ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

がっかり

2009年06月04日 | お家狂想曲
こんど引っ越しする家の元持ち主さん所有だった、右横のすてきな庭が売れてしまったそうです。
本当はその土地も含めて手に入れることができたら良かったのだけれど、土地代はともかく税金が高くて、毎月の支払いを考えると恐ろしくてできませんでした。
まあせめて、誰かさんが買ってしまうまでの間、窓から眺めて楽しませてもらおうと思っていましたが、やっぱり世の中、そう甘くはなかったようです。
願わくば、敷地ギリギリまでのどでかい家を建てたりしないように、もっと厚かましく願わくば、できたら庭をそのまんま残して、ただ楽しんでくれますように。
なぁ~んて、なにアホなこと言ってんでしょねまったく。

そんなんで、ブローカーさんが庭の手入れをするタイミングに合わせて、家の床をきれいにしてくれる業者さんに見積もってもらうことにしました。
その業者さんは、お向かえの家に住むロイから紹介してもらった男性です。ロイの家の床を見せてもらって、いい仕事をしてもらえそうなので決めました。
他にも数件、見積もりを出してもらったのですが、ちょっとびっくりするような料金だったので、ほぼ諦めかけていたのですが……。

家の中に入ってすぐに、「あ~こりゃ年代もんだな~」としみじみ言われてしまいました。そりゃまあ、百年ちょっと超えてますから。
実に渋い、実に古い床板を、どうやって復活させるか。唸りながら考えるキエ氏。
高くしないでね~まけてね~と、呪をかけながら見守るわたし達。
いろいろ計ったり、触ったりしながら、丹念にチェックを進める彼のあとをついていきました。
二階のカーペットを剥がすと、とても美しい床板が踊り場に現れましたが、3つの寝室はボツ!思いっきりボツ!
カーペット嫌いの我々ですが、今の時点では床板を新しく張り替えることは無理なので、仕方がありません、ひとまずカーペットを敷くことにします。

そして予算の計算が始まりました。
一階の床板の復活、階段の板磨き、二階の床板磨きと寝室&クローゼットのカーペットの張り替え、すべて入れて35万。
モントクレアの、高かったお店の、一階の床板の復活作業だけの料金です。
それでもわたし達にとってはなかなか痛い金額ですが、患者さんや生徒さん達の出入りが頻繁にある我が家です、これは必要な出資だ、と腹を決めました。

と、そこまではまあ良かったんですが……、

「でもねえ、ここまで古い床板だと、作業が延びる可能性もあるので、日曜の引っ越しは無理だと思いますよ」とキエ氏。絶句する我々。
「僕はいい仕事をしたいんですよ。焦って、なんらかの行程を手抜きしなければならないのはイヤだし、あなた達だってそんな仕事にお金を払いたくないでしょ」
「もちろん、我々は急かしたくないですよ」と旦那。
「せめて月曜まで待ってもらえれば、なんとかできると思います。できたら火曜、もっと欲を言えば水曜、がベストですね」
「わかりました。引っ越し業者には断りを入れます」

ということで、来週末の引っ越しはボツになりました。
でもまあ、こんなふうにはっきりと、無理は無理って言ってもらえる方がもちろん良かったです。
でも、引っ越しアルバイト価格のバーゲンは無くなるし、他に手伝いに来てくれる予定だった人達も、平日の引っ越しだと無理になるだろうし、
そしてここ、大家さんには半月分の家賃を払い、15日までは居させてもらえることになっていますが、それも数日延ばしてもらわないといけません。
ほんでもってちっちゃなことがもうひとつ。
ダリルから昨日、伴奏バイトを頼まれていて、たった2曲なんですが弾くことになっていました。それもかな~りヤバそうな気配……。
引き受けちゃったしなあ……どうしよう~……。

それにしても……昨日から始まった、歯医者100人分に相当するギュインギュイン騒音、今日は前と後ろで鳴り続けています。
スパニッシュのお兄ちゃん達、ふたりとも眉毛、髪をはじめ全身粉まみれ。だんだん「動く石膏像」みたいになってきました。
うちには空気清浄機が一台しかありません。あっちに持ってったりこっちに戻したり、なんともいえない一日になりそうです。


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一難去ってまた一難

2009年06月03日 | お家狂想曲
今日は朝から、ふたりともなんだかピリピリ。寝ても疲れが取れないのと、引っ越し準備の埃で鼻が詰まって息苦しいのが原因のようです。
けれども太陽が昇ると一日は始まり、いつものように素知らんふりして続いていくので、どよ~んと重い仕草でトーストを焼き、コーヒーを入れ、アーモンドとカボチャの種をローストし、バターとジャム各種をぬり、ヨーグルトに少量のジャムを混ぜて食べました。
そういう時は、冷蔵庫に貼ってあるカレンダーを見てもダメ。こんな時ぐらい、仕事やしなければならないことを考えるな!と、旦那が文句を言います。

そうは言っても、ふたりの頭の中は引っ越しのことでパンク寸前。契約終了が9日の午後4時半、それからどんなに急いでも、床のサンドかけは翌日の10日。
床面積が結構広いし、サンドかけの後のコーティングは合計3回行われるそうで、乾くのに数日かかると聞きました。
わたし達が今のこの家に居られるのは15日まで。なので、どうしても来週末の日曜には引っ越しを終了しておかなければなりません。
さて……そんなにうまいこと全部が片付いていくのでしょうか……ここはアメリカで、職人さん達もここのノリです。ああ不安ああ心配

ということで、引っ越し会社の査定を受けるために、数社と連絡を取ったのですが、互いに話し合って決めた時間に来てくれた会社がなんとゼロ……
そこで、前に旦那と息子がアルバイトをした、日通の下請けで引っ越し業をやっている、その道30年の日本人の男性に連絡をしてみようということになりました。
ところが、どんなに調べても彼の連絡先が見つかりません。仕方がないので、日通に連絡してみました。
すると……係の人が次々に代わり、その誰もがなんだか暗~い雰囲気……え?ヤバかったのかな……なんでかな……
でも、ここで引き下がるわけにはいきません。だって、もう日が無いんですもん。
「彼はねえ、もうあんまりこことは関係無いんですよねえ。なんかあっちこっちでやってるみたいだし……でもまあ、どうしてもってことなら、こちらから向こうに連絡して、そちらにかけるように言うことならできますけど……」
なんでもいいです(とは言いませんでしたが)、ありがとうございます!とっても助かります!あなた様の方にお願いしないで申し訳無く思っています!

旦那は旦那で、彼の家がどこにあるかをインターネットで調べ出し、仕事帰りに行ってみたそうです。
そんなこんなの我々の思いが通じたのか、やっと彼と話すことができました。
そして……、
彼はその週末は他の仕事が入っているので、彼の仲間を紹介してくれました。
スパニッシュの男性で、日通で働いている人ですが、週末だけアルバイトで、ちょっと割安で、個人的にやってくれるのだそうです。
なので、我々の希望の日曜日の方が、向こうも都合がいいとのことでした。ホッ。
それで、問題の料金ですが、もちろん我々がすべて荷造り&箱詰めをして、後は運べばいいだけという状態にすることが条件ですが、
大型のトラック一台、それとプロの助っ人が別にひとり、そしてなんと、グランドピアノの運搬も込みで$700?!という答が返ってきました
いくらなんでも安過ぎるんじゃ……また彼、特別にまけといたる、なんて思ってくれてるんじゃないやろか……などと心配しつつも、超ハッピーな気分で電話を切りました
日本だと、グランドピアノだけで10万円払った記憶があります。しかもそれはかれこれ15年以上も前の話です。
こちらでも調べてみましたが、やはり最低600ドル近くしています。
なので、今回は、ピアノを運ぶくらいの費用で全部運んでもらえるということになり、しかも急な週末でもオッケーということで、ありがたいったらありません。
ただし、14日の朝までに、床のコーティングが乾いてくれてたら……の話なんですが……。
あ~も~、鍵さえもらえてたら、ほんと、こんなにあれこれ心配しなくてもいいんだよなあ~。時期とかタイミングとかも、もうちょっとうまく計画できるし。

あと、洗濯機を置く二階部屋の壁の裏に、水の配管とか充分な電力とかがまだ残されているかどうか、それもきちんと確認しなければなりません。
前は台所だったし、電気のオーブンを使ってたし、食器洗い乾燥機のすぐ横に洗濯機を置いてあった形跡があるので、それを残しておいてくれさえいれば大丈夫。
もしも、腹立ち紛れに取っ払ってしまわれてたらアウトです。お願い!残っててぇ~

ってなことを午前中バタバタと考えたり行動したりしているうちに、ずっと濃い霧がかかってよく見えなかった道が少しずつ見えてきました。
というところでお昼。また食事をなにか作らなければなりません。こういう状況になると、無性に、宇宙食のようなチューブや錠剤で済む食事がしたくなります。
とりあえずお腹を膨らませて、午後からの仕事の前にちょこっとまた掃除をしていると、なにやら外がギュンギュン騒がしくなってきました。
数日前から、元気印のスパニッシュふたり組が、この家の数ある問題を解決すべく、朝早くから夕方まで、スパニッシュ音楽をガンガンかけながら上に下に、上ったり下りたり、そりゃもうすごい働きっぷりを見せてくれています。
わたしの部屋の窓の下半分を覆っていた木が消えちゃったので、朝からずっとブラインドを下ろしておかなければならなくなりました。
ギュンギュン音は鳴り止まず、今日はうちで教えるんだけどなあ……と思いながら台所に行くと、ぎゃ~!見えん!部屋の中が霞んで見えん!なぜじゃ~!

犯人は……お兄ちゃんなのでした。勝手口を出た所のレンガ造りの階段を、すごい勢いで研磨しているのでした。彼はしっかり防塵マスクをしています。
そして彼からほんの2メートルぐらいの所にある、我々の勝手口のドアは、思いっきり開いているのでした……
ちょっとぉ~、そんな仕事する前にドアを閉めてくれ!っつぅか、もしくはあんたが閉めといてよぉ~

あっという間に息が詰まり、喉がザラザラになってしまいました。慌てて、旦那がアレルギー解消のために買った空気清浄機をトルネードレベルにセット。
旦那が外に出て、ゲホゲホ言いながらお兄ちゃんに注意してました。ま、反応は、「あ、わりぃわりぃ~」でしたけど……

台所のどこもかしこも、うっすらとレンガ色の粉がかかっています。これから詰め込もうと思っていた食器にも、まんべんなく平等に……しくしく……
たったひとつだけ……この空気清浄機のトルネードレベル、すごい勢いで空気をきれいにできるってことが分かったことは良かったです、はい……
引っ越しってほんと、いろいろありますねえ~





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日本熟女会

2009年06月02日 | 友達とわたし
今日は、モントクレア、あるいは近辺の町に在住の、日本人女性が集まってランチをしようというお誘いを受けて、ベトナムレストランに行きました。
今日集まったのは4人。年齢は同じ世代ですが、わたし以外の3人は学生時代からこちらに来ていて、こちらで結婚し、こちらで子供を生み育てている先輩です。

ところで話はそれますが、わたし、やっぱりちょっとボケが始まっているのかも知れない……と、ちょっと心配になるようなことがありました。
実は、先日の『万歳!』の記事にコメントしてくれたPSママに、それはそれはすっトボケた返事をしたばかり。
今の家にとうとう遊びに来てもらえないまま、引っ越しすることになっちゃったねえ~なんて書いたわたしに、
このバカもん!今年の正月に、年越しで、しかも泊まりがけで、そこに遊びに行ったわたし達を忘れたかっ!というお叱りのコメントをいただきました。
ほんの5ヶ月前のことです。わたしにとっては初めての大イベントだったし、張り切っておせち料理を作ったのもわたし……。こりゃアカンわ

その熱さが喉元を過ぎてもいない今日、ベトナムレストランで待ち合わせしましょうというメッセージを、二日に渡りもらっていながら、
慌てて行ったお店がタイレストラン……この店は、前回のランチ場所だったんですが、そんなのもう1年以上も前のことです。
急いで駐車場に車を停め、駐車料金を払い(まあ、日本円にして50円ぽっちですが)、走ってレストランの入り口まで行き、ドアの前に立った時に、
あっ……ベトナムだった……と気がついたのでした
電話をすると、向こうで大笑いする声が思いっきり聞こえてきました。そりゃね、わたしが待ってる方だったら笑いますよ、はい。
ちょっと危ない、と思いませんか

さて、いつものごとく(といっても、年に一回ぐらいですが)盛り上がった熟女会。ガハハガハハと笑い、よく食らい、楽しい時間を過ごしました。
楽しいばかりじゃありません。市民権を取ってないと、旦那が急に死んじゃったら、遺産は同額もらえるけど、それにつく税金がかなり違うとか、
それぞれの子供(大学生がほとんどですが)の赤裸裸な生活事情とか、なかなか普段耳にしない話がポンポン飛び交います。

逢う回数はとっても少ないのだけど、それに、いつも全員が揃うこともなかなか実現しないのだけど(この町にあと2人、それから隣町にあと数名います)、
彼女達がすぐ近くに暮らしている、ということだけで、なにかこう、落ち着くというか、淋しくないというか、これからもここでやっていこうと思えるのです。
みんなそれぞれの事情でこちらに来て、伴侶もアメリカ人、日本人、アイルランド人、といろいろですが、とりあえず永住を決めた人達です。

日本人としての誇り、アイデンティティの持ち様、日本に残した親兄弟姉妹、友達への想い、アメリカ人としての生活観、自分の中の常識の変化……etc、
いろんなところで共通の喜びや哀しみや痛みがあり、そしてまた、全く違うそれぞれの思いがあり、それがまたとてもおもしろいと思っています。

今日の、わたし以外の3人は、テニス狂と言っても過言ではない、セミプロの腕前を持つ人達。家の中でも英語というのが2人。
わたしはテニスができないし、こちらでの生活もまだヒヨッ子年数。時々話についていけなくなるけれど、そんときゃ黙々と食べる食べる!
久々に日本語100%で楽しめた午後のひと時でした
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万歳!

2009年06月01日 | お家狂想曲
契約書を交わす日にちが決まりました!
たった今、旦那のところにメールが送られてきました!
6月9日火曜日、午後3時から4時半、山盛りの書類にサインして、家の持ち主さん&弁護士さんと握手して、鍵を手に乗っけてもらいます!

さあ、いよいよ引っ越し。
10日から3日間は、一階の床磨きとコーティングの工事のために家の中に入れません。それから、二階の洗濯室の配管工事もあります。
なので、荷物をせっせせっせと運ぶのは、14日の日曜日からになりそうです。

ちなみに、今日やっと、旦那が引っ越し会社の真実を知りました。やれやれ……。
らくらくパックだ~♪お気楽だ~♪と念仏のように唱えていたくせに、いきなり、Kの友達は力持ちが多いよな、だの、前に引っ越しを手伝った人に頼もうか、だの、めちゃんこセコいことをブツブツとつぶやいています。

明日、荷造り用の箱を集めに、方々行ってみようと思います。COSTCOなどには、山盛りの使用済みの箱が積んであるはずです。
さ~、これでごちゃごちゃ文句聞かずに荷物の詰め込みができるぞぉ~!頑張るぞぉ~!


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愚痴るピアノ教師

2009年06月01日 | ひとりごと
つまらない愚痴です。自分でもそう思っています。でも書きます。日記ですから。

足掛け33年飽きもせず凝りもせず、どちらかというと必要に迫られて、片手間でもなく真剣に、いろんな子供や大人の人にピアノや音楽全般を教えてきました。
出会った人の数だけ、わたしは学ばせてもらいました。その中には失敗も後悔もあるけれど、いいことの方が断然多かったと感謝しています。

こちらに移ってから、また少しずつ教え始めました。
環境や文化の違いは、生徒と教師の関係にも影響していて、はじめはいろんなことに驚いたりたじろいだりしながら、少しずつ新しい形に馴染んでいきました。
子供も子供の親も、わたしのことをファーストネームで呼び、言いたいこと聞きたいことを我慢せずにどんどん口にします。
レッスンまでの一週間にどんなことがあったか、レッスンの日の朝からやる事続きでどんなに疲れていて、だから集中できないのはそのせいだとか、黙って弾き始める人はまずいません。
弾いている途中も、あれ?とか、ちょっと待って!とか、そんなつもりじゃなかった!とか、ブツブツ言いながら弾きます。横で見ていて楽しいです。

わたしは最初、自分の英語に自信が無かったということもあって、彼らの話を聞き過ぎてしまい、向こうのペースに巻き込まれることが多くありました。
生徒第二号の7才の女の子は、まるで練習をしない、「わたしは練習なんか大っ嫌い!」とはっきりと言っていた子でした。
おしゃまというか生意気というか、レッスン中に注意されたりして嫌気が差してくると、わたしを英語でイジメて、そのストレスを解消していました。
「まうみ、タコって英語で言ってみてよ」
「オクトパス」
「け、だ~めだめ、オクトプス」
「オクトプス」
「プププッ!へったくそぉ~、違うよ、オクトプス!(オを言う時に、微妙に口の開け方が違うんですね、多分)」
「オクトプス」
「だぁ~からぁ~、オクトプスだってばぁ~」ってな具合に……

またある時は、超金持ちの家の3人兄妹弟を教えていたんですが、3人ともお金と同じぐらいの超我がまま。
疲れていたり眠かったり、気分が悪かったりすると、わたしの言った言葉尻を捉えてイチャモンをつけてきました。
最初のうちは子供だからと聞き流していましたが、ある日、「疲れ過ぎて音符をひとつも読みたくない」と言うので、「じゃあ今日はもうやめよう」と言うと、
「まうみにそんなことを言う権利なんか無いじゃん。こっちはまうみにお金いっぱい払ってるんだから、その分教えろ!」という言葉が返ってきました。
彼らとは、そりゃもういろ~んなことがあって、何度もう教えに行くのは辞めようと思ったかしれません。
どちらの親も、仕事やパーティや旅行でほとんど家に居なかったので、その家のお手伝いさん達(料理係と子供の世話係と遊び係の3人)と協力して、子供達に、とりあえずわたし達が思う常識を持ってもらえるように、いっぱい話し合いました。

モントクレアの町には、常識を超えたお金持ちが多く住んでいます。わたしの生徒の中にも数人、桁がちょっと外れているお金持ちがいます。
全部が全部とは決して思わないけれど、悩まされる生徒は、そういうお金持ちの家の子供や親だという確率がかなり高いです。

なぜだろう……。
外からしか見ていないので推測に過ぎませんが、長年、彼らと付き合ってきて、あるパターンがあることに気がつきました。
まず、やりたいことは全部やりたい。やらせたいことは全部やらせたい。
やれるだけのお金はあります。けれども、時間は一日24時間。どんなにお金を持っていても時間を買うことはできません。
けれどもどうしてもやりたい、やらせたいのです。
なので、そんな親の子供は毎日一日も欠かさずお稽古事やクラブが複数あって、通っている私学の教師達からの山盛りの宿題を抱えています。
親自身も、自分のビジネスやフィットネスクラブ、ファンドレーザーのパーティ、買い物、旅行など、自分のことで目が回りそうなくらい忙しい。
お抱え運転手を雇える人はいいけれど、そこまでには至らない家は、親のどちらかが、子供の数×送り迎えをしなければなりません。

今年はじめから生徒になった3人のティーン達の母親がそうです。彼女はおまけにシングルマザー。なので、その事情を理解しているつもりでした。
でも……まともにレッスンできた回数が少な過ぎなんです。ドタキャンもよくあります。そしてそれが三回続き、事前に連絡できる時はして欲しい、と言うと、
「もう~どうしたらいいかしら。子供達のスケジュールがややっこし過ぎて、わたしにはオーガナイズすることができないの。だから、2ヶ月休ませてもらえる?その頃には落ち着くと思うから」という電話がかかってきました。
まあそれも仕方が無かろうと思い、彼らの家に行っていた時間を空けたまま、その2ヶ月を待ち、今日がレッスン再開の日なのでした。
万が一、というより三が一、ということもあるので、前日から確認の電話をかけていましたが返事は無く、今朝も無く、昼過ぎにもう一度こちらからかけました。

今日の朝から行った、2ヶ月前から習い始めた、これまたお金持ちの女性。彼女もキャンセルクィーンですが、とりあえず前日に連絡はあります。
けれども今朝は違いました。
行くと、「あら~、テキストメッセージで二回も連絡したのに~、どうして来ちゃったのぉ~、困ったわぁ~、ほら、こんなんで弾けないでしょ~」
とケラケラと言って、きれいにコーティングした爪を見せてくれました。
どうやら、朝からネイルデザイナーを呼んで、爪のお手入れをしてもらっているようでした。
彼女には再三、わたしに連絡したい時は、携帯かe-mailを使うようにと伝えてあります。わたしはテキストメッセージを使わないからです。
「ごめんね~、キスキス!」と言って玄関で投げキッスをする彼女に見送られながら車に戻り、帰り道にかかってきた電話が前述の子供達の母親からなのでした。

「あのね、今だにゴチャゴチャしていて困ってるの。あと2週間ほどはこんな感じだから、また落ち着いた頃にこっちから電話するから」と言ってきました。

頭にき過ぎて、その直後に行ったヨガのレッスン中、ムカムカが消えずに困りました。
余計なことを考えないで。楽しいことを思い出しながら息を吸い込んで~、心の中のイヤなことを息と一緒に吐き出して~、スゥ~ハァ~スゥ~ハァ~……。

そんなこと言われてもですね、できる日とできない日があるんですよ。でもそれが人生ってもんなんでしょうね。
ピアノ教師なら、もうちょっと音楽的なことで悩みたいもんです

付け足し。

でも、今いる26人の生徒さん達、とっても頑張っています。宿題もきちんとする子(人)がほとんどです。
いろんな個性があって、いろんな弾き方があって、そのそれぞれに応じた、一番合った教え方を探りながら、わたしも一緒に学んでいます。
なので、愚痴ったのは、ほんの一部の人達のことです。
言いたいことを言ったので、もう今夜、ここで忘れます。付き合ってくださってほんとうにありがとさんでした。
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