
山に鳥多くなりたる皐月かな 滝沢伊代次
新しい月が始まると、心も新しい日々に向かって開かれる。今年は生活習慣を見直しているが、一月から晩酌を止め、ほぼ達成することができた。山野に出る山菜を食卓に並べ、少量のアルコールを老妻と楽しむ夕べも迎えられるようになった。
今取り組んでいるのが、睡眠の質の改善である。安易な気持ちで使い始めた睡眠導入剤が習慣となり、それなしに眠れなくなくなった。量を少しずつ減らして導入剤なしの夜を目指したが、昨夜ついにそれが実現できた。入眠して4時間ほどで目が覚める。それから次の眠りに入るまでの時間の過し方である。そこから眠りを意識しないこと。自然に眠りにつくのを待つ。一昨日の前まではこの待つ時間をなくすために導入剤を使った。眠れないことを気にしない。一昨夜は導入剤を飲まないで、電灯をつけて読書をした。朝まで眠らなくてもいいと思えた。妻が起きて、朝の準備を始めている。明るいなかで眠りがやってきた。それでも一晩で5時間足らず。朝食をとりながら睡眠不足を実感する。

眠れないという意識もこの悪夢の話に似ている。眠らなくてもいいと、意識を変えると、時間が経てば、導入剤がなくても、難しい哲学の本がなくても、リラックスして眠りを待つ間に、忘れたように眠りについている。