すかも。腐女子が同性愛に対して勝手に抱いている美しいファンタジーなど、そこには微塵もありません。ふだん私が生きている“健全”“正常”とされている生活と、あまりにもかけ離れた世界。同じ地球上で、同じ人間がやってることとはとても信じられないほど。面妖で醜悪な描写、異様すぎる光景は、ゲイへの偏見や嫌悪を助長している、という公開当時の批判を肯えるものがありました。
SM乱交クラブ、夜の公園、安モーテルなどで繰り広げられる男あさりには危険がいっぱいで、まさに命がけ。でも、ゲイを狙った連続殺人が起こってるのに、特に怯えてる様子も用心している気配もなく、ハッテンバから男たちの蠢きが消えることはない。恐怖にも勝る欲望が怖い。そんな強い欲望がない自分に安堵。エイズが跋扈する前の70年代後半の、リアルタイムなゲイ風俗の映像は、今では貴重なものと言えるでしょう。それはそうと。警察署の取調室に入ってきて、容疑者を殴る裸の黒人マッチョ男が謎すぎる。何あの人?!
スティーヴ役のアル・パチーノ、当時40歳ぐらい。若い!可愛い!いい役者ってのは、役と演技にチャレンジと衝撃がある俳優のこと。今作のアルパチを見て、あらためてそう思いました。
おとり捜査に入る前は、大きな瞳がキラキラしていて笑顔も屈託がなかったのに、ゲイの世界に潜入して深みにハマっていくうちに、どんどん目も濁って心も病んでいく過程を、生々しく繊細に演じてるアルパチです。ゲイじゃないはずなのに、ゲイの世界を楽しんでる?禁断の愉悦を期待してる?ゲイのフリをしてるようには見えなくなる表情とか風情が、静かにヤバくて秀逸でした。でも全裸とか男と性愛シーンとかは全然ありません。真田広之主演の「眠らない街 新宿鮫」は、この映画とアル・パチーノの演技の影響をかなり受けてる?いま思えば真田さん、頑張ったな~と感嘆。いま人気の若手イケメン俳優も、アルパチと真田さんを見習ってほしいわ。竹内涼真とか、鍛えた肉体美を誇示したいなら、しょーもなさそうなドラマで無駄遣いせず、リスクを恐れず新宿鮫かクルージングのリメイクに主演しなさい
ニューヨークでゲイをターゲットにした連続殺人事件が発生する。おとり捜査を命じられた警察官のスティーヴは、犯人と接触するためゲイのSMクラブに通い始めるが…
公開当時は不評でヒットもしなかったけど、近年再評価されカルト的人気らしい1980年の映画。「フレンチコネクション」と「エクソシスト」で映画史に名を刻んだウィリアム・フリードキン監督と、70年代屈指の演技派スターだったアル・パチーノの顔合わせ、とくれば期待しない映画ファンはいないでしょう。お話じたいはでも、よくあるサイコサスペンスもので、真犯人の正体とか事件の展開とかには別段ひねりも驚きもなく、残虐な殺人シーンには何だかチープなB級ホラーっぽさが。特異で衝撃的なのは、当時のニューヨークのアンダーグラウンドなゲイの世界を、ディープにリアルに描いている点です。
レザーを身にまとった男たちが夜な夜な集まり、あられもなく欲望をぶつけ合い絡み合う空間の、息苦しいまでにねっとりとした熱量に圧倒されます。男たちの痴態はグロテスクで、ライト&スウィートなBLが好きな腐女子が観たら吐き気を催すかも。腐女子が同性愛に対して勝手に抱いている美しいファンタジーなど、そこには微塵もありません。ふだん私が生きている“健全”“正常”とされている生活と、あまりにもかけ離れた世界。同じ地球上で、同じ人間がやってることとはとても信じられないほど。面妖で醜悪な描写、異様すぎる光景は、ゲイへの偏見や嫌悪を助長している、という公開当時の批判を肯えるものがありました。
SM乱交クラブ、夜の公園、安モーテルなどで繰り広げられる男あさりには危険がいっぱいで、まさに命がけ。でも、ゲイを狙った連続殺人が起こってるのに、特に怯えてる様子も用心している気配もなく、ハッテンバから男たちの蠢きが消えることはない。恐怖にも勝る欲望が怖い。そんな強い欲望がない自分に安堵。エイズが跋扈する前の70年代後半の、リアルタイムなゲイ風俗の映像は、今では貴重なものと言えるでしょう。それはそうと。警察署の取調室に入ってきて、容疑者を殴る裸の黒人マッチョ男が謎すぎる。何あの人?!
スティーヴ役のアル・パチーノ、当時40歳ぐらい。若い!可愛い!いい役者ってのは、役と演技にチャレンジと衝撃がある俳優のこと。今作のアルパチを見て、あらためてそう思いました。
おとり捜査に入る前は、大きな瞳がキラキラしていて笑顔も屈託がなかったのに、ゲイの世界に潜入して深みにハマっていくうちに、どんどん目も濁って心も病んでいく過程を、生々しく繊細に演じてるアルパチです。ゲイじゃないはずなのに、ゲイの世界を楽しんでる?禁断の愉悦を期待してる?ゲイのフリをしてるようには見えなくなる表情とか風情が、静かにヤバくて秀逸でした。でも全裸とか男と性愛シーンとかは全然ありません。真田広之主演の「眠らない街 新宿鮫」は、この映画とアル・パチーノの演技の影響をかなり受けてる?いま思えば真田さん、頑張ったな~と感嘆。いま人気の若手イケメン俳優も、アルパチと真田さんを見習ってほしいわ。竹内涼真とか、鍛えた肉体美を誇示したいなら、しょーもなさそうなドラマで無駄遣いせず、リスクを恐れず新宿鮫かクルージングのリメイクに主演しなさい
これ、リバイバルで劇場公開されていて、でも、なかなかエグいシーンもありそうなのでやめました(^^;
チープな感じなんですね?
サスペンスとしてはイマイチでしょうか。
アル・パチーノがホントに若い。
ミポリン、びっくりしました。
たけ子さん、お好きだったんですね。
若過ぎますね、、、。
昔のB級ホラーみたいな殺人シーンでした!ぶっちゃけチープ。ぜんぜん怖くもないし!サスペンスもミステリーも残念な内容。でも当時のアンダーグラウンドなゲイの世界の描写と、若いアル・パチーノのは一見の価値ありかも。
ミポリン…😢大好きでした。歌が好き。いま追悼のヘヴィローテーション中です。ほんと、いつなんどきお迎えが来るかわかりませんね…