昨年天国へ旅立った友人M子の弟、和坊の書き残した言葉です。
左ページに
私の好きな言葉に「継続は力なり」があります。つらく苦しい状況に置かれても続けて努力することは尊いことですし必ず力が付いてくると思います。平成13年4月「高等部PTAだより」から抜粋
こう書かれています。
和坊は友人M子の二つ下の弟です。小さいころから真面目で努力家でした。目標を決めたら、自分で計画をきちんと立てて毎日真面目にこつこつと課題をこなしていく子でした。
和坊のお父さんというひとは、山上憶良の歌、銀(しろがね)も 金(くがね)も玉も 何せむに まされる宝 子に如(し)かめやもが大好きで、いつも口にするほどの子煩悩でした。ユーモアのセンスも抜群でいつも周りの人を楽しませる感性をもっていらっしゃいました。
おかあさんは、情の深い人柄でしたが、竹を割ったようなあっさりした性格でとても魅力的なひとでした。
そんな素晴らしい両親に育てられた和坊は、すくすく育ち、筑波大学で、教育学を学び、とくに聴覚障害の人の教育を研究し、大学の教官として教育者を育成する道にすすむべく研究をしていましたが、途中から奥様の実家のある福島県で、聾学校の先生として頑張っていました。
そんな時、
東北の大震災の津波で浪江町にある家を失いました。幸いにも、家族は全員助かりました。いつも前向きにとらえて、乗り越えていましたが、病が彼を襲い、帰らぬ人となったのです。
その後彼を慕う友人や同僚や教え子の皆さんが、和坊の追悼集をつくってくださり、姉のM子のもとに送られてきました。それを私も読ませていただくことができました。
この追悼集には、和坊が、生徒さんに向けて贈った言葉や、同僚の先生や生徒さんとの思い出深いエピソードが書かれてありました。
そして最初のページに書かれてあるのが
この 継続は力なり という自筆の言葉でした。
50年の人生は短すぎました。しかし、本当にすばらしい教育を実践し、人材の育成に貢献していたことはこの追悼集で理解できました。なによりも、その生き様を、こうして本にしてくださる方がいるということがなによりの証しと思います。
M子が 話してくれました
和坊は、どんなときでも、どんなところでも、全力を傾け、
いつも一生懸命、花を咲かせることができるすばらしい人間だったと思う。
本当にそういう人でした。同じ郷土出身、高校の後輩として誇りに思います。
継続は力なり。
真面目に頑張っている皆さん あきらめないでください!
私自身、限りある人生で、これからどれほどのことができるのか。自分なりにできることは何なのか真剣に考える必要があります。