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西加奈子『ミッキーたくまし』

2009-08-17 15:33:00 | ノンジャンル
 西加奈子さんの'09年作品「ミッキーたくまし」を読みました。「Webちくま」に'07年7月27日から'08年12月26日まで連載されたエッセイ35編が収められた本です。
 様々な話題が展開されているのですが、ここでは主にニューヨーク旅について書かれた部分について、私が今年の1月にやはりニューヨークに旅した時の体験と比して書きます。先ず、ニューアーク空港(ニューヨークの空港は3つあり、ほとんどの国際便がケネディ空港を使用しているのですが、日本からの便はノースウェスト航空だけがニューアーク空港を使用しており、私も往復ともニューアークでした)からのバスの運転手が無愛想極まりなく乗客もマナーの欠片もないという部分。無愛想なのはバスの運転手に限らずホテルのクラークから何からサービス業はすべてそうで、マナーの悪い乗客に関してはおそらくブロンクスの住人だと思われました。そしてホテルのおそまつさ。これもその通りで日本のように使い捨てのハブラシや髭剃りが備え付けられていることはかなりのレベルのホテルでもありませんでした。それから知らない人からやたらに話しかけられるという点。私はそういったことは一切ありませんでした。若い日本女性特有の現象であるように思われます。そしてパンのまずさ。何かパサパサで水分を補給しながらでないと口の内側に貼り付くというもので二度と食べたいとは思いません。ということで共感するところが多々ありました。
 大阪弁を駆使したユーモラスな文体に、一つのエッセイに一つ書かれている西さんご本人によるイラスト(メキシコ人の小島よしおは笑えました)も魅力です。エッセイの面白さで言えば、東の横綱が山田詠美さんとすると西の横綱は西さんかもしれません(といっても現在は東京にお住みの様子)。閑つぶしの本をお探しの方にはオススメです。