このところの福田首相は頑張ってると思います。クラスター爆弾の禁止条約にも強い意思で反対派を押さえて参加させましたし、アフリカへの50億円の食糧援助も決定させました。マスコミは冷淡な反応しか示していませんが、もっと評価してあげていいと思います。私は陰ながら福田首相を応援しています。
さて、「神の守り人(上)来訪編」の続きです。
アスラとバルサは、父ファシルを裏切り、神を降臨させることにより平等な国作りを目指すファシルの娘のシハナの罠にはまり、アスラは連れ去られ、バルサは高い橋から冷たい川へ落ちて瀕死の重傷を負います。森の猟師に助けられたバルサは、ファシルとタンダとチキサと再会します。彼らは何としても血に飢えた神を降臨させないように、アスラの後を追います。そしてロタ王国の建国の儀式が行なわれます。全国から各氏族長や南部の大領主たちが集まるもので、シナハはここで神を降臨させ、豊かな大領主たちを皆殺しにし、それまで虐げられてきたタルの民の復権を目指します。シナハの思惑通り、アスラは神を降臨させますが、彼女は神に人を殺させてはいけない、という心の一部からの声と戦い、そしてついには‥‥。
後半はシハナの陰謀によって、人間関係がまったく前半とは異なり、バルサたちとファシルは仲間になって残虐な神を封印しようとします。そしてバルサは個人的に神を招く役を背負った少女に同情し、彼女に人殺しをさせないためにも、神を封印しようとします。それに対して、ファシルの娘のシハナは、人殺しをしてでも正義を世に広めたいという一種の革命家ですが、その非情さに、彼女の考える正義に対する疑問が読む者に湧いて来ます。そしてアスラの母が以前ロタ王国の王の弟イーハンの恋人だったことも分かり、話は二転三転して、建国の儀式のクライマックスへと向かっていくのです。
少女アスラが神を降臨させ牢城の人々を虐殺させるところから始まり、常に神の降臨を望むもの、望まないものという分かりやすい図式の中で話が進んで行くので、かなり複雑でしかも様々な挿話があるにも関わらず読みやすい小説でした。
また、虐げられる民、豊かさにあぐらをかく民の対比が描かれ、国全体の問題がストーリーに深い影を落としている点でも、優れた小説だと思いました。
上橋菜穂子さんの作品の中でもかなり上位にランクされる小説だと思います。文句無しにオススメです。
さて、「神の守り人(上)来訪編」の続きです。
アスラとバルサは、父ファシルを裏切り、神を降臨させることにより平等な国作りを目指すファシルの娘のシハナの罠にはまり、アスラは連れ去られ、バルサは高い橋から冷たい川へ落ちて瀕死の重傷を負います。森の猟師に助けられたバルサは、ファシルとタンダとチキサと再会します。彼らは何としても血に飢えた神を降臨させないように、アスラの後を追います。そしてロタ王国の建国の儀式が行なわれます。全国から各氏族長や南部の大領主たちが集まるもので、シナハはここで神を降臨させ、豊かな大領主たちを皆殺しにし、それまで虐げられてきたタルの民の復権を目指します。シナハの思惑通り、アスラは神を降臨させますが、彼女は神に人を殺させてはいけない、という心の一部からの声と戦い、そしてついには‥‥。
後半はシハナの陰謀によって、人間関係がまったく前半とは異なり、バルサたちとファシルは仲間になって残虐な神を封印しようとします。そしてバルサは個人的に神を招く役を背負った少女に同情し、彼女に人殺しをさせないためにも、神を封印しようとします。それに対して、ファシルの娘のシハナは、人殺しをしてでも正義を世に広めたいという一種の革命家ですが、その非情さに、彼女の考える正義に対する疑問が読む者に湧いて来ます。そしてアスラの母が以前ロタ王国の王の弟イーハンの恋人だったことも分かり、話は二転三転して、建国の儀式のクライマックスへと向かっていくのです。
少女アスラが神を降臨させ牢城の人々を虐殺させるところから始まり、常に神の降臨を望むもの、望まないものという分かりやすい図式の中で話が進んで行くので、かなり複雑でしかも様々な挿話があるにも関わらず読みやすい小説でした。
また、虐げられる民、豊かさにあぐらをかく民の対比が描かれ、国全体の問題がストーリーに深い影を落としている点でも、優れた小説だと思いました。
上橋菜穂子さんの作品の中でもかなり上位にランクされる小説だと思います。文句無しにオススメです。