「京の夏の旅」の特別公開で、京都駅に近い場所、島原エリアを訪れているミモロ。かつて新撰組などが、宴会に使った、今でいう料亭の揚屋の「角屋(すみや)」を見学し、次に向かったのは、置屋の「輪違屋」です。


置屋というのは、宴で芸でお客様をもてなす太夫や芸妓を抱えるところ。宴会の会場である揚屋は、この置屋に、お客の要望で、太夫や芸妓をアレンジします。


ここ、「輪違屋」は、元禄年間の創業という、なんと320年以上もの歴史を誇ります。現在の建物は、「角屋」同様移転を行い、安政4年(1857)に再建され、その後も増改築を繰り返し、今の姿になったのは、明治4年(1871)だそう。
現在は、お客様をもてなすお茶屋さんとして営業しているので、普段は、公開されません。
よく時代劇や映画に登場する「太夫道中」は、置屋さんから、揚屋さんに太夫が、向かうためのもの。少女の可愛らしい禿(かむろ)などを従えた、華やかな道中です。高いぽっくりのような履物を、8の字に動かしながら歩く姿は、沿道の人々の憧れ。「太夫って、お茶やお花、和歌に書、俳句なんかも得意なんでしょ…すごいよね~」と、ミモロは尊敬のまなざし。昔の女性の中で、高い教養をもったスーパーレディーです。
ですから、お客は、太夫が選ぶのだとか…。無粋な無教養な客などは、相手にしなかったそう。だから、太夫と過ごせる男性は、ただお金をもっていてもダメで、それなりの教養や人間的魅力を備えていないと…。
「遊ぶのも大変だね~」と…
さて、今回、特別公開されたのは、1、2階のお座敷です。
まずは、玄関で、履物を脱いで…

庭に面した1階のお座敷が、ここの主座敷。

「なかなか広い…」

お座敷の床の間を拝見して…

そして屏風も…

「なんて書いてあるのか、よくわかんないけど…でも、確かに近藤勇って名前のところは読める・・」
また別のところには、半紙に書かれた書が…


「きれいな字…」「それは、芸妓たちが、お客様にお出しした手紙の下書きです。お座敷に呼んでくださいね…という内容…」と。
「ホントきれいな字をみんな書けたんだ・・・すごい・・・尊敬しちゃう…」と、ミモロ。
2階のお座敷も公開されていますが、そちらは撮影禁止。
「太夫の打掛もあったね~。とても豪華な刺繍がされて、すごく美しかった…」とミモロの感想。
ここも、建物がなかなかりっぱ。置屋さんだけあって、どこか艶やかさを漂わせる建物です。
「ここに、たくさん太夫や芸妓が暮らしてたんでしょ…」
今は、古い建物の匂いしかしませんが、当時は、白粉など、いい香りが立ち込めていたのでは…。
女性たちの声や、三味線、鼓や琴の音も響いていたかもしれません。
「そのうち、3D映像で、当時の様子が、再現される展示なんかも出てくると面白いのに…」と、今は頭の中だけの想像も、いつか3D映像で、目に見えることになる時代がくるのでは…。
「さぁ、帰ろう…」


*「輪違屋」の特別公開は、9月30日まで。詳しい情報は、「京の夏の旅」からどうぞ・

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