どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

読書感想二話

2009年06月13日 | 日記
通勤電車は満員 平日は雑用と食事と飲むのに追われる日々ゆえ 読書は就寝前の僅かな時間か週末に限られる

そんな中 ようやくサックス先生の「火星の人類学者」と 天童荒太の「悼む人」を読み終えた


前者は脳神経内科の博士であり 彼の著作の幾つかはすでに読んでいる

映画「レナードの朝」の原作者ときけば 知っている人も多いにちがいない

単なるドクターの臨床報告にとどまらず 人間として向き合い 関っていく姿勢がたまらない

病室や研究室を飛び出し 患者(と呼べるかどうかも疑問だが)の生活に触れ 時間や経験を共有することで

ひと の本質をみてとろうと試みる

彼 自らがプロローグで書いているように 先天的もしくは後天的欠陥や障害や疾病という状況に適応し 

再構築させていくひとの(もしくは自然のと言っても良い)「創造的」な力の存在

これこそがテーマである

そして この点においてはいわゆる健常者との違いは何も無いことを知らされる


後者は ある人から借りた本である

借りたというよりも 良かったからもし嫌でなかったら と差し出されたのだ

断る理由も無い 

作者の名前は知っていたし 実はかなり前に別の本をまた別の友人から これもまた同じようなかたちで借りていた

人気があるのは知っていたが あまり得意とするジャンルではなく そのままになっている

だが 今回は相手が相手なので 読んで返さねばならない

そういう気持ちで読み始めた

小説としてはうまく出来ていると感じた

だからこそ 直木賞も取ったのだろう

ただ 私の中では 生と死に対する感覚がかなり出来上がってしまっている

共感できるところが無いでもないが 正直 妙に醒めた目でしか読めないというのが感想


というわけで 今日は読書感想二話

今は 米原万里さんの書評を集めた「打ちのめされるようなすごい本」を読み始めている

ちなみに巻末索引を見ると オリヴァー・サックス氏の別の本が取り上げられている

天童荒太は 無い
コメント
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