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フリッツ・ラング監督『復讐は俺に任せろ』

2010-04-24 15:43:00 | ノンジャンル
 フリッツ・ラング監督の'53年作品『復讐は俺に任せろ』をDVDで見ました。
 警察の犯罪記録部にいたダンカンが拳銃自殺します。生前の彼は元ギャングで今は資産家のラガーナに買収されていて、その事実を書いた検事当ての手紙を残しますが、ダンカン夫人はその手紙を手にすると口止め料としてラガーナから金をもらうことにします。殺人課の刑事バニオン(グレン・フォード)は、「黙想の家」というバーのホステスであるルーシーから、ダンカンが誰かから金をもらっていて別荘まで持っていたという情報をもらいますが、数日後ルーシーは拷問の痕がある死体で発見されます。捜査をやめろという自宅への脅迫電話に怒ったバニオンは、ラガーナに目星を付けて直接彼の邸宅へ行き挑発しますが、今度は数日後バニオンの車に爆弾が仕掛けられ、バニオンの妻は車もろとも爆殺されます。復讐の鬼と化したバニオンは、聞き込み調査でついに「黙想の家」に出入りするラリーという男が爆破の手はずを整えたことを知り、「黙想の家」に乗り込みます。そこでラリーを見つけることはできませんでしたが、たまたまそこで女性に乱暴していたラガーナの子分のヴィンス(リー・マーヴィン)を見つけ、ルーシー殺しの話題を振ると、ヴィンスは逃げるように立ち去ります。そこに残されたヴィンスの情婦デビー(グロリア・グレアム)はバニオンに惹かれてホテルまで付いていきますが、ヴィンスの元に帰ると嘘がばれ、顔に煮えたぎったコーヒーを浴びせられます。病院からバニオンの元へやってきたデビーは、ヴィンスの命令で手下のラリーがルーシーを殺し、バニオンの車を爆破する手配をしたことを語り、バニオンはデビーをホテルにかくまった後、ラリーの元へ行き、全てを告白させますが、自ら殺すことはできず、裏切り者としてヴィンスらに処刑させるに任せます。ラガーナはラリーを川に沈めたと報告するヴィンスにデビーも殺せと命じますが、デビーは単身ダンカン夫人の家に乗り込み、夫人を射殺して、夫人に何か起こったら自動的にマスコミに公開する手はずになっていた、ダンカン夫人が隠し金庫に保管していた、ラガーナと警視長官らの不正を告発するダンカンが書いた書類を公開させ、次にヴィンス宅でも待ち伏せして、帰ってきたヴィンスの顔に煮えたぎったコーヒーを浴びせかけます。デビーはその場でヴィンスに撃たれますが、駆けつけたバニオンはヴィンスを追い詰め、結局殺すことなく彼を警察に引き渡します。ラガーナと警視長官が起訴された後、バニオンは昇進し仕事に復帰するのでした。
 冒頭の、机の上の拳銃のアップは同監督の『暗黒街の弾痕』を想起させる素晴らしいショットで、バニオンに挑発された後のラガーナのバストショットはドクトルマブゼにソックリでした。室内シーンのカメラの流れるような動きも見事の一語につきます(ちなみに撮影はチャールズ・ラングでした)。バニオンの妻の爆殺シーンとコーヒーを浴びせる2つのシーンの衝撃は何度見ても薄まることはないのですが(実際爆殺シーンではカメラが激しく揺れます)、グロリア・グレアムが登場するシーンは以前見た時よりも陳腐に感じられました。復讐の鬼と化すグレン・フォードの目の暗い輝きと、リー・マーヴィンの狂暴性だけでも見る価値のある映画だと思います。映画が好きな方なら文句無しに楽しめる一編です。なお、上よりも詳細なあらすじは、私のサイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)→「Favorite Movies」→「Fritz Lang(フリッツ・ラング)」の場所にアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。