水野敬也『夢をかなえるゾウ』

　朝日新聞の特集記事「2008年 感動と発見の一冊」で推薦されていた、水野敬也さんの'07年作品「夢をかなえるゾウ」を読みました。
　若いサラリーマンの僕はある日パーティで会ったセレブたちと自分との格差に愕然とし、自宅で酔っ払って、インドで買ったゾウの神様ガネーシャの像に向かって「変わりたい」と願います。すると翌日ガネーシャは実体化し、本当に変わって成功したいのなら、これから自分が毎日出す課題を実行するように言います。そうして出された課題とは、「靴をみがく」「コンビニでお釣りを募金する」「食事を腹八分におさえる」「人が欲しがっているものを先取りする」「会った人を笑わせる」「トイレ掃除をする」「まっすぐ帰宅する」「その日頑張れた自分をホメる」「一日何かをやめてみる」「決めたことを続けるための環境をつくる」「毎朝、全身鏡を見て身なりを整える」「自分が一番得意なことを人に聞く」「自分の苦手なことを人に聞く」「夢を楽しく想像する」「運が良いと口に出して言う」「ただで何かもらう」「明日の準備をする」「身近にいる一番大事な人を喜ばせる」「誰か一人のいいところを見つけてホメる」「人の長所を盗む」「求人情報誌を見る」「お参りに行く」「人気店に入り、人気の理由を観察する」「プレゼントをして驚かせる」「やらずに後悔していることを今日から始める」「サービスとして夢を語る」「人の成功をサポートする」「応募する」「毎日感謝する」。ガネーシャは去りますが、僕はこれらを実行して一流の建築家として成功するのでした。
　関西弁を話し、わがままで大食漢ですがなぜか憎めないガネーシャのキャラクターが魅力的です。話をするのに必ず偉人の話をし、男性なら「～くん」、女性なら「～ちゃん」と呼ぶのも楽しめました。出世したい人に向けて書かれた本ですが、私のようにそうしたことに無関心な人間でも面白く読めると思います。暇な時間をつぶしたい方にはオススメです。