
麹には古い歴史がある。紀元前から用いられたもので、中国から伝えられたと言われている。和食に欠かせない、味噌、醤油、酒は麹を使って初めてできる。麹のよさは、古くから語り伝えられている。米を蒸し、麹菌を加えると、菌糸をのばして生育する。こうしてできるのが、米麹だ。この時、麹菌は酵素を生産する。多種類の酵素を生産するが、そのなかで大きな働きをするのが、澱粉を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するプロテアーゼという酵素だ。アミラーゼは澱粉を分解して糖を作り、プロテアーゼはたんぱく質を分解してアミノ酸を作り出す。食物の甘みや独特のうま味のもとがこの酵素の働きで生成される。
麹がおいしいというのは、すでに体験済みである。塩麴をまぶしてつけおいた鶏の胸肉はやわらかく、これを食べる度に感動する。高価な米沢牛や三元豚の肉に負けないおいしさだ。今日、格安の素材、エノキ茸のタラコ合えを試してみた。市販のエノキ1パック。タラコ1/2腹、塩麹小匙1。エノキは食べやすい大きさに切り、タラコ一腹を皮から出し塩麴小匙1杯を混ぜておく。エノキはフンワリと皿に盛り、ラップし 電子レンジ1分加熱。エノキが温かいうちに調理済みのタラコをかけ、まぶす。食べてみて、びっくりするような美味しさだ。コストパフォーマンスがよく、食べておいしいのであれば、さらにバリエーションを広げてこれからの食生活を豊かなものにしていきたい。