先日、遅ればせながら『原発事故後の日本を生きるということ』小出裕章・中嶌哲演・槌田劭共著を読み終えた。
前々からずっと、心の壁にひっかかってることがある。
それは、放射能が怖いという反原発が、弱者にしわ寄せしてないか?という、小出氏と槌田氏の主張について。
マンハッタンの教会で行われた小出氏の講演を聴きに行った際に、40禁、50禁、60禁というアイディアを聞いてからずっと、
放射能で汚染された食べ物について、自分がどういう考えていて、どういう行動を取ろうとしているのか、そのことについて考えてる。
わたしの理解がもし間違うてなかったら、と祈りながら、小出氏と槌田氏、お二方の考えを抜粋したものをここに少し載せさせてもらう。
『脱原発社会への課題は、互助・共生の社会をどうつくるかである。
放射能の危険に怯えることは当たり前である。
だから、放射能をばらまくようなシステムは止めなくてはいけない。
特に、原発というものは、即全基撤廃をしなければならない。
放射能でガンが増えることを減らさなくてはいけない。
だからというて、これはイヤ、あれもイヤと、自分と自分の家族だの健康だけを考えることでいいのか。
諦める気持ちの中に社会性があることが大事。
罪のない子どもたちを守りつつ、福島の農業を支える。
文明社会を享受しつつ生きてきたことを、共に反省する。
放射能が怖い、というだけの反原発は、弱者にしわ寄せする利己主義に過ぎない、
この文明社会、この暮らしを善しとしてきたのだから、少なくとも無罪である大人はいない。
その自覚をもてるなら、このすっかり汚染されてしまった日本の社会を生きるための覚悟も伴わなければならない。
国や電力会社など『原子力ムラ』はもちろんけしからん。
けしからんけれど、それだけで済むのか、と受け止める。
自覚の問題が問われている。
子どもと妊婦を守る食卓のために、政府は汚染の現実を政府の責任で分析測定して、公表すべきである。
食べるか食べないかは当事者に決定権がある。
現実の暮らしの中で、大人の食卓と子どもの食卓を分ける。
東京電力に求めるべきことは、暫定基準を超えたものを買い取らせて捨てさせることではなく、
どのものがどれだけ汚れているかということをきちっと測定して公表するということ』
それが未来をつなぐか、つながないかを分ける大きな点』
事故が起こってからずっと、被災地のことを考えてる。
ひどい汚染に晒されながら暮らしてる人たちのことを考えてる。
考えてるだけではあかんと思て、裁判や署名や嘆願書の運動を応援したりするけど、こんなんでは全然足りんと落ち込む。
原発のことについて、小学校の頃からずっと、いろんなことも含めて、教科書や報道や宣伝で、わたしらはものすご歪んだ教育や洗脳を受けてきた。
それは、国策という言葉の分厚い蓑に隠れた、どうしようもなく倫理から外れた考え方をする人間らの悪事を、好き放題できるような環境作りのためやった。
わたしらの親は、なんも知らんと、知らされんと、原発のために必要な費用の一切合切を、電気代に組み込まれて払い続けた。
税金も然り。
あらゆる事柄に都合のええように、法律も作られていった。
便利で快適な暮らし。
その名目のもとに、日本の細やかなとこにまで気が行き届く優れた電化製品が開発され、それをどんどんコマーシャルに乗せて世間に広がってった。
物があふれる世の中になり、お金さえあったら、欲しいもんはなんでも買える。
古なったら捨て、古ならんでも欲しいもんが出たら捨てて買いして、コンセントはどこもいっぱい、それでも足らんとたこ足配線使い出した。
コンセントの向こうで、原発というものがもたらしてる社会のひずみや差別のことなんか、まるで知ろうともせんままに。
そのことの罪を問われてることに、わたしはなんの文句もない。
だからこそ、この、未来にとんでもない汚染と深刻な問題を残す原発の即時撤廃の実現のために、死ぬ直前まで声を上げ続けていこうと決めた。
けども、極力汚染された食品を食べんようにしたい。
それが、福島の農家の人たちを見捨て、脱原発と言いながら、弱者にしわ寄せする利己主義に過ぎんという態度であっても。
どうしようもない猛烈な汚染に襲われた福島の農家の人たち、漁師の人たちに、他の地や海で仕事ができるようにできんものか……。
それが、日本の第一産業を支えることに成り得へんのか。
そうつぶやいたら、旦那がこう言うた。
「ピアノ教師でさえ、車でものの5分ほどしか離れてない土地に引っ越しするのに、どれだけ悩んだん?
農業や漁業みたいに、その土地、その海を代々引き継いで大事にしてきた人らにとって、そこから他のとこに移るっていうことがどれほどダメージがあるか。
簡単に考えられへんことちゃうか」
小出流、槌田流の食べて応援。
このことについて、もっと考えていこと思う。
↓以下は、きーこさんが文字起こししてくれはった記事の転載です。
「俺らはわかってる。だから私は食べない」「自分の子供に食べさせたいと思わないでしょ?」「風評じゃない!根にも葉にもある」6/6東電・政府交渉(内容書き出し)
実は私は、ひとつ前にUPした樽川さんの記事よりも前に、こちらの農家の言葉としての方を先に聞いていました。
涙が出ました。
この方が、樽川さんだとは知らずに書き出していました。
(まうみ注・樽川さんの父親、久志さん=当時(64)=は、キャベツ栽培をしておられましたが、出荷制限の連絡を受けた翌日の2011年3月24日に自殺)
第38回全国公害被害者総行動デー [東京電力・政府合同交渉]
2013年6月6日
文字起こし部分のYoutubeはこちら↓
http://youtu.be/AhJZhRsVPmM?t=1h27m58s
文科省女子
具体的にみて農業でね、どんな問題が起きているのか、ちょっと発言します。
よーく聞いて頂戴。
私は、福島県で、専業で農業を現在も行っています。
私の住んでいる須賀川は、昨年玄米から、100ベクレルを超えるコメが、全国1番で、100ベクレルを超えてしまいました。
それで、田んぼを除染する結果になったんですけれども、
私たちは、農地の土壌が何ベクレルかも分からないで作業しているんですよ、毎日。
空間線量じゃないんですよ!
で、田んぼを除染するという事になって、
私の地区は、作業員は、その地区の農家の私も、作業員になってやったんです!仕事を。
除染の「除」っていう意味が分かってます?
深く耕して、なに、薄めるだけじゃないですか!
取り除いてないんだから、放射能だって下がるわけ無いでしょ!
田んぼ、除染しました。
空間線量測りました。
全然下がって無いですよ。
取り除いてないもの、当然でしょ。
原発が爆発した当時と、環境は、2年経っても何にも変わって無いままだ。
農業資材だって汚染されていれば、被覆資材などは使用してはダメだ、という指針が出ています。
それが、農家は、何ベクレルだなんて分からないですよ。
で、新しく買い直しして、どうしてくれんの?
農家の想いっていうのを、よーく考えてみてください。
私たちは作物を生産して、安心安全なものを自分でも食べて、消費者の方にも販売して、
そういう収穫の喜びが、今はないんです。
福島県のものは、県外のものに比べたら、本当に値段も安いですから、
それを承知しながら作って、損害賠償を貰って、農家に何の活力がありますか!?
あとひとつ言っておく事があるんですけれども、
福島県は、農作物は、出荷の前に全部検査しないと出荷できません。
今は100ベクレル以下っていう事になっていますけれども、
農家は、計測している私は分かりますよ、これが何ベクレルあるって。
放射能は、要は、100ベクレル以下だったら出荷できる訳ですから、
私は食べませんよ。
買って食べている人は、「放射能は無い」と思って買って食ってるっぺ。
どうなのよ。
俺らはわかってるんだよ。
罪の意識があるんだ、作ってたって。
自分は食わねぇけど、他人に食わせてるの。
どう思いますか?ちょっと答えて下さい。
1:32:49
ちょっと待って、関連して、今は須賀川地区のね、農業の話をしました。
もうひとつ、相馬の玉野地区という所の話をします。
それを含めて答えて下さい。
1:33:07
玉野地区っていうのは、相馬市の西部にあって、飯館地区とほとんど放射能の濃度が変わらない、高いんです。
山の中に入ると、
毎時7、10マイクロシーベルト、という土地ばっかりなんです。
除染はしています、部分的に。
だけど、
畑の作物の周囲の が、米の農家と違って、概算されないという例がいっぱいあります。
しかも、住民の状況は、そういう状況で生活していても
自主避難地域です。
生活に対する補償も不十分、精神被害に対する補償も不十分。
2重の苦しみがあります。
そういう地域が、線引きによる救済から全く漏れて、いっぱい残っているんです。
国も東電も含めて、線引きから漏れた人々がいっぱいいる。
こういう訴えは決して漏らさないできちんと把握して救済していただきたい。
それと、先程もおっしゃったけれども、
あなた自分の子どもにね、たとえば100ベクレルない食べ物であって、50ベクレルか、
あるいは簡易な検出器は、10ベクレル以下は不検出になるんです、安いやつはね。
そんな高い精度の良いやつは、なかなか揃えられない。
アルファ線もベータ線もガンマ線も、全部測れるやつなんていうのは、なかなか高くて手に入らない。
ガンマ線だけですよ、セシウム、普通は測るのは。
で、
それで測って不検出なんていうものを、消費者は本当に信じて食べるか!?
食べないんですよ。
そういっちゃなんだけど、分かっているんだから。
あなたもね、西田さんもおっしゃったあなたに聞きたい、それから文科省のあなたにも聞きたいが、
自分の子どもに、たとえば10ベクレルから、100ベクレルよりもはるかに低いんだから、
「OKだよ」って言われて、それをすすんで食べさせたいと思いますか?
食べたいと自分でも思います?
じゃあ、食べるんですか?
「私は進んで食べる」!!!
あぁ、犠牲的な精神でとてもいい。
でも子どもには食べさせないでしょ?
それが実体でしょ?
西田さんは私と同じか、ま、私と似たような歳ごろだから、
「もうしょうがないや役目だから死んでみせよう」というのがあるかもしれないが、
自分の子どもにはそれを食べさせたいと思わないでしょ?
放射能ってそういうものですよ。
須藤さんも呑気にそこに座って見せているけれど、
自分の子どもには食わせたい、そこに住ませたいとは思わないでしょ?
これがね、国家きちっとやらなきゃならない本当の問題なんです。
それをきちっとやらない。
最低基準だと国が明言しているにもかかわらず、東電はそれのデータを取らない。
それを見て聞いて知っているにもかかわらず、権限を持っている、制限令を持っている国がそれに対して一言も言わない。
こんな情けない事がどこにあるか!!
私はね、先程みなさんの人格はどこへ、という事を申し上げた。
私は同じ人間だから、みなさんの事をね、同じ思いで敬服をいたしますよ、人間として。
だけど、さっきのあやまりの話にもあったけれども、
人間としてあなた方ね、相当大きく、自分の職業として、自分の地位を守ることはそれは必要かもしれないが、
やっちゃいけない所にまで踏み込んでいるんです。
誇りは何処に行ったんだ!
放射能入りは食べさせたくない。
素直にそういう思いは、みなさん持っていると思いますよ。
あなたもそうでしょ?
小さな子どもが、まだ独身かもしれないけど、これから子どもを持ちますよ。
その子どもを、なるだけ放射能から遠ざけたいと思うでしょ?
それを、その自分の素直な思いを、国政に反映させなさい。
そんな情けない国家公務員がどこにあるか!!!
他人の命を危険にさらすんだったら、自分もその覚悟を持てよ!!!
誇りだろ、それが人間の。
ーー:壇上のみなさんで現地福島に足を運んだ人はどれだけいるんですか?
文科省:
はい、まず最初●さんからお話のありました、線引きの件ですけれども、
えー、そうですね、指針を、どうしてもある程度、この区域でという事で計画してしまうんですけれども、
もちろん、その他の方も、全て対象外という事ではございませんので、
あの、えー、中には、東京電力とそういう話をしたくないという方もいらっしゃるかもしれませんけれども、
その際にはですね、福島のADRのほうに、お電話で結構でございます。
接触の方をしていただいて、お話しの方をさせていただければと思います。
ーー:それしか言えないの?
ーー:指針を変えろ!
文科省:
はい、あのー、指針の方でございますけれども、
そちらは、検討審査会という法律の専門家や原子力の専門家の有識者が集まって、議論を頂いています。
そちらはもう、指針が出来たので終わり、という訳ではございませんで、まだ開催の方をいたしております。
先月も、福島の方に、議員の先生方が直接伺いまして、様子の方を調査と言いますか、直接見てこられています。
今後も開催を予定しておりますので、その場でですね、また最新の状況を踏まえた議論がされると、そういうふうに考えております。
ーー:ちょっと確かめるけれども、指針もツイホも今言ったように本当に不十分と。
いま委員会は開催していないし、「委員の人達は現地に足を運んで、もう一度被害の実態を確認してこれから検討する」そういうこと?
文科省:
はい、さようでございます。
経産省:
福島県の農業の被害の実態につきましては、我々も、できる限り早期の回復を図りたいというふうに考えてございまして、
これは文部科学省の方もですね、この前の中間指針第3次随行という事で、これは福島県には限りませんけれども、食品の安全基準が見直された。
これはもともと500ベクレル/kgだったものが、より安全率を見込んでですね、100ベクレル/kgに、より安全な方に下げたという形でございます。
ただ、一方で、これを下げることによってですね、出荷制限がかかる地域が出てまいりますので、
そうした新しい損害に対しましても、きちんとですね、賠償していかなければいけない。
という事で、先日、中間指針の第3次随行という形で、賠償対象の追加をさせていただいているところでございます。
今後ともですね、きちんと皆様方の被害の実態をみさせた上でですね、実質の賠償をやって行くというのが、基本的な国のスタンスでございます。
それから、先程、福島県内の農業の損害でございますが、これは、福島県内の農家につきましては、出荷制限が出ている地域はもちろん、
風評被害についてもですね、これは全員において賠償の対象となっているところでございますので、
たとえば、最初に収穫されたものがですね、100ベクレル/kg未満のところであって、問題が無くてもですね、
これ、たとえば、風評によって実際に損害をこうむっていれば、これ当然のことながら、賠償の対象とさせていただくという事で、
これはきちっとやらせていただきたい、というふうに考えてございます。
それから、福島の風評につきまして、国としましては、
安全基準というものは、単にその安全性を重視して決められたものでございますので、
国としましては、
「危険性をこれだけ避ける」というよりは、やはり「安全なものは安全である」というこういう観点から、
風評を解消していくという事が重要だ、というふうに考えてございます。
ーー:あまい!
経産省:
ご指摘の通りでございます。
なかなか世間一般の受け取られ方としてですね、なかなかそうなっていないというのが実情でございまして、
そうなっていないという方には、賠償で対応していくという形でございます。
先ほど、「福島の物を食べれるのか?」というご指摘を頂きました。
これは、福島県の方ではたとえば、ま、経産省の方にですね、実は福島県産のお米の持ちこみ販売がございまして、
そういったものについてもわたくしはですね、これは個人的な話でございますけれども、買って家族と一緒に食べたりしているところです。
ま、
こういった形で、福島県の農家の方々の風評が少しでも解決すればですね、これはやはり、そういった形に持って行けると思っていますんで。
我々としてはそういった、やはり安全なものは安全、本当に危険なものは危険なものとしてですね、きちんと対応しなきゃいけませんが、
安全なものは安全という形でですね、これは風評の解消に努めるという事に、こちらとしても努力してまいりたいと思います。
これは単に、賠償だけの問題じゃなくて、労働政策の観点からですね、そうした風評の解消というのは、
これはまた、農水省の方でございますけれども、彼らもきちんとのところでございますので、えー、
やはり国としましては、何回も申し上げますけれども、そうした風評解消に努力するという形でですね、
えー、福島県のみなさんの活動をですね、サポートしていきたいと思います。
いまのことについていいですか?
「風評」「風評」って言うけどね、風評じゃないんですよ。
いいですか!
風評っていうのは「根も葉もない」ことなんです。
根にも葉にもあるの!
わかる?
農家は農地を汚染されて、何1000ベクレルって……。
私測っています。
全部あるんです。
それ持っていってくれよ!そういうなら。
「風評被害」って言うんだったら。
全部持ってってくれ!
儲かっていないから言うんじゃないんだよ。
分かるよね、いつも言ってるよね須藤さん。
そういうものなの、それを賠償されてるって言ってるでしょ?
賠償されないのは何だ?って、西田さんになんか言ってみればいいじゃないですか。
されないんですよ。
売れないものがいっぱいあるんです。
指導してますか?
須藤さん指導してよ、ちゃんとやってよ。
指導してないんでしょ。
そういうものです。
1:44:46
「原発事故による死者はいない」と言わせないため申し立てをしました
6/6樽川さんと謝罪しない東電(文字起こし)
動画ノーカットはこちらにあります↑
↑以上、転載おわり