半藤一利さんの「B面昭和史(1926⇒1945)」を読みました。
この本は、ロングセラー「昭和史(1926ー1945)」の姉妹編です。
著者の言葉「60年近く一歩一歩。考えを進めながら、調べてきたことを基礎として書いた本書の主題は、戦場だけでなく日本全土における戦争の事実をもごまかすことなしにはっきりと認めることでありました。」に、この本の価値が現れていますね。
戦後世代には分からない出来事を伝えてくれるこの本は重要な歴史のテキストです。
著者は「未来に重要なことを示唆する事実を書いている」とも述べています。
池内了氏の説を借りながら、「人間には生まれながらにして楽観的な気分が備えられているのではないかと、思えてくる。楽しくていいニュースは積極的に取りこむが、悪いニュースはあまり関心を払わない、注意を向けない、というよりも消極的に受け止めやがてこれを拒否する。そして同じように考える仲間に出会うと、互いに同調し合い集団化する。するとその外側にいたものまで集団からの無言の圧力をうけ、反発するよりそれに合わせようとする。その方が楽だからである。この楽観性と同調性が危険なのである。」
「こうなるともはや疑うという精神を失い、共倒れになるまで行き着いてしまう。これはバブルのみでなく、原発の安全神話に人々が同調していく思考回路にも共通している。」
おかしいなと感じたときに楽観性や同調性に流されずに冷静に分析して立ち止まり、正しい方向へ進むことが大切です。
日本の現状もおかしな選挙結果やSNSで嘘や誹謗中傷が拡大するという危険な兆候が見えています。
楽観性や同調性に惑わされることなく正しい考え方をしたいですね。
この本の一読をお勧めします。
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