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芥川龍之介『侏儒の言葉』その2

2017-09-28 05:12:00 | ノンジャンル
 衆議院は今日解散され、ついに民進党が希望の党への合流を決め、共産党と社民党を除く全野党が結束して選挙に臨むということになってきました。おそらく社民党も合流するはずで、あとは共産党がどの程度是々非々の格好で希望の党との選挙協力をしていくかが、選挙後の結果を占うカギになりそうです。朝日新聞が26、27日に全国緊急世論調査を実地した結果、比例投票先は自民32%、希望の党13%、民進党8%。公明党6%、共産党4%、維新3%、その他の党4%、わからない・答えないが29%を占め、無党派層では自民13%、希望の党17%、民進党6%、公明・共産・維新がそれぞれ4%、その他の党7%、わからない・答えないが45%を示していました。希望の党、民進党、共産党、維新の党、その他の政党、無党派層でも同じ割合で票が割れた場合、自民36%、野党連合44%、公明党7%となり、一人区では野党連合が全勝する可能性が大となります。おそらく今後民進党は共産党とも組む議員たちと、共産党とは組みたくない議員たちに分かれ、選挙戦を戦うことになるでしょう。いずれにしても自民党の一党独裁は崩れ、政権交代を迎えるのは必至の状況です。いよいよ本当の意味での「希望」が見えてきたように思いました。

 さて、昨日の続きです。
・「完全なるユウトピアの生れない所以は大体下の通りである。------人間性そのものを変えないとすれば、完全なるユウトピアの生まれるはずはない。人間性そのものを変えるとすれば、完全なるユウトピアと思ったものも忽ちまた不完全に感ぜられてしまう」
・「危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である」
・「奴隷廃止ということはただ奴隷たる自意識を廃止するということである。我我の社会は奴隷なしには一日も安全を保し難いらしい。現にあのプラトオンの共和国さえ、奴隷の存在を予想しているのは必ずしも偶然ではないのである」
・「悲劇はみずから羞ずる所業を敢てしなければならぬことである。この故に万人に共通する悲劇は排泄作用を行うことである」
・「人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。雲の光り、竹の戦(そよ)ぎ、群雀の声、行人の顔------あらゆる日常の瑣事の中に無王の甘露味をかんじなければならぬ」
・「我我は処女を妻とするためにどの位妻の選択に滑稽なる失敗を重ねて来たか。もうそろそろ処女崇拝には背中を向けても好い時分である」
・「或(ある)女学生はわたしの友人にこういう事を尋ねたそうである。
『一体接吻する時には目をつぶっているものなのでしょうか? それともあいてるものなのでしょうか?』
 あらゆる女学校の教課の中に恋愛にかんする礼法のないのはわたしはこの女学生と共に甚だ遺憾に思っている」
・「フロオベルのわたしに教えたものは美しい退屈もあるということである」
・「ポオはスフィンクスを作る前に解剖学を研究した。ポオの後代を震駭(しんがい)した秘密はこの研究に潜んでいる」
・「われわれはしたいことのできるものではない。ただできることをするものである。これはわれわれ個人ばかりではない。われわれの社会も同じことである。おそらくは神も希望どおりにこの世界を造ることはできなかったであろう」
・「わたしの愛する作品は、------文芸上の作品は畢竟(畢竟)作家の人間を感じることのできる作品である。人間を------頭脳と心臓と官能とを一人前にそなえた人間を。しかし不幸にもたいていの作家はどれか一つを欠いた片輪(かたわ)である。(もっとも時には偉大なる片輪に敬服することもないわけではない)」
・「最も幸福な芸術家は晩年に名声を得る芸術家である。国木田独歩もそれを思えば、必ずしも不幸な芸術家ではない」
・「女は常に好人物を夫に持ちたがるものではない。しかし男は好人物を常に友だちに持ちたがるものである」
・「好人物は何よりも先に天上の神に似たものである。第一に歓喜を語るのにもよい。第二に不平を訴えるのによい。第三に----いてもいないでもよい」
・「『その罪を憎んでその人を憎まず』とは必ずしも行なうに難いことではない。たいていの子はたいていの親にちゃんとこの格言を実行している」
・「天才の悲劇は『小ぢんまりした、居心のいい名声』を与えられることである」
・「わたしの最も驚いたのはレニンのあまりにあたりまえの英雄だったことである」
・「わたしは不幸にも知っている。時にはうそによるほかは語られぬ真実もあることを」
・「忍従はロマンティックな卑屈である」
・「成すことは必ずしも困難ではない。が、欲することは常に困難である。少なくとも成すに足ることを欲するのは」
・「彼らの大小を知らんとするものは彼らの成したことにより、彼らの成さんとしたことを見なければならぬ」(また明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/