ブラジルに左派大統領
決選投票 ルラ氏 極右現職破る
「貧困とたたかう」
ブラジルで30日実施された大統領選の決選投票で、左派のルラ元大統領(77)が軍人出身で極右の現職ボルソナロ氏(67)との接戦を制し当選を決めました。2003年から2期8年務めたルラ氏は通算3期目。就任は来年1月1日で任期は4年です。
中央選管に当たる高等選挙裁判所(TSE)によると、開票率99・99%でルラ氏の得票率は50・9%でボルソナロ氏は49・1%。決選投票としては同国史上最も僅差での決着と報じられています。
現地からの報道によると、ルラ氏は公共サービスを切り捨てる新自由主義路線をとり、貧困と格差を拡大したボルソナロ政権を批判し、貧困層への支援強化や最低賃金引き上げ、自国産業の再活性化などを主張し支持を集めました。富裕層や保守勢力の支持に支えられたボルソナロ氏は、ルラ氏や左派勢力が政権につけば汚職や経済混乱につながると非難しましたが、及びませんでした。
ルラ氏は最大都市サンパウロ市内で数万人の支持者を前に勝利演説。「貧困とたたかうこと、それが私の生涯の存在理由だ」と語り、弱者支援を最優先することを改めて強調しました。また、「この国に必要なのは平穏と団結」「すべての国民のために統治する」と述べ、国の再生に向け国民に団結を呼び掛けました。