
睡眠導入剤に頼らなくなって1週間になる。SWの示す睡眠の点数も80点を超えることが多くなった。朝起きて、目覚めが爽快なことと、その後の朝散歩が実に気持ちいい。もう一つ思いもしなかったいいこと。真夜中に至福の時間が持てるのだ。疲れて寝ると、9時就寝が多い。一寝入りで、午前2時ごろに目を覚ます。枕元に前日買った本が積んである。北村薫『詩歌の待ち伏せ』。トイレに立った後、本のページを繰る。作者を待ち伏せていた啄木の歌に
ある朝のかなしき夢のさめぎはに
鼻に入り来し
味噌を煮る香よ
作者が小学生のころ、味噌の袋に印刷されていた啄木の歌である。味噌汁はわが家には欠かせぬものだ。野菜と牡蠣が入り、モッツァレラチーズが入る。朝とるべき栄養が考えられている。啄木の歌は、味噌の香りをかぎながら、朝立ち働く妻の姿が隠されている。ここを読み終えて、今日は山に山椒の新芽を採りに行こう、と考えながら次の眠りにつく。
また別の本、小高賢『老いの歌』に宮英子の歌
寒ければ早う寝ようといふひとなし雪降るならむ夜半二時すぎ
夫の宮柊二の亡きあとに詠まれた。他に昨日買った本は石井直方『トレーニングをする前に読む本』、池谷裕二『記憶力を強くする』。なんだか、泥縄のような本選びだが、4冊で500円、ブックオフのお買い得。もう読まない本をついでに持っていったら15冊で買い取り額20円。