gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

山椒太夫

2006-02-18 20:12:21 | ノンジャンル
 溝口健二監督の「山椒太夫」を見ました。安寿が入水する聖なるシーン。静々と池に歩んでゆき、次のシーンでは池に波紋が広がっているというこのシーンは、演じるのが私の好きな香川京子なだけに、印象的なシーンでした。
 また、何といってもすごいのはラストシーン。目の見えなくなった母・田中絹代に厨子王がすがりついて「お母さま。厨子王でございます」と泣き叫ぶのですが、田中絹代は「性悪め、また人をなぶりに来たのだな」と冷たく言い放ち、「あっちへ行け。いつまでもお前たちの笑い物にはならぬ」と立ち上がって家へ足を引きずって(これは若い頃に逃げ出した時に捕まって足の腱を切られてしまったから)いくのですが、杖をつき背をまるめて歩く後ろ姿が鬼気迫るものがあって、忘れられぬシーンとなっています。
 これ以外にも忘れがたいシーンがたくさんあり、このような映画を撮る監督は、やはり「Favorite Movie」の監督の一人に加えるべきなのかもしれません。