常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

夏至

2024年06月22日 | 日記
昨日、夏至。今日から少しずつ昼が短くなる。我が家のベランダのトマトの木が大きくなり、青い実をつけた。カトレアの茎の上に、小さな花芽がついた。一本だけ植えたナンバンの木にも、細長い初なりができた。季節が巡るのがあまりに早い。ひ孫がやがて満2歳の誕生日を迎える。麦わら帽子に、妻が刺繍のネームを入れた。手が効くうちに、ひ孫の誕生祝いにひと針ずつの記念の刺繍だ。

部屋ごとにしづけさありて梅雨きざす 能村登四郎

夏至は季語になっていない。至は極まりを意味する。昼の長さ極まって、ここから短くなっていく。言葉を変えれば陽の気が極まって、陰の気が生ずる。本格的な夏はこれから来る。一番暑い大暑はひと月後の7月20日過ぎだ。金の詩人、趙秉文の詩「夏至」を読むことにする

玉堂に睡起して苦に茶を思う
別院の銅輪露芽を碾く
紅日階に転じて簾影薄し
一双の蝴蝶葵花に上る
 
詩の意味は、「翰林院でうたたねより覚め、とても茶が飲みたくなる。別棟で、銅の臼で茶をひく。外は真っ赤な太陽が中天に輝き、簾の影も消えた。つがいの蝶がゆっくりと葵の花の上を飛んでいる。」
30℃を超える日が続き、梅雨入りも目前だが、夏の暑さは身体にひびく。お茶はもう、麦茶を冷やして氷を入れる。冷凍庫には、冷たいアイスをたくさん買い込んだ。暑い夏も、あっという間に過ぎ去っていくような気がする。
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世界谷地

2024年06月21日 | 登山
栗駒山の麓に、新緑と花を訪ねて行ってきた。残雪をわずかに残す栗駒山をめざして、宮城県県栗原市に、大湿原「世界谷地」はある。例年なら、ニッコウキスゲの群落が見られるが、今年はチラホラと咲くのみ。川沿いにブナや広葉樹の林を超えていきつくと、長い木道が敷かれた世界谷地。標高は600mほどだ。なぜ、こんな名がついたのか、不思議だ。東京ドームが三つほどの広さの湿原が二つ。湿原の上には、栗駒山が大きく構えている。この湿原の広さを、世界と表現したらしい。こちからだとカガミ平経由の栗駒山登山コースがある。ワタスゲも終わりに近づき、雑草のなかに群生している。山中には、春ゼミの大合唱、鳥の声も消されている。

花の季節には、ニッコウキスゲのほかトキソウ、キンコウカ、ウメバチソウ、レンゲツツジ、コバイケイソウなどなど、多くの花を楽しむ人が多いらしい。山形から高速を使って2時間半、これらの花を楽しむにはいかにも遠い。近年の温暖化は、花の咲く時期も大きく狂わしている。本来ならニッコウキスゲの見ごろのはずが、19日現在でほぼ咲き終わっていた。この日の参加者10名、80代は自分を含めて3名。ブナ林のなかは木陰に、風が心地いい。遠さを除けば高齢者の緑の散策にはもってこいの場所といえる。
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セージ

2024年06月20日 | 日記
春に買ったセージの苗が赤い花をつけた。ラベンダーは苗のときから花をつけていて、咲いていくごとに切りとってドライフラワーにしているが、初めてみるセージの花は感動ものだった。花房の下の方から先端へと咲いていく。花の名は、チェリーセージとある。シソ科の一年または多年草とある。花が咲き終わったら種を採取して来年は、種まきから始めるべきなのか。バジルはこぼれた種が、翌春、たくさんの芽を出した。ハーブの栽培は、こんな初歩から覚えなければならない。混んできた葉は摘み取って風通しをよくする。葉はてんぷらににしてビールのつまみする。

秋になったら、枝を半分ほどに切り、乾燥させて保存する。ラベンダーのドライフラワーと一緒に匂い袋に入れて洋服ダンスに下げておくとよい。切り取った枝は、挿し木にして増やすこともできる。抗酸化作用、殺菌力もあるので、冷ましたティーでうがいをしたり、口内の用いられる。
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父の日

2024年06月17日 | 日記
昨日、父の日であった。子供たちから父の日のプレゼントをもらうなど絶えてなかったことだが、銀タラの西京漬けが送られてきた。世間では、母の日はしっかりプレゼントがあって父の日は忘れがちであるようだ。野球の大谷も、将棋の藤井聡太など、天才を生んだのも母親の話題が先行している。

かっての天才棋士に谷川浩二名人の時代があった。名人の父親は、神戸のお寺「高松寺」の住職であった。谷川名人の子供時代は、無口の子だったが、男兄弟2人は、お互いに気が強く、喧嘩ばかりしているよう兄弟だったらしい。何とか喧嘩をしない方法はと考えて、覚えさせたのが将棋であった。父は将棋を知っていたわけではない。盤と駒、将棋の指し方やルールを書いた本を与えた。浩二少年は兄が帰ってくるのを待つ間、一人で駒を並べて将棋に上達していった。

浩二が小学校の入ると、街の道場に通い始める。父が浩二を自転車の荷台に乗せて、道場まで送り、迎えをした。浩二が道場のなかで将棋を指している間、父はじっと外で待っていた。そんな姿を見て話しかけた人がいる。「将棋の腕前も相当なものでしょう?」「いやあ、私、将棋を知らないんです。」「将棋を知らないで送り迎えではつまらないのでは?」父の答えは、「いいえ、子供が喜んで将棋を指しているのを見るのが好きなんです。」

この逸話を聞いて、米長9段がはっと気づいてたことがある。父親のこんな気持ちが、谷川少年を強くし、その後、この世界の最高峰である名人の位に就かせたに違いない。
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梅雨入りまだ

2024年06月12日 | 登山
昨日から真夏日、今日も30℃オーバーになるらしい。いつもなら梅雨に入って雨が、植物の成長を促す。今年は、雨がなく空気は乾燥している。それでも植物たちは驚くほど成長が早い。空き地の雑草は、わが世の春だ。畑を作っていたころ、畑の除草に忙殺された。畑を止めたのも、雑草の繁茂力に負けたからだ。年齢とともに、炎天下での地味な作業に耐えられない。せめて、ベランダにハーブを植えて、朝夕、鉢の植物たちとの対話で閑を埋めている。朝、珍しくベランダの手すりにスズメがやってきた。外へ出てみると、植え込みに数羽のスズメが飛び回っている。そういえば、この季節コスズメの巣立ちの時期だ。巣立ったコスズメヲに、餌の採りかたを教える時期なのだ。

以前に住んでいた家の庭でも、庭木にコスズメがやってきた。普段、寝そべっている猫が、野生にかえり、身体を小さくして、コスズメを狙って跳躍した。そうして、猫が獲物を獲って、家のなかに運んできた。コスズメは可哀そうだが、猫のドヤ顔をみて思わず笑ってしまった。ネズミも獲って、死骸を家で転がして遊ぶのが習性であった。それにしても、この季節は、生きとし生けるもの生命力が一番活発な時のような気がする。ベランダに植えたトマトの一番咲きに、小さな実がつき、日一にちと成長している。

子雀の眺められをり芝の上 水原秋桜子
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