政府が閣議決定した安倍晋三元首相の国葬に対する反対の声がやまず、識者や市民団体が声明や抗議行動を通じて撤回を求めています。
憲法学者の東京都立大・木村草太教授が国葬の問題点を指摘しています。
①「安倍元首相だけ特別扱いする理由があるのか。安倍氏にのみ当てはまる『国葬を行うべき理由』を説明できないなら、憲法の平等原則に違反する」。木村氏は問題の根幹を指摘しています。
岸田文雄首相は安倍氏の国葬実施の理由に関し、憲政史上最長の8年8カ月間の首相在任、経済再生や外交での大きな実績、選挙中の蛮行による死去で国内外から哀悼の意が寄せられていることなどを挙げるています。
木村氏は「『大きな実績』というのは、岸田内閣の主観的な評価にすぎない。国が行う儀式の対象とする以上、首相の功績の大きさは客観的評価が必要だ」と疑問を投げかけています。
② 実績評価は第三者機関が政治から独立して行うべきである。
国葬は半世紀以上前の吉田茂元首相以来で、現憲法下で2例目です。
当時も異論があり、以降の首相経験者の葬儀は「国民葬」「内閣・自民党合同葬」などの形をとってきました。
安倍氏と比べ、吉田氏以降の歴代首相の実績はどうだったのか。
例えば池田勇人氏は「所得倍増計画」を掲げ、日本を経済大国に押し上げました。
佐藤栄作氏は沖縄返還を実現し、ノーベル平和賞を受賞しました。
中曽根康弘氏は国鉄改革などを行い、外交ではレーガン米大統領と親密な関係で日米関係を基軸とした外交を展開しました。
木村氏は「実績の評価は第三者機関が政治から独立して行うべきだが、政治学者でも国葬にする客観的理由を示すのは難しいだろう」との考えを示しています。
③ 共感の要求は「思想信条の自由の侵害」にも相当する。
「公金使用を正当化する公共目的があるか」との点も木村氏は問題視しています。
2020年の中曽根氏の葬儀は内閣・自民党合同葬で約1億9000万円を国と自民党が折半しています。
今回の国葬は全額国費で、国の支出は大幅に上回る可能性があります。
木村氏は「現状、岸田首相や閣僚の安倍氏の功績をたたえたいという感情に共感を求めることが国葬の目的と見ざるを得ない」と批判して、「主観的な感情を広めるのは公共目的とは言い難く(内閣府設置法に基づく)内閣府の所掌事務の範囲外で違法ではないか。思想信条の自由の侵害にもなり得る」と警鐘を鳴らしています。
今後の首相経験者の葬儀も、国葬か否かは内閣の一存で決まることにもなりますね。
木村氏は「公金支出には基準が必要だが、国葬の基準を決めるのは現実的には容易ではない」と指摘しています。
国葬は取りやめた方がいいですね。
岸田総理も勢いで宣言してしまったようですが、失敗したな~と後悔しているのではないでしょうか。
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①「安倍元首相だけ特別扱いする理由があるのか。安倍氏にのみ当てはまる『国葬を行うべき理由』を説明できないなら、憲法の平等原則に違反する」。木村氏は問題の根幹を指摘しています。
岸田文雄首相は安倍氏の国葬実施の理由に関し、憲政史上最長の8年8カ月間の首相在任、経済再生や外交での大きな実績、選挙中の蛮行による死去で国内外から哀悼の意が寄せられていることなどを挙げるています。
木村氏は「『大きな実績』というのは、岸田内閣の主観的な評価にすぎない。国が行う儀式の対象とする以上、首相の功績の大きさは客観的評価が必要だ」と疑問を投げかけています。
② 実績評価は第三者機関が政治から独立して行うべきである。
国葬は半世紀以上前の吉田茂元首相以来で、現憲法下で2例目です。
当時も異論があり、以降の首相経験者の葬儀は「国民葬」「内閣・自民党合同葬」などの形をとってきました。
安倍氏と比べ、吉田氏以降の歴代首相の実績はどうだったのか。
例えば池田勇人氏は「所得倍増計画」を掲げ、日本を経済大国に押し上げました。
佐藤栄作氏は沖縄返還を実現し、ノーベル平和賞を受賞しました。
中曽根康弘氏は国鉄改革などを行い、外交ではレーガン米大統領と親密な関係で日米関係を基軸とした外交を展開しました。
木村氏は「実績の評価は第三者機関が政治から独立して行うべきだが、政治学者でも国葬にする客観的理由を示すのは難しいだろう」との考えを示しています。
③ 共感の要求は「思想信条の自由の侵害」にも相当する。
「公金使用を正当化する公共目的があるか」との点も木村氏は問題視しています。
2020年の中曽根氏の葬儀は内閣・自民党合同葬で約1億9000万円を国と自民党が折半しています。
今回の国葬は全額国費で、国の支出は大幅に上回る可能性があります。
木村氏は「現状、岸田首相や閣僚の安倍氏の功績をたたえたいという感情に共感を求めることが国葬の目的と見ざるを得ない」と批判して、「主観的な感情を広めるのは公共目的とは言い難く(内閣府設置法に基づく)内閣府の所掌事務の範囲外で違法ではないか。思想信条の自由の侵害にもなり得る」と警鐘を鳴らしています。
今後の首相経験者の葬儀も、国葬か否かは内閣の一存で決まることにもなりますね。
木村氏は「公金支出には基準が必要だが、国葬の基準を決めるのは現実的には容易ではない」と指摘しています。
国葬は取りやめた方がいいですね。
岸田総理も勢いで宣言してしまったようですが、失敗したな~と後悔しているのではないでしょうか。
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