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となり町戦争

2006-02-09 17:09:54 | ノンジャンル
 三崎亜記さんの「となり町戦争」、読みました。行政によってしくまれた政策の一環としての目に見えない戦争に、自分も組み込まれて行くというストーリー。
 広報に載る戦死者の数によって戦争の存在を知り、やがて偵察隊として(といっても一日の終りにその日に見たり聞いたりしたものをレポートに書くというだけのものなのですが)戦争に参加し、次は敵情視察として市職員の女性と偽装結婚してとなり町に住み、最後は敵の査察を受けてそこを命からがら脱出し、段ボールにつめられた死者に接することにより本当に戦争が行われていることを身近に知ると言う内容。偽装結婚した市職員の女性は任務をして週一回セックスをしにきてくれるのですが、彼には彼女がまぶしい存在になっていったりして、恋愛小説としても読めるようになっています。
 町が一般の政策の一つとして戦争をする、という異常な設定も、実は国家単位で考えれば、そんなに絵空事でもないのかもしれません。そんなことも考えさせられたクールな小説でした。