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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

皐月

2022年05月01日 | 日記
今日から新しい月が始まる。五月は月の呼び方で皐月とも言われる。桜は終わったが、昨日の散歩で牡丹が咲くのを見、ツツジが満開を迎え、何よりも新緑が美しい。一年で一番好きな月かも知れない。

山に鳥多くなりたる皐月かな 滝沢伊代次

新しい月が始まると、心も新しい日々に向かって開かれる。今年は生活習慣を見直しているが、一月から晩酌を止め、ほぼ達成することができた。山野に出る山菜を食卓に並べ、少量のアルコールを老妻と楽しむ夕べも迎えられるようになった。

今取り組んでいるのが、睡眠の質の改善である。安易な気持ちで使い始めた睡眠導入剤が習慣となり、それなしに眠れなくなくなった。量を少しずつ減らして導入剤なしの夜を目指したが、昨夜ついにそれが実現できた。入眠して4時間ほどで目が覚める。それから次の眠りに入るまでの時間の過し方である。そこから眠りを意識しないこと。自然に眠りにつくのを待つ。一昨日の前まではこの待つ時間をなくすために導入剤を使った。眠れないことを気にしない。一昨夜は導入剤を飲まないで、電灯をつけて読書をした。朝まで眠らなくてもいいと思えた。妻が起きて、朝の準備を始めている。明るいなかで眠りがやってきた。それでも一晩で5時間足らず。朝食をとりながら睡眠不足を実感する。
散歩しながら、初夏の新緑と、到るところで咲く花々を愛でる。食後に睡魔がくる。決して昼寝をしない。夜は、導入剤なしのよい睡眠が得られる筈だ。目覚めの時間に読んだ読書。河合隼雄『明恵 夢を生きる』。ユングの夢の分析。ある戦争神経症の患者が見る夢。「一軒屋で、夜に窓を閉め忘れたことに気づき、確認して歩くと最後に大爆発が起こって怖ろしさに目を覚ました」それを聞いたユングは「大爆発のときに、怖がらずに何が起きているかよく観察して」すると、患者はまた同じ夢を見て、最後の窓のところで、ユングの言葉を思い出して窓を見ると、今度は爆発は起らずライオンが吼えていた。ここで怖くなり目が覚めた。ユングがライオンをよく見るようにと助言すると、今度はライオンではなく人間が侵入してくるところに変わり、最後には悪夢を見なくなった。

眠れないという意識もこの悪夢の話に似ている。眠らなくてもいいと、意識を変えると、時間が経てば、導入剤がなくても、難しい哲学の本がなくても、リラックスして眠りを待つ間に、忘れたように眠りについている。
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