ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

上原ひろみとマーキュリー

2010年08月21日 | 友達とわたし
Hiromi Uehara - I've got Rhythm


というわけで、今日はひろみちゃんの演奏を聞きに、師匠と旦那、そしてわたしのいつもの3人で、マンハッタンは『ブルーノート』に向かった。
ネットで予約しようと思ったのだけど、どうしてもうまくいかなくて、まあ開演のだいぶ前に行きゃあなんとかなるかということで、師匠の娘さんからのお願いがあったチョコレートのお店も歩いて行ける距離にあったので、そこにも寄ってちょっと小腹も膨らませて行こかと、かなり余裕をもって出かけた、はずだった……。

車が動き出してすぐに、後ろ右側のタイヤから、また前のような変な音が聞こえてきた。
修理に出して調べてもらったけれど、どこにも異常は見当たらないと言われて戻ってきた車なのに……。
気持ちが悪いので、ガソリンスタンドに寄り、タイヤの空気圧を整えながら点検したが、やっぱりなにも異常は見つからなかった。
音が消え、ガソリンも足し、これでなんとか行けるだろうと高速に入る手前の橋の上から道路の様子を見てみると……めちゃ混み……あかんでこれは。
急いで作ったおにぎりはいったいなんだったんだろう……おやつにおかきだって持ち込んだのに……。

とりあえず道路脇に車を止め、車内会議に入る。
違うトンネルか橋を選ぶのだけど、この混み様はちょっとおかしい。10分おきに交通情報が流れるラジオ局を聞く。
再び……。
リンカーントンネル→40分の待ち、ホーランドトンネル→1時間半の待ち、ジョージ・ワシントン・ブリッジ→1時間半の待ち。こらあかん

こうなったら無理に待ちに行くこともない。家に戻って様子を見ながら、待ち時間が少なくなったら出発しようということにした。
お土産はまた明日。

「あ、リンカーントンネルは20分待ちになった!」
レッツゴー!
ところがところが……様子が変だ。トンネルまでを走る3号線がとんでもなく混んでいる。とってもイヤな予感……。
「よし、こないだ使った裏技を使ってみよう」と旦那。裏道が使えるホーランドトンネルに変更するらしい。
今は混んでいるけれど、トンネルに近づいた頃には待ち時間が短くなっていることに賭けることにした。

ところがところがところが……10分置きにラジオから流れてくる情報は、哀しいほどに変化無し。1時間半をくり返している。
おまけに、トンネルにあともう3キロ、という所に来て完全にストップしてしまった。
交差点の周辺には、うんざりとした顔で車の中に閉じ込められている人達に、水や花を売る人達まで現れた。その渋滞がハンパではない、という証拠。
ラジオから「ホーランドトンネル内で車が故障し動けなくなった車があって……」というニュースが聞こえてきた。
「リンカーンに戻ろう」
ホーランドとリンカーンの別れ道の所にやっと辿り着いた時、旦那は三たび行き先を変えた。もうその時で7時半。ひろみちゃんのショーは8時。
店で落ち合う予定になっていたA子に、8時までに着ける可能性はかなり少ないことを伝えると、「じゃあ、今夜はやっぱやめとくわ」と一抜けた。
わたし達もかなり気が抜けていたのだが、師匠の友人でたまたまマンハッタンに旅行で来ている女性がいて、彼女にも店で会おうということにしていたので、とにかく我々としては向かった方がいいし、ひろみちゃんのピアノもできることならもちろん聞きたい。

マンハッタンに入ってからも、ブルーノートのある辺りは迷路のようになっていて、そりゃもう場所が見つかりにくい。
それをなんとか旦那が頑張ってくれて、やっとこさ着いたのが8時20分。もうショーは始まっていて、チケットはソールドアウト。一巻の終わり。
待ち合わせした女性の姿は無く、多分もう中に入っているんだろうなあと思いながらも、ショーの途中では連絡のつけようもなく、けれどもせっかくここまで出てきたんだから、せめてウェストビレッジの街を楽しんでから帰ろうということになった。

外のテーブルで食べている人達のお皿の上を点検していると、かなり美味そうな料理が並んでいるレストランを見つけたので、テーブルが空くのを待った。
なんとな~くもう終わりそうな女性の二人連れが居て、店の中の人に尋ねると、「だめだめ!彼女達ね、もうかれこれ2時間以上はああやってダラダラと居座ってるの。きっとまだまだ動かないわよ」と断言されてしまった。
そう言われてじっくり観察してみると、なるほど全く席を立つ気配が無い。
それどころか、とうとうトランプのカードを鞄の中から取り出してきた?!思いっきりくつろいでいる。あんたら、そこは自分ちの部屋か?!
路上駐車した車の時間切れが近づいてきたので、料金を払い足しに行った旦那がいっこうに戻って来ない。
だいぶ経ってから「迷てる……まだ車のとこにさえ着いてない」と、かなり落ち込んだ声で電話がかかってきた。
今日はほんとにうまくいかない。

やっとこさ、二人連れの隣のテーブルが空き、よっこらせと師匠とわたしが座ってしばらくすると旦那が戻ってきた。
「マーキュリーのせいで今夜はオカシイ」
なんとなくそんなことも信じたくなるような夜。
ふと横を見ると、店の内側のガラス越しに、わたしのすぐ斜め向かいに座っているゲイカップルの男性の顔の美しいことったら!ついうっとりと見入ってしまう。
それに、待った甲斐があったと思わせてくれる料理の美味しさよ!
オカシイけれど、幸せなこともある。なかなかに多彩な一日。

お茶だけだったら、ということで、A子もまたやってきてくれて、4人で楽しくおしゃべりしながらワインを飲み、通りを歩き、ブルーノート近くの、とても古いけれども、美味しいカプチーノを飲ませてくれるカフェに行った。


ところで、今日は朝から師匠と一緒に、ファーマーズマーケットに行ってきた。
新鮮なキュウリと獅子唐を買い、キュウリは味噌につけて、獅子唐は油で軽く炒めて醤油をたらして食べようということに。
お手製のハチミツを売っている店を覗くと、ハチミツの横にミツバチの巣で作ったロウソクやハチミツ入りの石けんが売っていた。
それぞれ違う香りを選んでお土産用に師匠が買おうとすると、おじさん、「一個おまけしとくよ」とニコニコ。なんていい人なんだ!
わたしはその中から、コーヒーとバニラが成分に入っているのをいただいた。
お昼からは、カーネギーでA子と演奏する曲を4曲とも師匠に聞いてもらった。
目からウロコな忠告や注意をいっぱいいっぱい受け、やっぱりもっともっと人に聞いてもらわにゃいけん!と改めて思った。
もっと重心を落として、丹田を中心に歌ったり音を鳴らしたりする。
自然にストンと落ちる感じで音を鳴らす。または、スッと鍵盤上から指が離れる瞬間に音を鳴らす。
歌のフレーズの進むべき方向を見誤らない。長い息で歌う。
fやpはただの目安であって、それにふさわしい強弱はもっと自分で感じてつける。
歌い手がどんなふうに歌いたいか、それをきちんと聞く。あるいは感じ取る。
いろんな注意を受けたことが嬉しくて、A子にもきっともっと良くなるからね、と約束した。
するとA子、「先生がいらっしゃる間に聞いてもらおうか?」と言い出した。
げげっそれって明日しかないやん……

そんなこんなで、A子をアパートまで送って行き、家に戻ってきたらもう2時?!
師匠はマンハッタンの街中を走っている時からすでに爆睡。
夜遊びし過ぎてませんか?わたし達。

結局、ひろみちゃんのピアノは一音も聞けなかったのだけれど、またまた楽しい夜を過ごせた。
マーキュリーもそれはそれでまたいいじゃん。って……いったい旦那はなにを言いたかったのか、それが今一わかってないのだけど……。
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自由の女神とサルサダンス

2010年08月20日 | 友達とわたし
昨日、わたしの体調復活のためにと、ひとりマンハッタンに冒険に出かけた師匠。
家から持ってった水のペットボトルを後生大事に持ち歩き、露天で売っている巨大プレッツェル(粒塩つき)を30分もかけて完食し、リンカーンセンターからセントラルパークを横切ってメトロポリタン美術館に行こうとしたのだけれど、パークがあまりに広くて、どう考えてもそれは得策ではないと判断して、日がまだ高いうちにこちらに無事戻ってきた。
初めてのアメリカ、初めてのマンハッタンはともかくも、あのややっこしくて案内の表示がどうしようもなくお粗末でいい加減なニューヨーク・ペン・ステーション駅の構内で、ニュージャージー・トランジットの自分が乗る電車のプラットホームを見つけ、正しい電車に乗ってこられたことが素晴らしい!
なぜかというと、それは地元の、ネイティヴのアメリカンにさえ、混乱をもたらすとんでもないシステムなんだもの。
うちとマンハッタンをつなぐ線の電車はなぜか、同じプラットホームから出ない。
だから、毎回乗る毎に、あちこちの壁に設置されてあるちっちゃな電光掲示板を確認しなければならない。
そしてその電光掲示板に、プラットホームが何番であるという表示が出るのが、なぜだかその電車が発車する、わずか5分ぐらい前なのだ。
最初その話を聞いた時は冗談だと思った。たまたま遅れたんだろうと駅に気を遣いさえした。
だけど、それは紛れも無い真実だとわかってからは、呆れるのを通り越して、アホちゃうか?などと思っている。
そんなとんでもない駅で、彼は片言の英語を駆使して、立派に見事に家に戻ってきてくれた。感動した。


昨日のおわびに、ぴっかぴかに晴れた今日、自由の女神のところにお連れすることにした。
二人分のお水を手に、意気揚々と電車に乗り、ペン・ステーションから地下鉄の1番で街を南下して、終点のサウス・フェリーという名前の駅で降りた。
自由の女神に人を案内する時はいつも、ニュージャージー側からフェリーボートに乗ってぐるりと一回りするので、実はこのマンハッタン側からは初めて。
なので、間違えてはならぬと、あちこちで人に尋ねながら行った。
けれども、バッテリー・パークからフェリーに乗る、ということぐらいは知っていたので、地下鉄の終点まで行けば大丈夫だろうと思っていた。
が……、

こんなとこに着いてしまった……

地下鉄駅の案内に従って自由の女神方面の出口を出たまでは良かったのだけれど、


そこから人の波がドドッと向かったのは、地上に出て真正面にあるここ、


『Staten Island Ferry』とはっきりでっかく書かれている駅だった。
読みましたよもちろん、Staten Islandってちゃんと。それで、頭のどっかでは、「あれ?」とか「いいのかな?」とか思いましたよ一瞬。
ところが、人の波の、あまりにも自信ありげな直進の様子と、そこに観光客風の親子連れとかも見えたので、なんとなくついてってしまった。
そして広い構内に入ると、どこにも切符売り場が見当たらない。え?どうするんだろ?と思いながら、とにかく列の最後尾を探しに人ごみの中に入っていった。
近くに、娘二人の手をしっかり握ってやや興奮気味の女性が居たので、「切符はどこで買うの?」と聞くと、「タダよタダ!」と目をパチパチして教えてくれた。
「えぇ~!マンハッタンからは無料なんだ~!」とわたしも興奮して言うと、「そうなの、すごいわよねえ、まあ、もしかしたらどっかで払えって言われるリスクもあるかもしれないけど、わたしはとにかくこの幸運を受け取らせてもらうわ!」と更に彼女も興奮して言う。
すごいすごい!今までニュージャージー側から行って損しちゃったな、などと思っているとゲートが一斉に開き、列どころか、塊のまんまフェリーに乗り込んだ。
なんてでっかいフェリーなんだろう!こんなんでいっぺんに運んでも大丈夫なのかなあ……。
そこらへんでようやく、なんとなくイヤな予感がしないでもなかった。
乗り込んだ乗客を改めてじっくり観察すると、なにやら勤め帰りの大人がほとんど、のような気もする。

窓から小さく見える自由の女神を指差して、「今はちっちゃいけど、これからぐんぐんおっきくなるよ~」と説明するわたし。
ところが……船はいっこうに近づく様子もなく、自信満々に真っすぐ、どこかわたしの希望とは違う別の所を目指しているような感じがしてきた。
「あのぉ~、このフェリーはどこに向かってるんでしょか?」わたし達の向かえの席で、新聞を広げて読んでいた女性におずおずと尋ねると、
「スタテン・アイランドよ」と、それがどうかしたのか?と言わんばかりの、自信に満ち満ちた返事をしてくれた。


さよぉ~ならぁ~自由の女神ぃ~!

で、最初の写真と相成ったわけなのであった。

駅に着き、今にも出そうな戻りのフェリーを見つけた。ダダッと走り出す師匠とわたし。
救われたのは、そうやって走ってるのがわたし達だけではなく、けっこうな数の人達も人並みをかき分け押しのけ、そのフェリーに向かって走っていた。
そしてあともう一歩のところで無常にも閉められたゲート。

けちぃ~!!
次は30分後にしか出ないのだった……。

そんな慌て者がいつも居るらしく、待ち合いの広場ではこんな人達が。


けっこううまい。聞き入る師匠。


もう一度降り出しに戻り、とうとう正しいフェリーに乗り込み(直前のセキュリティで師匠は何回もブーを食らった)、一路自由の女神に向かった。


どんどん近づいてくる(いや、我々が近づいていってるのだが)女神を前にすると、人はじっとしていられない。
どんなアングルで撮ろうかと検討中の師匠。それにしても太陽の光が痛い。


何回目かもう数えられないほど会いに来ているわたしだけど、やっぱり彼女は素晴らしい。この力強さを間近に見るたび、また頑張ろうと思う。


師匠曰く、やっぱりここにも酸性雨の被害が出ているようだ。彼女の腕はかなり黒ずんでいた。

人慣れし過ぎのカモメ。カメラを向けるとポーズまでとってくれた。


自由の女神と自由の師匠。


また来るね~!


師匠はとうとうこんな姿に……。ほんと、太陽の光が強過ぎる。

 

こんがり焼かれた後はここ『SOB's』に直行。旦那とA子と待ち合わせて、サルサダンスの初体験の巻。

この店のことはこの方のブログに詳しく載っているので、興味のある方はどうぞ。

http://toshimambo.exblog.jp/10220925/

店の中がどんな様子だったかは、同じくこの方が撮った映像がユーチューブで。ほんと、この通りのお店だった。

http://www.youtube.com/watch?v=2K_pfTRazcY

団体の無料サルサダンスレッスンが受けられる、とあって行ったのだけど、動きが思ったより複雑で速い。基本のステップを教えてもらってすぐに、男女2人組のお試しダンスが始まり、パートナーを次々を替えていかなければならなくて、旦那はなんと、3人目の女性と踊り始めて3回目に、「あなた、あんまり上手じゃないのね」とはっきり言われて振られてしまった……。
師匠も相手が見つからなくなり、旦那とともにテーブルに戻り、わたしも知らない人とクネクネダンスを踊るのが少し鬱陶しくなって着席。
でも、やっぱりダンスは楽しい。旦那はかなり本気でマスターしたい様子。そりゃそうだ。あんなにはっきり振られちゃねえ……。
残念なことに、音量が耳の限界を超えていて座っていられなくなったので、近くにある美味しいコーヒーを飲ませてくれる店に入って耳の休憩。

師匠とA子は、偶然にもお里がご近所。しかも勉強した音楽大学も一緒。キュートでエネルギッシュな彼女と話が弾んで楽しそうだった。

夜中に家に着いた。
あ~よくしゃべって歩いた!おやすみぃ~!



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おまけ(旅行で撮った草花)

2010年08月19日 | ひとりごと
小屋の近くで生きている草花です。
あ、いいな、と思ったのだけ撮りました。
本当はスライドとかにして載せたいのだけれど、どうやったらいいのかわからないので、ただ一枚ずつ。

小屋から湖までに降りていく間の地面で見つけました。


シダの緑がきれいでした。


小学生の頃、平尾山のグラウンドにラジオ体操をしに行く時の道沿いに咲いていた月見草。懐かしかった。


なんか怪し気なふくらみが……。


旦那が子供の頃の遊んだ草だそうで、中には粘り気のある白い液があります。


細かい黄色の花が可愛らしい。


打ち上げ花火のような花。


松とのコントラストがきれいでした。


スズランが群生していました。近づいていくと、花ではなく、こんな固い実がいっぱいなっていました。


雨降りの後の緑。


花壇から。


丘の中腹で見つけた花。


雨上がりの濡れた地面とのコントラストがきれいだったので。


苔好きのわたしにはたまらない!







たった丸3日の間に、曇り、雨、雷、晴れを見せてくれたカナダの自然なのでした。

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ボーコーエンとスカルラッティ

2010年08月18日 | 音楽とわたし
やっぱり調子がいまいち。というより、少しずつ悪化している。
今日はせっかくの仕事無しの日だったのに、どこかに出かける勇気が出ず、思い切ってファミリードクターに予約を入れることにした。
まずはきちんと治して、元気になって、師匠と一緒にいろんな所に出かけたい!

予約は一番早くても2時、ということだったので、今日はとにかくゆっくりのんびり、近くのタイ料理店に行ってランチを食べ、それから病院、そして1年前まで住んでいたモントクレアの町をぐるりとドライブ。ということにした。
アメリカの旅第一日目が病院の付き添い……すんません……師匠……。

病院で血尿の他にまだ少しありそうなので、精密検査を受けるかどうかをまた数日後に連絡する、と言われてちょいとショック。
今日はとりあえず抗生物質と痛み止めをもらい、恐々飲み出した。



もしかしたら、こちらに来て初めての病院からの薬かも……。
こちらの映画を観ていると、鏡のついた棚を開けるとこういうのが中の棚にぎっしり……みたいな洗面所シーンがよくある。

痛み止めの薬の影響でおしっこと涙がオレンジ色になるからびっくりしないでね、と医者から言われた。
そんなことではなかなかびっくりしないよ~わたしは、なんて心の中で思いながら聞いていたけれど、なんのなんの、昔飲んだ粉を溶かして作る、非常に毒々しいオレンジ色したジュース以上に毒々しい色でたまげてしまった。
旦那に見てもらいたくてトイレに呼んだけど、来てくれなかった……つまんない。
写真に撮ろうかとも思ったけれど、そんなもんを見たい人はいないだろうからあきらめた。

わたしが自分のことでオロオロしていると、美しいモーツァルトのソナタが聞こえてきた。
いつも弾いているピアノとは思えないきれいな音にうっとり。

師匠は、どんな条件の、どんな状態のピアノでも、きれいな音で演奏してしまえる才能がある。
中国に招かれて演奏した時の、とんでもない話を聞かせてくれた。

どちらも芸術学校や音楽専門の施設だったのだけど、リハーサルは無し、本番のみの演奏で、いざ舞台の上のピアノの前に座ろうとすると、まず椅子が無い?!そこで、舞台下からパイプ椅子が運ばれてきて、それはもう自分の好みの高さに調整するなんてことは全くできなくて、それでもまあいいやと演奏前のペダルの点検をすると、ペダル全体がピアノから外れて床に乗っかってた……みたいなことがあったのだそうだ。
鍵盤が一個、まるまる無いピアノもあった。
それはもう鍵盤のプラスティックの部分が欠けたり外れたりして、もともとの木の部分が出ている、というような甘っちょろいことではなくて、そこに四角い穴が堂々と空いているというピアノ。そこにうっかり指を突っ込むと落とし穴にはまってしまったような感覚になるんだろう。そんなのを弾いたことがないので想像だけど、あまりにも恐ろしい現実が存在する中国。やっぱりただ者ではない。

まあ、そんなのに比べたらもう、素晴らしいピアノなんだけど、それでもあのピアノであんなに美しい音を出された日にゃ~……わたしもピアノのせいなんかにしてないでもっともっと頑張ろ!と、メラメラと熱くなったり反省したり。

夕飯をトンカツに決め、台所であれこれ動いていると、今度はスカルラッティのソナタの8番(K87)が聞こえてきた。
あ~これこれ!わたしの好きなやつ!
それからいろんなスカルラッティが流れてきて、贅沢なBGMを聞きながら心地良く料理をし、ごちそうさまの後にスカルラッティの話をしたら、特別にまた弾いてくれて、うっとりしながら音符を追いかけていると、
「はい、この続きはまうみちゃんの番」と、いきなり席を立つ師匠。
げげっ!それはあきまへんて師匠!弾けまへんて師匠
頭の中ではお断りの言葉が思いっきりグルグル回っているのに、身体はスッと椅子に座ってしまう哀しい弟子のサガ……
あっちゃこっちゃでコケながらもおばはん根性で弾き続けていると、鉛筆で注意書きが入ってきた。
あ~懐かしい~この感じ!何年ぶりやね~ん!

でも……初見力、だいぶ衰えているような気がする……。
お腹いっぱいで頭が空っぽだっせ~。なんて言い訳できるわけもなく、内緒で落ち込んでいると、「ね、連弾しよ!」と再びやる気満々な師匠。
いきなりドビュッシーやフォーレの連弾を初見でやってると、いつの間にか旦那が聞きに降りてきていた。
ピアノが1台しか弾けないのがとても残念!師匠が居てくれる間に戻ってこないかな~鍵盤……。

「明日はね、まうみちゃんはひとりで休養、僕はひとりで冒険。そうしよう!」

ということで、わたしは明日、薬を飲み飲みゆっくりすることにした。
師匠は初めてのアメリカで、ひとり電車に乗り、地下鉄に乗り、メトロポリタン劇場に行き、セントラルパークを横切ってメトロポリタン美術館を回ってくる。

無事に戻ってきてね~!

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バイバイまたね!

2010年08月17日 | 友達とわたし
三日目の夜、明日は最後の日で、しかも午前中しか遊べないのだから、朝からガンガン遊ぶぞ~とばかりに早寝した。
寝てまだほんの数時間して、突然目が覚めた。めちゃくちゃおしっこがしたい。
慌ててトイレに行くと、おしっこがジャアジャアと大量に出た。そんなことはとても珍しい。
気分良く出した後、あれ?……。
またあのイヤな感じがした。焼けつくような痛みと激しい残尿感。マジィ~!?
マジだった……。
それからはもう、すっかり再びの膀胱炎患者。何回行っても出し切れず、というより、出すものなどなにも無いのにずっと便座に座っていたいような感じ。
それと同時に突然顎までかなり痛い。
旦那に内緒で、顎と恥骨に手を当てて、なんとか寝ようと頑張ったのだけれど、そんなの眠れるわけがない。
なかなかの悲惨な夜を過ごした。
明け方に大きな雷が鳴り、また大雨が降った。
この旅行から戻るとすぐに、日本からH師匠が遊びに来てくれるのに、こんな体調になっちゃって……つい暗い気持ちになるのを抑えるのに必死だった。

夜が明けて、なんと旦那もわたしと同じように、おしっこに何度も行きたくて困った夜を過ごしたと言った。
もちろん膀胱炎とは違うけれど、わたしが何度もゴソゴソしたので起こしてしまったのかもしれない。ごめん。

さて、対照的にしっかりと眠れたA子。起きてくるや、シャワー室の床をまた磨き始めた。
昨日は50%。それであきらめるのかと思いきや、なんのなんの、今日は仕上げとばかりに漂白剤をかけまくる。
とうとうきれい率95%になり、さらにゴシゴシ、じゃ~ん!この通り、真っ白のぴっかぴか!漂白剤大好き娘のA子ならではの頑張りで、トイレに座るたびに眺めながら、なんとなぁ~く暗い気分にしてくれた黒ずんだ床がきれいになった。

こういうのってきっと、気にならない人もいて、それでそんな人達からは思いっきり自己満足の行為に見えるんだろうけれど、それがほんとに大事なんだよね~A子!めちゃくちゃわかるけれど、漂白剤アレルギーのわたしにはできないよ、そんな連続技……。




最後の今日はなんとなく晴れてきそうな気配。旦那がティーンの頃に内緒でビールを飲みに行った島に、ボートで探検しに行くことにした。
なんとなく盆栽の趣味がある恐竜……と思えなくもない佇まい。



島の周りは平な岩石で囲まれている。



ボートを近づけやすい反対側に回る。



誰かが作った砦っぽい。見てるだけでワクワク!



島からの湖面。



めちゃくちゃ晴れてきた!



急いでデッキに戻り、ボートをつなぐ。



晴れた湖はこれが初めて。



さっそく泳ごぉ~!と着替える旦那とA子。わたしは残念ながら、大事をとって撮影係。膀胱炎って冷やすといかんもんね。

そんなわたしの目の前で、いかにも気分良さげに浮かぶ旦那。



湖の天気は変わりやすい。また雲がもくもく。これが今回最後の湖の顔。バイバイ、また来るね。



帰り途中にまた町に寄って、昨日の美味しかったパン屋さんでパンを買い、なんとしてでもカフェに行くぞぉ~と決めたわたし達。

空にはニョキニョキ夏の雲。



カナダの信号機はちょっとおもしろい。赤がふたつ。見落とさなくていいかも。



土曜日にキッシュを買ったパン屋さん。この中は小さな市場になっていて、その中のサンドイッチ屋さんでランチを食べた。



昨日はまあまあな感じがして寄らなかったカフェ。入ってみて大いに後悔。めちゃくちゃ美味しいコーヒーを飲ませてくれた。



わたしは念願のボールでカフェオレ。A子と旦那はカプチーノ。どちらもメチャうま!



お店の外観。



大満足で一路アメリカへ。カナダの道路の車線はくっきりと見やすい。



行きとは違う橋を渡る。



渋滞中、暇にまかせて撮ったUSA側の税関。スカスカだよ。



カナディアンとアメリカンの係員さん達、それぞれのお国柄が出ていた。ウェルカムホーム!と言われて、ちょっと胸がジーンとした。

また行きと同じく、国際免許を持ったA子にもドライブを手伝ってもらい家に向かった。
がっ!
すっかり遊びボケしていたわたし達。カナダの町からどんなに遅くとも12時には出るぞ!と決めていたのに、パン屋でブラブラ、カフェでだらだら、気がついたら4時になってしまっていた?!
で、もちろん時間がどんどん押してきて、月曜日に真面目に働いているカナダの人達の通勤ラッシュにも巻き込まれ、結構おっきな交通事故の渋滞にも遭ったりして、マンハッタンのA子のアパートに着いたのが夜中の1時。そして我々が家に戻ったのが1時半。

今日はボケボケなのだけど、そうボケてもいられない。今夜、日本からやって来るH師匠をJFK空港まで迎えに行かなくては。
その前に、旅行の洗濯と、シーツの用意と、あちこちの掃除もしないと。
幸いなことに、膀胱炎の症状は思ったより重くならなくて、今はかなり落ち着いている。
飛行機嫌いの師匠にとって初めてのアメリカ一人旅。楽しいものになるように、まずはわたしの体調を整えねば!

というわけで、相変わらずのドタバタなわたしなのだった……。

みんな、ただいま~!!










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自然に抱かれる

2010年08月17日 | 友達とわたし
三日目の今日は一日雨の予報。
起きてすぐの湖。雨雲が低くたれ込めていて、今にも降ってきそう。



わたしより先に起きて畔に降りてきていた旦那は、ルーンが奇妙な声で鳴きながら水の上を走って?横切るのを目撃した。
わたしはそのけたたましい鳴き声に驚いて、カメラを持って急いで降りてきたのだけれど、あまりにも速く走っていくので写せなかった。残念!
付近一帯にはたくさんの湖があるのだけれど、その湖に決まったルーンのつがいがそれぞれ暮らしている。そしてそれは代々受け継がれていくらしい。
ルーンはなんともワイルドでファンキーな鳥で、彼らが互いに話し合う声は湖一帯に響き渡り、およそ鳥らしくない動きを見せて驚かせてくれる。

旦那が部屋に戻ってしばらくすると雨がポツポツ降り始めた。
わたしも雨脚が激しくならないうちに戻ろうかと思った時、急に姿を見せたルーン。彼らはとても長い時間水の中に潜っていることができるので、一度潜るとどこから現れ出るのか見当もつかない。



なぜだか動かずに、時々振り向いては誰かを待っている様子。



ああ、彼女?あるいは彼を待っていたのだね。



ちゃんと真横に来るまで待って、それからまた巣のある小島に向かって泳いでいく二羽。ほんとに仲が良い。



小屋に戻ると、旦那がウッドストーブに薪を焼べてくれた。



雨上がりのデッキと小屋。



曇っているけれど雨が上がったので、ボートに乗って湖を探検することにした。
ボート漕ぎは初めてのA子。幸せな女の子時代を送った証拠だよ。どうやって漕いだらいいのかわからない彼女に大笑いのわたし。その横で真剣に指導する旦那。



漕ぎ手をわたしが引き受けた。わたしの女の子時代はまるで悲惨だったので、ボート漕ぎはうまい。全然嬉しくもなんともないけれど……。

旦那が子供の頃、幼馴染みのおとうさんが必ず遊んでくれた追いかけごっこをしている最中に、背中から滑り落ちて痛い目に遭った現場。



鹿の餌食になった木の様子。どこもかしこもこんな感じ。



再びルーンに会う。今度は近い!大興奮でカメラを向ける。やっぱりお互いを呼び合って近づいていく。



二羽が寄り添ったところで今度は子供達を呼ぶと、二羽のチビちゃん達がエッサホイサと水を掻いてやってきた。



帰りのボートの中から撮った小屋と、湖を眺めるのに誰かが座るスポット。



突然、シャワー室の床をきれいにしたぁ~い!と掃除を始めるA子。



今夜は湖最後の夜。本当はSaint Sauveurにある、フレンチとかのレストランに行こうと思っていたのだけど、昨日行ってみて、雰囲気的になんとなくゴチャゴチャしていて気が進まなかったので、再び冷蔵庫の掃除をすることに。
A子作アルモンデディナー。スパニッシュオムレツとライススープ、そしてサラダ。めちゃウマ!



今日は一日湖と過ごした。A子は「1ヶ月はいたい!いや、2週間でもいい!」と、とても気に入った様子。
実はこの湖畔の家、わたしはすっかり勘違いしていて、旦那の両親と、彼らのカナディアン友人夫婦が共有しているのだと思い込んでいた。
旦那はこれまでも、そのわたしの誤解を解こうと、事ある毎に説明してきた!らしいのだけれど、わたしはなぜかしつっこく勘違いし続けていたらしい。
この湖畔の家はカナディアン夫婦の物で、旦那の両親一家はいつもゲストとして遊びに来させてもらっていたのだそうで、だからその子供の代の旦那とその家族などというのは、ここを使わせてもらえる幸運と彼らの親切にはいくら感謝してもし足りないのであって、当たり前のような顔をして来てはいけないのである。

いつだって両手を大きく広げてよく来たね、と受け入れてくれる彼らと、いつだってずっと変わらない湖。
いつ行っても変わらない故郷のようなものを持たないわたしにとって、とても特別な所。
二十年近くも経ってやっと気がついた。湖は、なにも言わずに、なにも変わらずに、静かにそれを待っていてくれた。











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シルバーレイクとSaint Sauveur(サン・ソヴー)

2010年08月17日 | 友達とわたし
カナダ旅行二日目。見事予報通り、うっすらと曇っている朝の湖。



きれいにわざわざカットしたみたいな木々の葉。わたし達は水量の加減かな?と思ったが、長い冬の間、食料に困った大勢の鹿が、氷の上を歩いてきて食べた跡なのだと教えてくれた。ぐるりと一回り、湖に面しているすべての木の葉が食べ尽くされていた。



朝の湖はとても静かで、まるで鏡のよう。



湖畔から見上げた小屋。



シーンとした湖面を、おしゃべりなおじさん二人を乗せたボートがゆっくりと横切っていく。



なかなか絵になる旦那。



みんなまだ寝ている。



太陽がだんだん上がってきた。



モニカ達が眠っている間に、旦那とA子と三人で散歩に行った。
小屋から少し行った所にある、旦那が小さい頃から飲んでいる山のわき水。超~冷たくて美味しい!



バケーション最後の湖を楽しむモニカ達。



着替えてきておすまし。真っすぐに、充分に愛されて育つ子供を見るのは心地良い。



泳いだ後の片付け。



一家を見送った後の小屋の中。



こんなのを見つけた。マイケルの描いた漫画。彼の頭の中にはお話がいっぱい湧き出てきて、それをずっと描き続けているらしい。将来が楽しみ。



すっかりくつろいで読書を楽しむ旦那。



冷蔵庫の残り物で作ったアルモンデランチ。



お腹も膨らんだことだし、空は曇っているし、ちょっと近くの町(Saint Sauveur)に出て行くことにした。
せっかくのフレンチ文化を楽しまにゃ~!

通りを歩いていると教会を見つけた。



さらにそこではいきなりの(もちろん我々にとっては、だけど)結婚式。バージンロードを歩く直前の父と娘。おとうさんの気持ちが背中ににじむ。



帰りに通りかかったら、あらあら、熱々の二人が式を終えて出てきたところに出くわした。



結局観光客でにぎわい過ぎていて、気持ちが萎えた我々。美味しそうなパン屋さんに入ってキッシュとペイストリーを買っただけで家に戻り……、

もちろんここ、湖に直行!
気持ち良さげに泳ぐ、この湖の主ルーン。



そしてこの方も。



A子とわたしのはひ、み、つ……。

夜はサーモンキッシュと新鮮な野菜のサラダで。



かんぱぁ~い!





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嗚呼カナダ!

2010年08月17日 | 友達とわたし
まるまる四日間のご無沙汰でした。
みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいましたでしょうか?
昨日の夜中1時半に着いた旦那とわたし。もうヘトヘトのヨレヨレでベッドに潜り込みました。

さて、これからはカナダ旅行のお話です。
よう運転し、よう食べ、よう遊んでまいりました。
カナダの山の上の湖の畔の自然を満喫させてもらいました。
かいつまむのがなかなか難しいので、撮った写真を中心に、思い出をここに残しておきたいと思います。
では……はじまりはじまりぃ~。


13日の金曜日。今回の旅行は旦那とA子とわたしの三人旅行。
この日は早朝に出発するつもりだったので、A子に前日の晩からうちに泊まってもらった。
が……、やはり我々らしく時間はどんどん押してきて、気がついたら予定の7時半より1時間も遅れていて、
どこかで朝ご飯……などと悩んでいるうちに、どこで食べても美味しく無さそうな気がしてきて、家に戻った方がマシかもしれない、なんてかなり悲観的な気分になり、それでやっと決めたのがここ。



思いっきり近所のダイナーなのであった……自分達の優柔不断さにちょいと落ち込みつつ、パンケーキやらを食す。



店に入った所にあるスウィーツの数々。あまりにアメリカンなので写真に撮った。



うちから歩いても数分のとこにあるダイナー。壁からコーヒーカップが飛び出ている。だけど、旦那はここのコーヒーが不味いと文句を言う。



空は思いっきり曇り。う~ん……。

と思いきや、ほれこの通り、どんどん晴れてきた。



途中のサービスエリアの、いつも市を開いている農家のお店を覗きに行く。



ここのチップスがなかなかの美味。今回はフラックスシード入りのクラッカーと野菜チップスをドライブのお伴に買った。



いきなり後ろの席でヒゲを剃り始める旦那。



この男、後ろに座ったら最後、いろいろとうるさい。うるさいといっても、文句を言ったりするという意味ではなく、何かを出そうとビニール袋をパシャパシャしたり、ゴソゴソ動いたり、こんなふうにヒゲを剃ったり、思いっきりのくつろぎ様……今回はA子がそれに感動していた。

とにかく北へ向かってぐんぐん進む。



カナダとの国境が近づいてくると、道がまっすぐになる。



横の景色はこんな感じ。ずうっとどこまでもぺったんこ。



相変わらず独り遊びを楽しんでいる男。



やっと来た!アメリカとカナダの国境線。



ところが……、



こんな渋滞、遭うたことないし……。



アメリカ合衆国の逆さま。こんなんを撮るぐらい暇。



国境を目の前にして(というか、歩いて行ってもしれてる)完全にストップ。



近きにありて遠いカナダ。



すでにフランス語。話せる旦那とA子は、思いつく言葉遊びを楽しんでいるけれど、わたしにゃほとんどわからない。ロンリー!



さらに一時間が経過。車はまさに線の上。



とうとう入れてもらって初めての標識。なんとなぁ~くわかるけどね……。



さらに続く麦畑。



やっとやっと着いた!もう既に夜の8時。とりあえず小屋の後ろをパチリ。



我々の到着日がバケーションの最終日になるモニカとポールの家族が、こんな美味しい夕食を作って待っていてくれた。



デッキのグリルで焼いてくれたサーモンとグリーンアスパラ。お土産のワインで乾杯!



めっちゃ可愛い娘のメリンダ。縄跳びが得意。



モニカは旦那の幼馴染みのお姉さん。といっても、わたしより6才下だけど……。
彼女とポールとは、まだ彼らに子供がいなかった頃の、今から18年ぐらい前に会ったっきり。
今は超~可愛い娘のメリンダと、もの静かだけど情熱を奥に秘めた息子のマイケルとの四人家族。
思い出話や世の中の気になることや、子育てや仕事の話をいっぱいした。

そして、そろそろ子供達が寝る時間……と思いきや、メリンダとポールが外に出て、なにやらゴソゴソ準備をしている。
「さあ、流星を観よう!」
えぇ~!流星?!
真っ暗な中、懐中電灯を照らしながら桟橋まで降りて、そこで寝っころがって観た空には、天の川まで見える星の祭典が繰り広げられていた。
なんという美しさ。なんという静けさ。なんという香りの良さ。
もちろん湖の水の匂い、鬱蒼と繁る森の葉の匂いも素晴らしいのだけれど、つい最近作られた桟橋の檜の香りがすばらしい。
あ~も~今夜はここで寝るか?などと本気で思ったA子とわたし。
流れ星をたっくさん観た。長く尾をひいて消えていくのもあった。
ついつい興奮し過ぎるわたしは、暗黙の掟である『湖畔では静かに』が守れなくて、何度も旦那に叱られた。

A子は湖も小屋もとても気に入った様子。一緒に来られてよかったね。






 




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イライラな夜

2010年08月12日 | 家族とわたし
たった4日といえど、家を離れるとなると、あれやこれやと気忙しい。

そこへもってきて、離れる前に一通り家の中を片付けたかったり、あれやこれやの細かい用事を済ませておきたかったりする性分なので、これまた難儀。

今朝は早くから普段洗濯しないものまで洗い、床を掃いたり拭いたり、植物に水をやり、猫のトイレの大掃除をし、あちこちの隙間埋めまでしてしまった。

そこに、6人の生徒が来て、レッスンもし、自分の練習もいつもより余分にした。(丸4日のブランクはかなり恐い。特に暗譜をし始めているので、今までの記憶が跡形も無く消えてしまいそうで残念!)

で、これでなんとか行けそうだと思いきや、A子から電話がかかってきて、「まうみ、カーネギーのプログラムの自己紹介とかの原稿、もう出した?」と聞かれ、
え……
思いっきり忘れてたではないか!というより、〆切のお知らせメールをちゃんと読んでなかった……最悪……

『今年は各自50単語でまとめてください。それを13日の金曜日(いや~な感じの日だ)〆切で送ってください』

焦りまくって書いた。英語なので、旦那に添削してもらわにゃいけんし、ただでさえ急に頼み事をしたら機嫌が悪くなるのに、こんな旅行の直前にゴチャゴチャ言うと、かなり高い確率で嫌がられそう。
しかも、A子だってきっと直接送れないだろうから、彼女の文章と、プログラムの曲の説明(これは136単語までオッケー)と歌詞の翻訳もまとめて、ドッカ~ンとお願いしなければならない。

ということで、案の定、時間がどんどん押してきて、とうとう旦那のお眠の時間が来てしまって、おまけにMacからは送られないということで、使い慣れない旦那のWindowsから送らなければならなくて、わたしは何度となく、パソコンの画面に向かって呪の言葉を吐いてしまった。嗚呼~!!

さてと、タオルも水着も着替えも詰めた。あとは本と虫除けクリームと、それと、ええとええと、グリーンカードとパスポート!
税関で、怪しまれずにスルスルッと通してもらえますように(←なんでこんなことを願わにゃいけんのだろうか、わたしは……)

それでは行ってきま~す!(まあ、今からは寝るんだけど……)
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しばし休刊

2010年08月12日 | ひとりごと
といっても、たったの4日間。
普段から「書き過ぎ!」とのご指摘をいただいているので、こういう間はもしかしたら、読んでくださっている皆さんにとっては良いのかもしれません。

明日の早朝から、カナダに行ってまいります。
滞在するのは、モントリオールのちょいと上の方の、湖の畔にあるサマーハウスです。
旦那の両親と、両親ともに共通の友人夫婦とが共有している家で、毎年夏になると、ふたつの家族がタイミングを計りながらその家で過ごします。

そこには電話もテレビもラジオも無く、ただただカナダの涼しい夏があるだけ。
湖の主の水鳥の鳴き声が、たまに遠くから聞こえてきますが、あとはほんとに静かな湖畔です。

湖の水温はかなり低くて、毎回わたしはひぇ~ひぇ~と言いながら足をつけるかあきらめるかのどちらか。
旦那は朝早く、まだ日も上がったばかりの冷えきっている時でも、走りながら服を脱ぎ、真っ裸で湖に飛び込みます。

でも今回ばかりはヌードは無理かも。A子も同行しますから。

これから着替えと細々とした物を詰め込み、本を数冊選びます。

散歩と泳ぎと昼寝と読書。それからご飯作り。土曜日と日曜日の二日間はゆったり流れる湖時間を堪能したいと思っています。

休憩時間も含めて8時間はかかるドライブ。なので行きの金曜日と帰りの月曜日はカウントに入れていません。
今回は旦那とわたしだけじゃなくて、A子というクッションがあるので、いつもの『ドライビングファイト』が少なくなるのを期待しつつ。
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