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マーティン・スコセッシ監督『私のイタリア旅行』

2009-06-22 17:24:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんが「何が映画を走らせるのか」の中で絶賛していた、マーティン・スコセッシ監督の'99年作品「私のイタリア旅行」をDVDで見ました。スコセッシ監督が影響を受けたイタリア映画の実際の画面を見せながら解説した4時間を超える(おそらくテレビ)作品です。
 ロッセリーニの「戦火のかなた」での死体が川を流れて行くシーン。スコセッシ監督が現れ、テレビで映画を見始めたこと、父と映画を見に行ったこと、家族の説明をします。ロッセリーニの「無防備都市」で世界が一気に広がったという話。史劇「1860年」、「戦火のかなた」、ロイ・ロジャーズの西部劇を幼い頃に見たこと、史劇「ファビオラ」「鉄の王冠」でローマ帝国への興味を掻き立てられたこと、無声映画の「カビリア」、ヴィスコンティの「揺れる大地」、デ・シーカの「自転車泥棒」を見たことの衝撃が語られます。そしてここからは監督別に。先ずロッセリーニ。「海中の幻想」「白い船」「無防備都市」戦火のかなた」「ドイツ零年」「奇蹟」について詳しく語られ、一部終了。引き続き「ストロンボリ」「神の道化師 フランチェスコ」「ヨーロッパ一九五一年」。次いでヴィットリオ・デ・シーカ。俳優時代の説明から「靴みがき」「自転車泥棒」「ウンベルトD」について詳しく語られ、二部終了。引き続き「ナポリの黄金」について語られ、3人目はルキノ・ヴィスコンティ。貴族の出ながら左翼であり続けたとの説明の後、助監督としてついたルノワール監督の「どん底」、そして監督作品「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「栄光の日々」「揺れる大地」「夏の嵐」。最後にフェデリコ・フェリーニ。「青春群像」で三部終了。引き続き「甘い生活」。この後は作品別にロッセリーニの「イタリア旅行」、それを評価したヌーヴェル・ヴァーグへの言及、アントニオーニの「情事」「太陽はひとりぼっち」、フェリーニの「8 1/2」で終わります。
 ロッセリーニに一番時間を割いてくれているのがうれしく思いました。また「無防備都市」「戦火のかなた」「神の道化師 フランチェスコ」「ウンベルトD」は皆再見ながら胸を熱くしました。大学時代に酒の勢いに任せて「映画史にはロッセリーニ一人いればいい」と豪語し、今は映画の脚本家となっている高橋洋くんに笑われたことを思い出したりもしました。やはりネオ・レアリスムは永遠です。
 ということで、映画好きな方には文句無しにオススメです。