米CIA長官
「ウクライナ、年末ごろに敗北の可能性…軍事支援が急がれる」
米中央情報局(CIA)長官が「米国などの西側の支援がなければ、ウクライナは年末ごろに敗北する恐れがある」と警告した。だが、米議会でウクライナに対する610億ドル支援案が議決される見通しは不透明になっている。
「ポリティコ」の報道によると、ウィリアム・バーンズCIA長官は18日、ワシントン近隣のジョージ・ブッシュ大統領センターで開かれた行事で、ロシアの侵攻を受けたウクライナに対する援助を議会がいま承認しなければ、「はるかに厳しい風景が広がるだろう」とし、「ウクライナが2024年末ごろに戦場で敗北する恐れがある」と述べた。バーンズ長官の発言は、ウクライナ戦争と関連した米高官から出た最も強力な警告だ。
バーンズ長官は「ウクライナが軍事支援を受ければ、実質的、心理的な増強効果とともに、今年中に自国を全体的に防御し、時間は自分の味方だというプーチン(ロシア大統領)の傲慢な見解を覆すことができるだろう」と語った。
また、ウクライナ支援の意味が「中国の習近平、彼の野望、インド太平洋で我々の同盟と協力国にかかわるものだ」と強調し、「これは本当に我々の敵が、そして我々の同盟国とパートナー国が、米国の信頼性と決意を理解するかどうかの問題だ」と述べた。
前日、米下院でマイク・ジョンソン議長はウクライナ支援案の議決のため、新たな案を提示した。ジョンソン議長は既存の910億ドル規模のウクライナおよびイスラエル援助案を分け、610億ドル規模のウクライナ援助案と300億ドル規模のイスラエル援助案を別々に上程した。この6カ月間、共和党議員らは米国とメキシコの国境の強化策を求め、ウクライナやイスラエルの援助案の通過を阻止してきた。現在、共和党内でトランプ前大統領を支持する強硬な若手議員たちは、2024年度の大規模な支出予算案を先に調整してからウクライナ支援案の表決を行わなければ、ジョンソン議長を解任すると脅している。
ウクライナ支援案はイスラエル支援案およびティックトック規制案と共にパッケージとして上程され、20日に表決される。共和党218人対民主党213人の下院で、共和党議員5人が離脱すれば否決される。これらの法案が否決されれば、ジョンソン議長はケビン・マッカーシー前議長のように追放される可能性がある。
ウクライナ支援案に反対する若手議員に強大な影響力を持つドナルド・トランプ共和党大統領候補は同日、ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、欧州がウクライナ支援にもっと金を払うべきだとしながらも、ウクライナ支援が米国にも重要だと主張した。トランプ候補は「ウクライナの存立と強さは、われわれより欧州にとってはるかに重要なはずだ」としながらも、「しかし、われわれにとっても重要だ」と書いた。