難波江和英さん、内田樹さん共著の'04年作品『現代思想のパフォーマンス』を読みました。現代思想を代表する6人の思想家が提示した「考え方」を紹介し、その考え方を使うとどのように世界が見えてくるかを述べた本です。
難波江さんが先ずソシュールの記号論を説明し、個があってそこから関係が生じるのではなく、関係が生じるのと同時に個が立ち現れることが、主に言語論として語られます。次に内田さんによるバルト論。関係が生じて裁断された環境が社会システムとなることが語られた上で、システムのモードを意識化することによって社会システムを相対化する試みが述べられます。次の難波江さんによるフーコー論では、現在人々が考えている「意味」とか「価値」というものは歴史的に捏造されてきたものであり、相対化の対象となりえることが語られ、次の内田さんによるレヴィ=ストロース論では、親族システムでも同じことが言え、システムに動きを与えることで、私たちがシステムの息苦しさから逃れえる可能性について語られます。そして次の内田さんによるラカン論では、精神分析においても、「石化」した患者の精神状態に動きを与えることが症状の緩和に繋がることが述べられ、最後の難波江さんのサイード論では、オリエンタリズムにおける西洋の東洋に対する優越がいかに恣意的で歴史的捏造のもとに作られた考え方であるかが述べられています。
ソシュールの一般言語学に関しては、難波江さんがその研究の第一人者と認めている丸山圭三郎先生の講義を私が大学時代に直接受けていたこともあり、その時にもらったプリントの方がずっと整理されていて分かりやすかったと感じました。一方、内田さんによるバルトやラカンの説明はとても分かりやすく、応用のきく素晴らしいものだったと思います。特にラカンの用語「想像界と象徴界」を始めとして、バルトの用語「エクリチュール」「スティル」「モード」、フーコーの用語「権力」を初めて理解できたことは今後の人生において大いなる財産となると思うほどの衝撃でした。今の生活に息苦しさを感じている方すべてにオススメです。なお、もっと詳しく本の内容を知りたいという方は、私のサイト「Nature life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)の「Favorite Books」の「内田樹『寝ながら学べる構造主義』」のところにアップしておきましたので、是非ご覧ください。
難波江さんが先ずソシュールの記号論を説明し、個があってそこから関係が生じるのではなく、関係が生じるのと同時に個が立ち現れることが、主に言語論として語られます。次に内田さんによるバルト論。関係が生じて裁断された環境が社会システムとなることが語られた上で、システムのモードを意識化することによって社会システムを相対化する試みが述べられます。次の難波江さんによるフーコー論では、現在人々が考えている「意味」とか「価値」というものは歴史的に捏造されてきたものであり、相対化の対象となりえることが語られ、次の内田さんによるレヴィ=ストロース論では、親族システムでも同じことが言え、システムに動きを与えることで、私たちがシステムの息苦しさから逃れえる可能性について語られます。そして次の内田さんによるラカン論では、精神分析においても、「石化」した患者の精神状態に動きを与えることが症状の緩和に繋がることが述べられ、最後の難波江さんのサイード論では、オリエンタリズムにおける西洋の東洋に対する優越がいかに恣意的で歴史的捏造のもとに作られた考え方であるかが述べられています。
ソシュールの一般言語学に関しては、難波江さんがその研究の第一人者と認めている丸山圭三郎先生の講義を私が大学時代に直接受けていたこともあり、その時にもらったプリントの方がずっと整理されていて分かりやすかったと感じました。一方、内田さんによるバルトやラカンの説明はとても分かりやすく、応用のきく素晴らしいものだったと思います。特にラカンの用語「想像界と象徴界」を始めとして、バルトの用語「エクリチュール」「スティル」「モード」、フーコーの用語「権力」を初めて理解できたことは今後の人生において大いなる財産となると思うほどの衝撃でした。今の生活に息苦しさを感じている方すべてにオススメです。なお、もっと詳しく本の内容を知りたいという方は、私のサイト「Nature life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)の「Favorite Books」の「内田樹『寝ながら学べる構造主義』」のところにアップしておきましたので、是非ご覧ください。