近所を散策すると、次々に花が咲き乱れている。まさに百花繚乱である。牡丹もツツジもそしてライラックも、例年なら少しづつ花期をづらして咲いてくれるが、今年はそういった配慮はなく、同時に咲いている。北国では、幾種類もの果実の花が同時に咲くいて、そんな状態を見ると違和感を感じたものだが、今年の庭の花はそういう感じで咲いている。白ツツジの大きな花は、いつもより心なし瑞々しく感じる。
白つつじ妻の愁ひは触れ難し 安住 敦
ライラックの薄い紫の花も見逃せない。そっと近づくと、上品な香水のような香がする。北海道ではライラック祭りなどで、この花が主役であるが、スズランと並んで北国の代表選手のような花だ。この花の咲く木陰で恋人たちが、甘い語らいをするのは、西洋的でロマンチックな想像をかりたてる。
地と水の出会ひけぶらすライラック 北村 仁子