シュウジデイファーム在厩のキングエルメスは、引き続き、おもにBTCの直線ウッドチップ馬場や屋内坂路でハロン14~22秒ペースのキャンター1~2本を乗り込まれています。
◇石川代表のコメント 「ダートでは骨に刺激を与え、坂路では2F15-15前後を馬なりで。適度に緩急をつけたメニューを順調に消化できています。本馬に限らず、できるだけ乗りやすい馬を作っていくことが我々の仕事だと思っていますので、この時期は特にその点にも配慮しながら進めさせてもらっています」
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調教メニューに関しては、アシタカと全く同じペースで進んでいるようです。こちらもアシタカ同様に、「適度に緩急をつけたメニューを順調に消化できている」とのことなので、現時点では全く心配事はありません。
その上で、「できるだけ乗りやすい馬を作っていく」ことに関してはどうですかね。いや、石川代表は「本馬に限らず」の話と仰っていますが、今までの傾向から考えると、アシタカよりはこちらの方が『扱いにくい馬』になる可能性は高そうですからね。最終的には、その手の話は程度問題なわけですが、せっかくシュウジデイの皆さんが気を遣ってくれているとすれば、キングエルメスにはできるだけ「乗りやすい馬」に育って欲しいと思います。
でもなぁ、もうだいぶ前のこととは言え、『ステラの仔が扱いやすいはずがない』みたいな事を、木村さんは自信満々に教えてくれちゃったりしたからなぁ(^^;)
シュウジデイファーム在厩のアシタカは、おもにBTCの直線ウッドチップ馬場や屋内坂路でハロン14~22秒ペースのキャンター1~2本を乗り込まれています。
◇石川代表のコメント 「まだタイム云々よりも下地を作っていく時期ですが、あまり軽めだけでもダメですからね。適度な負荷を与えていくことも重要ですので、ダートではじっくりと骨に刺激を、速めをやる時は脚元にやさしい坂路や直線のウッドチップコースで乗り進めています。順調です」
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『まだ下地作りの時期』とは言え、坂路調教では14秒程度まで速くなることもあるようです。前回近況では『15~22秒ペースのキャンター』まででしたから、微妙ながらも少しずつ負荷を高めているのでしょう。
全体としては、様々なコースで長めを乗ったり速めをやったり、様々なバリエーションを取り入れての調教が続いています。もちろん単純に負荷をかければ良いというものではなく、馬ごとの成長度や気性面も含めた個性、調教師の育成方針を充分に考慮して進めていく必要がありますし、当然ながら思った通りに動いてくれない馬もいますからね。
うーむ。。そう考えると競走馬の育成も楽な仕事ではないですなぁ…(当たり前ですけど(^^ゞ)
まあ、結局は石川代表の最後のひと言、「順調です」がアシタカの現状を表しているのだと思います。血統、馬体(馬格)、気性の全てにおいて高い素質を感じさせる馬だけに、この時季は順調であることが何より大事です。アシタカに関しては、その順調さが今までずっと継続しているわけで、そりゃあ期待も膨らんでしまうというものです!
坂東牧場在厩のハキは、現在は、日に2時間のパドック放牧と10分ほどの引き運動で管理されています。
◇荒木マネージャーのコメント 「引き運動の時間を延ばし、午前中の放牧もスタート。その後も歩様に異常は見られず、いっそう馬に元気が戻ってきたように思います。今月に入ってからはもう積雪がなく、歩きやすいコンディションになっているのも好都合です」
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引き運動が5分から10分に、そして2時間のパドック放牧も始まりました。ジッとしている時間が長いとストレスも溜まりやすく、馬房内で良くない動きをしてしまうリスクもありますから、パドック放牧でノンビリできるようになったのは、これまでと大きな違いという気がします。
幸い歩様に異常はないようですし、ハキ自身に元気が戻ってきたというのも好材料。このまま順調に回復が進み、後遺症などが全くない『完治』に至って欲しいと思います。
まだ騎乗者が乗るまでには時間が必要でしょうが、少なくともここまでは、寛骨臼骨折からの回復期間として最短パターンで来ています。もちろん焦りは禁物ながら、これから段々と暖かくなってくる気候も味方につけて、一層の成長促進と本格的に身体を動かす準備が進んで欲しいと思います。
大井・高野毅厩舎在厩のプライムラインは、26日に調教試験に合格しています。
◇高野毅調教師のコメント 「少しずつ体を引き締め、何とか26日の試験に臨むことができました。能力で合格をもらえたとは言え、まだ3割ぐらいのデキですからね。いくら何でも7割ぐらいまで仕上げてからレースに向かいたいものですから、出走までもう少しお時間をいただきたいと思います。4月26日からの開催を目標にさらに進めていきたいと思います」
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プライムラインが大井の調教能力試験に合格したとのことです。
調べてみたところ、1200mのタイムが1分18秒5なので、お世辞にも褒められた時計ではないですが、高野毅先生によれば「まだ3割ぐらいのデキ」だったようですからね。あくまで合格をもらう事が目標だったと考えれば、まあ、ひとつのマイルストーンをクリアできて良かったと思います。
このまま順調であれば、4月26日からの開催で大井デビューとのことなので、それまでの間に、少しでも7割程度のデキに近づくよう頑張って欲しいと思います。
果たして中央再登録、再ファンドへの道が拓けるのかどうか、その手応えを確かめるレースまであと一ヶ月ほど…。昨年8月以降、レースをしていないので不安もありますが、何とか乗り越えてもらいたいところです。
【2020/8/17 盛岡 エメラルド賞でのプライムライン:公式HPより】
美浦トレセン在厩のクレッシェンドラヴは、24日、内田博幸騎手を背に一週前追い切りを行いました。
- 21.03.24 内田博 美南W稍 5F 66.2-52.0-37.9-12.7(7) 馬ナリ余力
スズノアリュール(古馬2勝)一杯の内1.0秒追走同入
- 21.03.21 助 手 美南坂重 1回 56.8-42.2-27.2-13.5 馬ナリ余力
- 21.03.17 助 手 美南W良 5F 66.6-51.5-37.9-12.7(9) 馬ナリ余力
グルアーブ(古馬2勝)馬ナリの外1.0秒追走同入
◇林調教師のコメント 「3頭併せの内からでしたが、楽な手応えで動きも良かったです。年齢的にフィジカル面の上積みはもう見込めないのかもしれませんが、以前は前運動から1頭で乗って追い切りを行っていたのに対して、今は併せて番手で我慢させる調教もしており、内田博騎手にも『随分と我慢できるようになってきた』と言ってもらえました。前進気勢がある中で我慢をさせる分、同じスピードでも負荷が高くなっているのかもしれませんが、トレーニングの効果が出始め、メンタル面で成長を見せてくれているように感じます。大阪杯のメンバーは強そうですが、今後もメンタル面の強化など、より精度を追求し、改善できるところは改善しながらマイナーチェンジを行い、一歩一歩前進できればと考えます。今回はいつも以上に若々しさを感じさせる様子。今週レースに使ってもいいくらいにまで仕上がってきています」
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大阪杯の一週前追い切りは、コンビ復活の内田騎手を背に美浦ウッドを66.2秒。林先生も内田騎手も満足のいく動きだったようですし、仕上げに関しては万全といったところでしょう。(「今週レースに使ってもいいくらい」というのは、林先生にしては珍しい表現ですが、まさか「本当は今週の日経賞を使いたかった」という気持ちがポロッと出ちゃったわけじゃないですよね(^^;))
それにしても、7歳にして(フィジカル面の上積みはもう見込めないと言いながら)調教に課題を持って取り組み、一歩ずつ前進、成長していこうとする姿勢は素晴らしいですよね。「今回はいつも以上に若々しさを感じさせる」とのコメントからは、過去最高のデキとも言われた昨年のJC、有馬を超える雰囲気を感じますし、強い馬が相手であっても臆することなく挑んでいけそうで良かったです。
ということで、改めて登録馬の顔触れを眺めてみると、やはり中心は、昨年の牡馬クラシック3冠を無敗で制したコントレイルでしょう。それに続くのは、コントレイルつぶしの為に(?)ノーザンファームが送り込んだグランアレグリアとサリオスという構図ですが、この2頭はどちらかというと適性がマイル寄りと言われていますので(グランアレグリアはマイルまでしか経験なし)、2000m戦でコントレイルを負かすのは簡単ではないかもしれません。
もちろん、サリオスはコントレイルと真っ向勝負に行った皐月賞での惜しい2着がありますし、グランアレグリアも、アーモンドアイとの力関係を考えると(距離に関係なく)ムチャクチャ強い可能性がありますから、要するに、人気上位3頭が頭一つ抜け出したメンバー構成なのだと思います。
逆に言えば、人気先行が想定される無敗馬レイパパレ以下は、意外に混戦模様かもしれず…。クレッシェンドラヴも出る以上は勝利をめざしたいですが、もしもそれが言い過ぎだとするならば、せめて掲示板内での勝負に参加をしたいところです。でも、やはり一発の夢は捨てきれないかもなぁ…です(^^ゞ
**2021/4/4阪神11R 大阪杯(G1/芝2000m)登録馬**
【美浦トレセン在厩のクレッシェンドラヴ:公式HP(2021/3/19更新分)より】
美浦トレセン在厩のカナロアガールは、先週末よりピッチを上げて乗り込まれています。
- 21.03.25 助 手 美南W良 5F 67.4-52.4-38.8-13.5(8) 馬ナリ余力
アルマセクメト(三未勝)一杯の外0.2秒先着
- 21.03.20 江田勇 美南坂良 2回 54.8-40.2-26.0-12.9 馬ナリ余力
◇田村調教師のコメント 「年齢を重ねていくなかでキレというよりは、走りがワンペースになってきている感じでしょうか。芝のレースはメンバーが揃いがちですし、夏に向かって芝の番組が増えてくる前、このタイミングで一度ダート適性を見てみたいところです。これからの良化具合などにもよりますが、ひとつ4月11日新潟7R 1勝クラス・牝(ダ1800m)を目標に調整を進めてみようかと思っています」
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3/20に坂路で54秒台、25日はウッドで67.4秒とペースを上げて乗り込まれていますね。さすがに今週の出走はありませんでしたが、新潟の開幕週には充分に間に合ってくれると思います。
その次走については、帰厩時に田村先生が「(新潟開催が始まると)メンバー弱化が予想される」と仰っていたダート戦、4/11新潟7R(牝馬限定・ダート1800m)ということになりました。
まあ、カナロアガールは元々1勝クラスをいつ卒業してもおかしくない実力の持ち主ですし、余程ダートが合わないケース以外は好勝負をしてくれると思いますが、それでも5歳にしての初ダートは半信半疑な部分もあります。本来、カナロア産駒の初ダートは狙い目の条件なので、期待をしたいのは確かですけれど…。
と、私がアレコレ心配をしても仕方がないですから、とりあえず、今回のダート挑戦がばっちりハマってくれることを祈りたいと思います。ひょっとしたらカナロアガールがダートの鬼で、ここからポンポンと…みたいな展開がないとも言い切れないのが競馬の面白さですからね(^^ゞ
ラヴマイウェイは、25日に美浦トレセンに帰厩しています。
◇林調教師のコメント 「熱を上げることもなく無事に到着しました。たまに一日経ってから反動が出るケースもありますので、26日は引き運動のみに留め、問題がなければ土曜日から乗り出す予定で考えています」
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電撃的に24日にシュウジデイファームを出発したラヴマイウェイが、無事に美浦トレセンに到着したとのことです。前回(9月末)もシュウジデイファーム→美浦トレセンの移動は普通にクリアしていましたので、林先生としても『ここまでは想定通り』といったところでしょうか。
その前回は、トレセンでのゲート練習が気に入らなかったのか、それとも馬がたくさんいてザワザワしている環境が嫌いなのか、結局、10/15のゲート試験合格後、テンションがおかしくなって10/22には放牧に出されました。その後、テンコートレセンでは騎乗者を気にして調教に身が入らなくなり、今年1月の『まさかの登坂拒否事件』に繋がっていくわけですが、果たして今回はどうなっていくのでしょうか…。
林先生は「比較的早めにレースに使ってあげる方向で」と仰っていますので、上手くいけば4/10、11または4/17、18のどこかでデビューということになるかもしれません。ただ、さすがに(ゲート確認も含めて)調教を全然やらないわけにはいかないですから、全ては土曜日以降の感触次第になりますね。
もしも今回も上手くいかないようだと、『本当に競走馬としてやっていけるの?』みたいな心配が出てくるかもしれず…。意外にスンナリ上手くいってしまうかも…と思う反面、悪いパターンの想像も簡単に出来てしまいますので、まずはここからの一週間、トレセン生活の出だしを何とか無難にと祈るのみです。
栗東トレセン在厩のカイザーノヴァは、その後も術後の経過に問題は見受けられません。
◇岡助手のコメント 「体温や腹部の調子にも問題はなく、ひとまず経過は良好です。当初は術後10日での退院を考えていましたが、念には念を入れて14日前後での退院で調整中。今のところ来週半ばから週末にかけてとなりそうです。その後は三重ホーストレーニングセンターへ放牧に出し、動かせるようになった段階よりチャンピオンヒルズに移動させる流れをイメージしています」
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術後の経過に問題がないこと、退院と放牧のタイミング、静養先と外厩の使い分け方針など、大変簡潔でわかりやすい説明なので助かります。あくまで予定・想定なので、変更になることもあるでしょうが、いつ頃どこにいるかがイメージできると余計な心配をしなくて済みますからね。
それはさて置き、回復が順調に進み、7月頃にチャンピオンヒルズに移動できれば秋競馬に間に合う感じでしょうか。一応、年内復帰なら御の字と考えてはいるものの、早めに戻ってこれるならそれに越したことはないですから(^^ゞ
3歳春の世代限定重賞チャレンジはバスラットレオンにお任せすることになりましたが、秋になったらまた2頭揃って盛り上げてくれると嬉しいです。。あ、その頃にはバスラットレオンが突き抜けていて、だいぶ背中が遠くなっているかもしれませんけれど。(当然ながら、そうなることを願っています(^^))
【2021//2/14東京11R 共同通信杯(G3)でのカイザーノヴァ:公式HPより】
◇四位調教師のコメント 「飼葉喰いは落ちていませんし、運動しているところを見ていても特に疲れや反動は感じられません。機嫌良さそうにグイグイと自分から一生懸命歩いているあたりは、やっぱり可愛い子ですよね。今後も週毎の想定で出馬状況なども探りつつ、出走機会を窺っていければと思います。飼葉をたくさん食べて、それが少しでも実になってくれれば。もう少しパワーを付けたいところです」
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レース後も疲れを見せずに過ごしてくれているようです。もともと小柄な馬だけに、レース後にガタッとくると面倒ですが、そういうところがないのは助かりますね。
そして、(転厩をしたお陰で)引き続き在厩のまま出走機会を探っていけるのはありがたい限り。ある程度間隔をあける必要はあるでしょうが、馬体が回復し、調子が上がってきたタイミングで出走できればなお良しです。次走は8着以内に入ることが最低限の目標になりますので、それまでに、思い切って勝負できる態勢を整えておきたいところです。
2021/3/20阪神3R 3歳未勝利(ダ1400m)でのリナーシェ:公式HPより】
栗東トレセン在厩のヴィジャーヤは、引き続き騎乗を控えて治療にあたっています。
◇池江調教師のコメント 「フレグモーネによる症状があとを引いており、回復具合が思わしくないことから、まだ曳き運動しかできない日々が続いています。調教を休止して日数が経過していることですし、ここは機を見て吉澤ステーブルWESTへ放牧に出し、まずはしっかりと治療に専念したほうが良さそうです」
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フレグモーネで20日のデビュー戦が見送りになったあと、『症状はどうなのかなぁ』と心配をしていましたが、あまり回復具合が思わしくないとのことで、吉澤ステーブルWESTに放牧に出て治療に専念することになりました。結果的に在厩のまま調教を再開できなかったことは残念ですし、『まずは治療に専念』という表現になっていることから、おそらくは、完治後に一から出直しのイメージになりそうです。
まあ、なってしまったものは残念がっても仕方がありませんから、まずは完全に脚を治すこと、その上で、勝ち上がりに向けてしっかり立て直して頂ければ…。そうですねぇ、トレセンに戻ってくるのは早くて4月末、順調にいって5月デビューぐらいの感覚で待っていようと思います。