熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

弁理士研修

2018-02-05 19:15:57 | Weblog
弁理士研修「中国における知財価値評価の現状及び課題 - 2017年度の動きを中心に - 」を受講してきました。

知財価値評価についての新しい知見は得られませんでしたが、中国と日本との相違についての話が面白かったですね。

中国では中央政府が目標を決めて地方政府に目標展開を指示します。

ここまでは日本でも同じなのですが、そのあとが違う。

日本は旗を振るだけで、後は民間任せで何もせず、いつの間にか目標未達がレビューされずに新たな目標の旗が振られる。

中国は、中央政府が目標を指示すると地方政府や銀行が、祖の目標を達成するために遮二無二活動します。
中央政府もお金の面でバックアップするので目標が達成する可能性が高くなる。

その一例として紹介されたのが、知財権(特許権、商標権、著作権)の質権設定による融資のシステム。

中央政府は、銀行が知財権に質権を設定して融資したお金が不良債権化した場合でも50%を保証し、残りの50%を銀行が資金回収した場合、その半分(25%)を政府に戻す。

つまり銀行の損害は、不良債券の50%が最大で、うまく回収できれば25%の損失に抑えることができる。

したがって、銀行も積極的に融資することになりますね。

問題は知財権の価値評価方法ですが、一応それらしい評価式はあるのですが、かなり定性的で評価者によってどうにでもなる数値です。

私見では、知財権の価値評価の正確性はどうでも良くて、要は知財権を理由にして融資を行い、ビジネスを活発にしたいという中央政府の思惑があるのではないでしょうか。

中国らしいといえば中国らしい。

日本では絶対にできない方法ですね。

不良債権化するリスクはあるが、中央政府がやれといったらやる、明確ですね。

日本でも森友、加計問題で首相の権力乱用が話題になっていますが、いかにもスケールが小さい。

どちらも産業進行やビジネス発展につながるとは思えない。

権力を行使するなら、もっと大きな目標達成のためにやって欲しい。

お友達だけを優遇するようなスケールの小さなことは止めて欲しいものです。






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