昨日の続きです。
・「そしてもうひとつ、とても大切なことに気づいている------それは、自分というもののなかに、とても大きな可能性が潜んでいるということだ。ある時点での私にしろ、あなたにしろ、ちっぽけな、低くてダメな存在かもしれないが、そんな私やあなたにも、かぎりない可能性が隠れている。その隠れた可能性を英語ではpotentialitiesと言う。「汝自身を知れ」とは、「君のなかにある隠れた可能性を知れ」ということだ。(後略)」
・「何もかも確かでないという気持ちは不安であり、あらゆる可能性があるという気持ちは希望につながる。ほんの表と裏のことだ。どっちが裏かと言えば、「何もかも確かでない」という気持ちのほうだ。自分のなかにすべての可能性があるといるほうが、人生の表街道なのだ」
・「(前略)10歳をすぎたら、my mind began to wander「頭がさまよいはじめた」。これはあれこれ空想や好奇心にとらわれることであり、その結果、勉強のほうは、成績ガタ落ちになったということを暗示している」
・「トゥエインはとても痛切な口調で若かったときの自分を罵っている。とくに、そういう馬鹿な自分にまったく気づかなかったことをan almost pathetic unconsciousness(ほとんど憐れともいえる無自覚状態)と呼んでいる。
しかし若いときには、多くの人がそうではないんだろうか。すこしばかり体力や頭の回転が活発な若い人は、かえってこういう無自覚におちいりがちなのだ。ただ問題は、40代、50代になってもなお、その無自覚から抜け出さない人の多いことだ。むしろ若いころよりも、無知で狭量でエゴ中心で図々しくなっている。そういう大人だって少なくない」
・「少年少女だってそうだ。彼らが学校と家庭のワクにいるかぎりは社会の内側にいるけれども、学校と家庭の間を往復する途中の時間には、彼らはoutside the lawの領域にいる。そしてその時間には、彼らは自分にだけ正直な、生地のままでいる存在だ。そういう自分のなかでのみ、少年少女は成長する。(中略)
lawの内側に、societyの内側に長い年月を暮らす大人たちは、ときおりoutside the lawの領域に出てみるべきだ。自然のなかでもよいし、空想のなかでもよい。芸術のなかでも、瞑想のなかでもよい。(後略)」
・「私たちのいちばん大切な部分は、大地と、自然とつながっている。それを他人の手で邪魔されてはならない。たとえば、都会のなかの公園、土と林だけあれば、私たちの命はとてもよろこぶのだ。政治はそこに、ごたごたとコンクリートの遊び道具をつくる。そうやって、私たちを麻痺させ、命のよろこびを奪ってゆくのだ」
・「自然natureにはルールなんかない。ルールは人間の作ったものである。そのルールは人間をしばる。自然は人間をしばらない。ルールからはずれたもの、変わっているものなど、どんな「例外」も自然は受け入れる。抱きこんでくれる。そんな自然のふところの深さを、この句は教える。あらゆる変化を包みこむのが自然だというものだ」
・「私たちは、人間の作ったルールにだけ従っていれば、それで満足なのだろうか。ときにはルールばかりの社会に息がつまりかける。そんなとき、ルールなんかない自然がむこうにひらけていると知ると、気が楽になりはしないだろうか。自然はその点で、とても親切なのだ。(中略)それに自然は、ルールから落っこちたあなただけのための道を示してくれる」
・「個人が自分の気持ちで感じる時間を英語ではpsychological time(心理的時間)と言い、小説にはよく使われる。ひとを待っている5分間はとても長いとして、その間の心理を長く描写したりする。非常に楽しかった3年間を、「またたく間にすぎた」とだけ書いて終りにすることもある。しかしこうした「心理的時間」も、外側からの条件で変化する時間なのであり、まだ本当にその人のなかに生きる時間ではない。
ほんとにtimeが命をえて生きるのは、ひとが自分だけの時間my timeをはっきり意識したときだ。他から定められた時間ではなくて、いまここでの自分の、生きている刻々を意識する時間である。そこにしか、timeの生きる瞬間はない。
私たちは、現実には、ほとんど死んだ瞬間のなかで過ごしている。Time is my timeといえる時は、ほとんどない。でもすこしはあるのだ。それにひとたび気づいた人は、そこに大きな喜びを見いだす」
・「21世紀は世界の国々が争うのではなく、助けあう時代だ。侵略して奪いあう世紀ではなくて、援助しあう時代だ。それでなければ破滅する。個人もまた、ひとりだけ巨大な財産を作って英雄視される時代ではなくなる」
・(クラーク博士の言葉、全文の訳)「青年よ大志をもて。それは金銭や我欲のためではなく、また人呼んで名声という空しいもののためであってはならない。……人間として当然そなえていなければならぬあらゆることを成しとげるために大志をもて」(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
・「そしてもうひとつ、とても大切なことに気づいている------それは、自分というもののなかに、とても大きな可能性が潜んでいるということだ。ある時点での私にしろ、あなたにしろ、ちっぽけな、低くてダメな存在かもしれないが、そんな私やあなたにも、かぎりない可能性が隠れている。その隠れた可能性を英語ではpotentialitiesと言う。「汝自身を知れ」とは、「君のなかにある隠れた可能性を知れ」ということだ。(後略)」
・「何もかも確かでないという気持ちは不安であり、あらゆる可能性があるという気持ちは希望につながる。ほんの表と裏のことだ。どっちが裏かと言えば、「何もかも確かでない」という気持ちのほうだ。自分のなかにすべての可能性があるといるほうが、人生の表街道なのだ」
・「(前略)10歳をすぎたら、my mind began to wander「頭がさまよいはじめた」。これはあれこれ空想や好奇心にとらわれることであり、その結果、勉強のほうは、成績ガタ落ちになったということを暗示している」
・「トゥエインはとても痛切な口調で若かったときの自分を罵っている。とくに、そういう馬鹿な自分にまったく気づかなかったことをan almost pathetic unconsciousness(ほとんど憐れともいえる無自覚状態)と呼んでいる。
しかし若いときには、多くの人がそうではないんだろうか。すこしばかり体力や頭の回転が活発な若い人は、かえってこういう無自覚におちいりがちなのだ。ただ問題は、40代、50代になってもなお、その無自覚から抜け出さない人の多いことだ。むしろ若いころよりも、無知で狭量でエゴ中心で図々しくなっている。そういう大人だって少なくない」
・「少年少女だってそうだ。彼らが学校と家庭のワクにいるかぎりは社会の内側にいるけれども、学校と家庭の間を往復する途中の時間には、彼らはoutside the lawの領域にいる。そしてその時間には、彼らは自分にだけ正直な、生地のままでいる存在だ。そういう自分のなかでのみ、少年少女は成長する。(中略)
lawの内側に、societyの内側に長い年月を暮らす大人たちは、ときおりoutside the lawの領域に出てみるべきだ。自然のなかでもよいし、空想のなかでもよい。芸術のなかでも、瞑想のなかでもよい。(後略)」
・「私たちのいちばん大切な部分は、大地と、自然とつながっている。それを他人の手で邪魔されてはならない。たとえば、都会のなかの公園、土と林だけあれば、私たちの命はとてもよろこぶのだ。政治はそこに、ごたごたとコンクリートの遊び道具をつくる。そうやって、私たちを麻痺させ、命のよろこびを奪ってゆくのだ」
・「自然natureにはルールなんかない。ルールは人間の作ったものである。そのルールは人間をしばる。自然は人間をしばらない。ルールからはずれたもの、変わっているものなど、どんな「例外」も自然は受け入れる。抱きこんでくれる。そんな自然のふところの深さを、この句は教える。あらゆる変化を包みこむのが自然だというものだ」
・「私たちは、人間の作ったルールにだけ従っていれば、それで満足なのだろうか。ときにはルールばかりの社会に息がつまりかける。そんなとき、ルールなんかない自然がむこうにひらけていると知ると、気が楽になりはしないだろうか。自然はその点で、とても親切なのだ。(中略)それに自然は、ルールから落っこちたあなただけのための道を示してくれる」
・「個人が自分の気持ちで感じる時間を英語ではpsychological time(心理的時間)と言い、小説にはよく使われる。ひとを待っている5分間はとても長いとして、その間の心理を長く描写したりする。非常に楽しかった3年間を、「またたく間にすぎた」とだけ書いて終りにすることもある。しかしこうした「心理的時間」も、外側からの条件で変化する時間なのであり、まだ本当にその人のなかに生きる時間ではない。
ほんとにtimeが命をえて生きるのは、ひとが自分だけの時間my timeをはっきり意識したときだ。他から定められた時間ではなくて、いまここでの自分の、生きている刻々を意識する時間である。そこにしか、timeの生きる瞬間はない。
私たちは、現実には、ほとんど死んだ瞬間のなかで過ごしている。Time is my timeといえる時は、ほとんどない。でもすこしはあるのだ。それにひとたび気づいた人は、そこに大きな喜びを見いだす」
・「21世紀は世界の国々が争うのではなく、助けあう時代だ。侵略して奪いあう世紀ではなくて、援助しあう時代だ。それでなければ破滅する。個人もまた、ひとりだけ巨大な財産を作って英雄視される時代ではなくなる」
・(クラーク博士の言葉、全文の訳)「青年よ大志をもて。それは金銭や我欲のためではなく、また人呼んで名声という空しいもののためであってはならない。……人間として当然そなえていなければならぬあらゆることを成しとげるために大志をもて」(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)