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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

一名山の視点

2023年01月15日 | 登山
新しい年、今年も山行が始まった。高齢になってこれからの登山はどうあるべきか、色々考えている。山友会の仲間に、「日本百名山を完登しました」という人もいた。計画がああるままに、どこの山でもという今までの姿勢ではいけない、と思っている。ブックオフで『わたしの一名山』という本を見つけた。石井スポーツが、「とっておきの山大賞」というものを創設し、その記念に「あなたのとっておきの山について綴ってみなせんか」と文章の投稿を呼びかけた。店の予想を超えて、応募は300編に達した。そのうちの選ばれた41編が本書になった。

この本を参考に、身近な山を掘り下げ、その山の四季、植生、歴史を知り尽くし、その山の主のような存在になること、そんな山との関りもあるかなと思えた。戦中戦後、厳しい時代に80歳まで山に登り続けた父を持つ娘の秋山康子さん。父の思い出を確認するために登った根子岳の記録がある。「三六〇度の山頂の展望を見渡していると、ふと「天国ってこういう所ではないか」と思えた。うっとりと美しい景色だった。ポッカリと雲が浮かんでいる。その雲を見ていたら、つぎはぎだらけの登山服の父と、日傘をさし紺の縞模様の着物を着た母の姿が、私のまわりを飛び回っているように思えた。」

夏が来る山また山の奥処より 飯田龍太

これからの山の会では、会員の安全のみを考え、その残りの時間で山の四季、季節の移ろい、そしてその山の素晴らしさを心眼に焼きつける。そんな作業が自分に与えられた課題であるような気がする。

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