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アンソニー・マン監督『シャロン砦』その2

2019-10-30 05:52:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

 見張りの先住民を倒すジェド。(中略)
 ジェド「奴らは矢を束ねた」大佐「偵察の報告は? なぜ私に報告せん?」ジェド「まずガスにと」大佐、大尉に「民間人には君が規律を教えてやらねば」大尉「すみません」ジェド「渓谷の底で野営している。アシニボイン族の族長もいた。同盟を結ぶらしいです」大佐「いつだ?」大尉「一週間後。急ぐはずです。雪が降れば春まで出撃はできません。しかも春には内戦が終わり、こちらの戦力も増します。向こうのチャンスは今だけです」大佐「雪はいつ降る?」ジェド「いつもならもう降っている」(中略)大佐「リオーダン大尉はこの砦は要所だと言っていた。具合は?」ガス「良好です」大尉「考えは変わりませんか?」ジェド「通信手段が断たれて、ララミー砦からの命令が届いていない」大佐「命令ならあるぞ。私のが。防衛に固執して私は砦を失った。勝つのは攻撃だ。砦を築くのが私の任務だ」ジェド「だからレッド・クラウズが勢いづく。半人前の兵士を率いて戦えと?」大佐「鍛え上げるんだ。それで一人前になる」大尉「攻撃には反対です」大佐「じき雪が降るかもしれない。先にアシニボイン族が攻めて来たらどうする? 同盟の前に倒す」大尉「自殺行為です」大佐「兵を率いて戦うのだ。自殺する気はない」ジェド「お止めしろ」大佐「クラーク大尉、忘れたのか? この砦の司令官は私だ」(中略)ジェロ「シャイローで何があったか、聞いてみるんだ」大佐「具合は?」サド「じき治ります」大佐「行軍できるか?」サド「頑張ります」大佐「シャイローのことだが、一戦で1500人を失った。大砲で隊を分断されたんだ。“シャイローの虐殺”だと私は政府に言われた。それが私の称号だ。しかしそれは一面にすぎぬ。私はあえて危険を冒し、砦を捨てて反撃に転じた。慎重では勝てない。内戦が4年も続いているのも司令官が弱腰だからだ。大砲さえ奪えれば戦況は変わっていた。だが戦争省は勇気を評価しない。結果だけだ。それでも私の作戦は正しかったと思う」。
 コリーナ、ジェドに無理やりキスされる。「行けよ。亭主を追え」。
ジェド「あんたを安全な山中に連れていく」コリーナ「嫌よ」「行くんだ。大佐の作戦じゃ全滅だ」「なぜ私を?」「俺の女にしたい。さらってもいい」「野蛮人!」「あんたも亭主と同じか? 死にたいのか?」「いいえ、生きたいわ」「俺に任せろ。山のことはよく知っている」「ほかの女たちは?」「他人の女だ」「私もよ!」「俺じゃ不満か? 死ねば終わりだぞ」「男に助けてもらおうとはもう思わない。夫のおかげで生き延びることができた。今は命のために愛人になれと?」「誤解するな」「誤解してない。あなたも夫も同じよ」「違う」「どこが?」「君を愛してる。君が必要なんだ」「私にどうしろと? 何もできない女よ」「俺はダメ男だ。俺の悪い所を直してくれ」。キスする二人。銃声と叫び声。
「撃ち方やめ。見張りを倍にしろ」「招集ラッパだ」ジェド「必要ありませんよ。無謀な単独攻撃です。前にも若い奴が手柄目的で突撃してきました」「君をなめてるな」「だとしても私は彼らに敬意を払っています」「ベナー、あのインディアンを埋葬してやれ」。
 コリーナの頭をなでるジェド。またキスする二人。
 ジェドとコリーナ、外へ。コリーナ帰宅。
 ガス「いちゃついてると縛り首だぞ」ジェド「違うよ」ガス「バッファローの皮でも見せたってか?」ジェド「俺の女にする」ガス「大佐の奥方がお前の女?」ジェド「そうだ。笑うな、ガス」「確かに笑えないかもな。むしろ悲しいぜ。ジェド、彼女のことを忘れるんだ。きれいさっぱり。いいな?」「ほっといてくれ」「お前には失望したよ。今までの生活は何だった? ジェド、聞け。お前とは命をかけて助け合ってきた仲だ。息子のように思ってる。信じるか? どうだ?」「分からない」「頼むからあの女には近づくな。お前が傷つく。ボロボロになるだけだ。住む世界が違う。木の上や洞窟で眠る女じゃない。彼女は淑女だ。紳士がお似合いだ。お前じゃない。俺のせいだ。読み書きを教えなかった。俺も習ってないんだ。俺達ほど教養のない人間はいない」「時々彼女は俺をクマを見るような目で見る」「クマの国ではクマでいるのが一番だ」「クマなんか嫌だ」「脚が痛みだした。手を貸してくれ」。
医者「3日間安静と言ったぞ」ガス「今から安静にします。お休み」。医者「ジェド、座れ。大佐のことが心配なんだ。正気じゃない。恐ろしいことを考えている。じきに先住民を殺しに出撃するはずだ。誰かが止めないと」「それは先生の役目だ」。

(また明日へ続きます……)

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