常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

シンエイザクラ

2022年05月02日 | 登山
世間はゴールデンウィーク。コロナも収まりを見せ、この連休はやっと旅行や里帰りができる。テレビでは、ホッと一息つく街の様子が写し出される。だが、その安堵の向こうには、戦争の惨禍と、あらゆる生活資材の値上がり、落ち込んだ社会活動の復帰。山と積まれた難題が待ち受けている。そんな不安を考えてもどうにもならない。雨が上がった日、近くの三吉山を歩いてみた。

この間まで咲いていた桜は、緑の葉をまとい、雑木の新緑は目にやさしい。水場の上の参道にはヤマブキの黄色の花が盛りである。見なれた岩海にくると、二人の女性から質問を受けた。若い女性から、「シンエイザクラは咲いていましたか」初めて聞く桜の名であったので、遅咲きの桜は咲いていましたがと、答えを濁すと、「ここにだけ咲く固有種なんです。この間見にきたのですがまだ咲いてなくて」と若い女性が、三吉山の固有を強調する。やがて咲いた桜が見えると、「あ、あれ。咲いていました」

しばらく下ると今度は中年の女性。「ちょっと聞いていいですか。ここにシンエイザクラいう桜があると言うので見に来たのですが、分かりますか。」「ええ、さっき若い女性が見つけてあれがそうだと言っていましたよ」「わざわざ、あの桜を見にきました」とあくまでもシンエイザクラにこだわりがある。今頃咲くのは、確かに珍しいが、見た感じではヤマザクラと少し違っているようだが、さほど変わりばえしているようにも見えない。この近くの人たちは、郷土の花として誇りに思っているのかも知れない。

帰宅してネットで調べてみた。「シンエイサクラは山形県の植物相を研究している加藤信英氏の名をつけている。初め、オオヤマザクラとミヤマザクラの種間雑種と考えられいたが、調査の結果、独立種であることが判明。特徴の細部が書かれているが、ここでは略する。山歩きのご褒美に、上山の里山にある独立種のシンエイザクラの存在を知ることができた。
コメント
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