常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ヒメサユリ

2015年05月29日 | 


千歳山には訪れるたび、ドラマがある。先日は幼稚園児たちと山中で出会ったが、今日はヒメサユリと若いアメリカ人の女性と出合った。登山道で携帯のカメラでしきりに道端の花を撮影している女性がいた。見るとアメリカの女性であったが、花がきれいだったので、思わず声をかけた。「ヒメサユリですか」。すると流暢な日本語で、「はい。ヒメサユリです。きれいですね」という答えが返ってきた。ピンクの花が一輪だけ、少し淋しい気もするが、見知らぬ外国の女性と会話ができて少しうれしい気がした。

ヒメサユリの美しさに感動したのは、平成6年6月25日のことである。この日、会津の会津朝日岳に小屋泊まりで登った。長い登り道を歩いて疲れきった頃、路傍に点々とヒメサユリのピンクの花が見られた。登っていた仲間が「わーっ」と感動の声をあげた。疲れきっていたが、そのみごとな美しさは、疲れを吹き飛ばすに十分であった。Oさんと花の前にしゃがんで記念撮影をしたことを今もはっきりと覚えている。高山での花との出会いは、想像以上の感動を呼ぶ。

千歳山は高山ではないが、この季節、偶然にこの花に出会うと、早朝に拾い物をしたような気分になる。ヒメサユリはその花の佇まいが女性的であるので、オトメユリと呼ばれることもある。
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