熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

どこまで徴収するのか

2017-07-17 18:39:01 | Weblog
「風に舞う答えを、勇気を出してつかみとらねばならないのです」今年4月、京都大学の入学式で山極壽一総長が新入生に贈った式辞の一部です。

昨年ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの代表曲『風に吹かれて』の歌詞を引用しながら新入生を鼓舞する、好スピーチでした。

その式辞全文を大学のホームページに掲載したところ、日本音楽著作権協会(JASRAC)から大学に掲載使用料の請求が届いた、と京都新聞が報じていました。

このニュースに世論は「そこまで徴収するのか」と強く反発し、ネット上では「カスラック」などの卑語も飛び交っているそうです。

『風に吹かれて』の歌詞は、式辞の文脈に使われる必然性もあり、出典も明らかにしていました。

また「主従関係」については全体の何%か定まっているわけではないが、使われたディランの歌詞は式辞全体の5~10%。法的に見て適法引用が成立する可能性がかなり高い見通しだったと言えますね。

その後、JASRACは、大学への連絡は請求ではなく、使用意図など事実関係を確認するための問い合わせだったと報道を否定したそうです。

さらにJASRACの理事長が、「引用として判断している。著作権使用料を請求はしない」と言及し、幕引きとなりましたが、京大のウェブサイトに式辞の全文が掲載されており、見れば引用かどうかの判断はつくので、請求の意図をもって連絡したのではないかという疑念は残るところです。

やはりJASRACは、利益拡大を目指す組織で、音楽の普及や著作者の利益を第一に考える組織ではありませんね。

JASRAC後援の研究会に出席したことがありますが、お金を出してもらっているのに、参加者のJASRAC批判が多かったのには驚きました。

JASRACは反省する必要がありますね。

安倍政権と同じ末路になりますよ。








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