2023年8月9日(水)
海洋放出ありき 待った
経産省に福島の共闘団体
![]() (写真)経済産業省(手前)の担当者に申し入れる7者共闘の人たち=8日、国会内 |
政府が、東京電力福島第1原発事故で出る汚染水(「アルプス処理水」)を今年夏ごろまでに海洋放出する方針を一方的に示している問題で、日本共産党いわき・双葉地区委員会や労働組合などでつくる「7者共闘」は8日、国会内で、経済産業省に「結論ありきの放出を進めない」ことなどを申し入れました。
「7者共闘」は、日本共産党のほか、いわき市労働組合総連合、いわき地方労働組合会議、小名浜地区労働組合協議会、立憲民主党と社民党の地元支部などで構成。日本共産党の岩渕友参院議員、宮川えみ子、吉田英策両福島県議、熊谷智衆院福島4区候補が参加しました。
処理水をめぐって、複数の政府関係者が早ければ8月下旬にも海洋放出を行う方向で調整していることを明らかにしています。
7者共闘は、福島県漁連が反対の意向を示している以上、「理解が得られた」といえる状況にないことを明確にすることなどを求めました。
申し入れで、経産省の担当者が「『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』という漁業者との約束は順守する」と繰り返したことに対し、参加者は「約束を順守するなら、放出ありきの方針は大きな矛盾だ」と指摘。8月下旬にも放出するとの報道に参加者は「地元との信頼関係を壊すもの。方針は撤回するべきだ」と強く求めました。
「理解が得られない場合はどうするのか」との質問に経産省の担当者は「話し合いを真摯(しんし)に続けていく」と述べるにとどまりました。
岩渕氏は「海洋放出の方針を決定したこと自体が、『いかなる処分も行わない』との約束を反故(ほご)にし、信頼関係を壊すもの」と指摘しました。