正月2日に食べるわが家の定番はトロロ汁である。北海道の生家の風習をそのまま受け継いでいる。長芋と長生きが語呂合わせになって縁起のいい食べ物とされてきた。何よりも、食糧難の戦後、麦飯にトロロ汁を掛ければ何杯でもお代わり自由であった。縁起ものというより、飢えたお腹を満たす格好の食事であった。今年は、正月の食卓にセロリが初めてのった。山形のJAでは、山形セルリーと命名してブランド化を図っている。恥ずかしながら、このセロリを気にはかけていたのだが、実際に食するのは初めてである。食べてみて食感といい、香りといいセロリの常識を変える食べものであった。とにかく美味しい。
セロリの葉は生食には用いられない。この野菜は薬用に使われ、イタリアの農村で改良されて、食用野菜になった。その香りはスープにするのがふさわしい。根に近い茎の部分を薄くスライスしてサラダにする。他の野菜を一緒に用いることで、セロリの特性が生きる。だが、山形セルリーは、芯の方の葉も、茎の部分もそのままガリガリと食べておいしい。マヨネーズをつけて食べるのもあり。こんな食材を何故もっと早く用いなかったのか、ただ残念だ。
セロリのスープのレシピ。セロリ数茎を小口切り、玉ねぎ3個薄くスライスしてオリーブオイルで炒める。玉ねぎがカサが減るまで炒め、しんなりしてきたらセロリを加えて炒める。セロリが柔らかくなったらそば粉を大さじ1杯を加え混ぜ合せる。更に鶏ガラスープ6カップを加えて30分煮込む。煮汁を少しボールにとってブルーチーズ100gを入れてどろどろにする。火はすでに弱火、チーズが入ったら、塩と胡椒で味付けをしてできあがり。チーズに塩味があるので味見をしながら調整する。