WOWOWで、マルジャン・サトラビ、ヴァンサン・パロノー監督の'07年作品「ペルセポリス」を見ました。イラン革命時に育った女性の人生をアニメ化した映画です。
「パリ オルリー空港」の字幕。テヘラン行きの飛行機を待つ若い女性・マルジ。「テヘラン 1978年」の字幕。反王制のデモ隊とそれを見て喜ぶ家族。父は現体制がイギリスの傀儡政権であると幼いマルジに説明します。政治犯として捕まっていた知人が釈放され、拷問の様子を語ります。父親が秘密警察だった子を虐めるマルジたち。国王は亡命し、父の兄のアヌーシャが釈放され、プロレタリア革命を語ります。しかし新政権にまた逮捕され、マルジは面会に行きますが、それが最後の会話となります。イラン・イラク戦争が勃発し、反政府勢力が一掃されます。「テヘラン 1982年」の字幕。アバやビージーズに夢中のマルジたち。女性蔑視の風潮に反発する母。空襲、そして戦場で次々に死ぬ兵士。学校では志願兵を募り、兵士が酒の捜索に家に押しかけます。叔父が心臓発作で倒れ、イギリスで手術しないと助からないため、父がパスポートの偽装屋に頼みますが、官憲の手が伸びて偽装屋は国外逃亡し、叔父は死にます。新政権で政治犯がいなくなったと言う教師に反論したマルジは学校から目をつけられ、ウィーンに留学することになります。ウィーンでは豊富な物資に驚き、はみだし者たちのグループに入りますが、西洋の価値観についていけません。「ウィーン 1986年」の字幕。マルジは成長して大人となり、初めに好きになった人はゲイと分かりますが、すぐに本当の恋人ができます。しかし浮気の現場を見てしまい、ムカムカして大家ともケンカし、家を飛び出してホームレスとなってしまい、路上で倒れているところを病院にかつぎこまれ、イランに帰ることになります。父は戦争終結前に政治犯の大半が処刑されたことを語ります。マルジは精神科医に薬を処方されて、かえって精神的に不安定になり、自殺未遂を起こしますが、その後立ち直り、大学に入ります。「テヘラン 1992年」の字幕。大学では革命防衛隊の服装規定に反論して、祖母に誉められますが、恋人と手をつないでいるところを防衛隊に見つかり罰金刑となり、窮余の策として結婚します。「1年後」の字幕。夫との仲は冷えきり、友人の死をきっかけに離婚に踏み切ります。マルジはフランスに移住することになり、旅立ってまもなくして、最愛の祖母が亡くなるのでした。
影絵のようになる部分は幻想的で魅力的でしたが、やはり原作の素晴らしさは超えられませんでした。また、先日読んだ奥圭三さんの「例えばイランという国」の内容とも矛盾する部分が多く、その点も気になりました。イランの意外な一面を知りたい方にはオススメです。
「パリ オルリー空港」の字幕。テヘラン行きの飛行機を待つ若い女性・マルジ。「テヘラン 1978年」の字幕。反王制のデモ隊とそれを見て喜ぶ家族。父は現体制がイギリスの傀儡政権であると幼いマルジに説明します。政治犯として捕まっていた知人が釈放され、拷問の様子を語ります。父親が秘密警察だった子を虐めるマルジたち。国王は亡命し、父の兄のアヌーシャが釈放され、プロレタリア革命を語ります。しかし新政権にまた逮捕され、マルジは面会に行きますが、それが最後の会話となります。イラン・イラク戦争が勃発し、反政府勢力が一掃されます。「テヘラン 1982年」の字幕。アバやビージーズに夢中のマルジたち。女性蔑視の風潮に反発する母。空襲、そして戦場で次々に死ぬ兵士。学校では志願兵を募り、兵士が酒の捜索に家に押しかけます。叔父が心臓発作で倒れ、イギリスで手術しないと助からないため、父がパスポートの偽装屋に頼みますが、官憲の手が伸びて偽装屋は国外逃亡し、叔父は死にます。新政権で政治犯がいなくなったと言う教師に反論したマルジは学校から目をつけられ、ウィーンに留学することになります。ウィーンでは豊富な物資に驚き、はみだし者たちのグループに入りますが、西洋の価値観についていけません。「ウィーン 1986年」の字幕。マルジは成長して大人となり、初めに好きになった人はゲイと分かりますが、すぐに本当の恋人ができます。しかし浮気の現場を見てしまい、ムカムカして大家ともケンカし、家を飛び出してホームレスとなってしまい、路上で倒れているところを病院にかつぎこまれ、イランに帰ることになります。父は戦争終結前に政治犯の大半が処刑されたことを語ります。マルジは精神科医に薬を処方されて、かえって精神的に不安定になり、自殺未遂を起こしますが、その後立ち直り、大学に入ります。「テヘラン 1992年」の字幕。大学では革命防衛隊の服装規定に反論して、祖母に誉められますが、恋人と手をつないでいるところを防衛隊に見つかり罰金刑となり、窮余の策として結婚します。「1年後」の字幕。夫との仲は冷えきり、友人の死をきっかけに離婚に踏み切ります。マルジはフランスに移住することになり、旅立ってまもなくして、最愛の祖母が亡くなるのでした。
影絵のようになる部分は幻想的で魅力的でしたが、やはり原作の素晴らしさは超えられませんでした。また、先日読んだ奥圭三さんの「例えばイランという国」の内容とも矛盾する部分が多く、その点も気になりました。イランの意外な一面を知りたい方にはオススメです。