gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ルイス・ブニュエル監督『ビリディアナ』

2009-08-22 18:05:00 | ノンジャンル
 昨日政見放送で幸福実現党の大川隆法氏の声を初めて聞きましたが、仏陀の生まれ変わりとも思えない悪声でした。この人を信じて今まで付いて来ている人がたくさんいることが信じられません。

 さて、スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、ルイス・ブニュエル監督の'61年作品「ビリディアナ」を再見しました。
 修道女のビリディアナは先輩に勧められ、幼い頃から仕送りをしてくれていた唯一の親類である叔父(フェルナンド・レイ)に会いに行きます。夜亡き妻のウェディング・ドレスを叔父が身につけていると、夢遊病のビリディアナが入ってきて毛糸玉を暖炉に放り込み、灰をベッドにかけます。最後の夜、叔父はビリディアナに頼んで妻のウェディング・ドレスを着てもらい、家政婦の口を借りてプロポーズしますが、ビリディアナが拒んだため、家政婦は睡眠薬入りのコーヒーを飲ませ、叔父はフォーレのレクイエムのレコードをかけて彼女にキスします。翌朝叔父は昨晩彼女を自分のものにしたと言って引き止めようとしますが、彼女はそれでも去ろうとしたため、嘘を言ったことを認めます。修道院への途中彼女は警官に引き止められ、叔父の首吊り現場に連れて行かれます。先輩の修道女が駆け付けると、彼女は叔父のところに残ると言い、救貧所を設立します。叔父の息子もやって来て彼女の行動を非難しますが、彼女は聞く耳を持ちません。ある日ビリディアナらが外出すると、救貧所の人々が母屋に侵入し、酒を飲み贅沢な食事をし、ハレルヤのレコードをかけて踊った後痴話喧嘩の果てに食器を粉々にしてしまいます。彼らは逃げ出そうとしますが、ちょうどそこへビリディアナらが戻ってきます。息子は殴られて失神しビリディアナは犯されそうになりますが、意識の戻った息子が一人を買収してビリディアナを襲っている男を殺させます。そこへ家政婦が呼んだ警察がやってきて彼らは救出されます。翌日うつろな表情のビリディアナは息子と息子の情婦となった家政婦とカードをして夜を過ごすのでした。
 縄跳びをする少女の足、搾乳、溺れる蜜蜂、馬車につながれた走る犬など、ストーリーと関係ないイメージが提示されるところはブニュエルの面目躍如といったところです。息子が家政婦と横たわる直後に猫が鼠に飛びかかる(というか明らかに鼠のところへ猫を投げつけている)シーンはあまりにもあからさまな暗喩で笑え、祈りと建設現場の平行モンタージュや、救貧所の人々の記念写真が最後の晩餐の構図になっているところなど、冒涜に次ぐ冒涜で、これも見どころになっていました。何回見ても面白く見られる映画です。文句無しにオススメです。